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池田均さんの作品が去る日

川内村の、知人の別荘に一枚の絵が飾られている。
題名は「ドイツの黒い森」。作家は池田均さん。池田さんが仕事でドイツに駐在していた時に描いた画で、別荘が完成したお祝いにオーナーに贈られたものだ。

別荘の黒い森

アンドリュー・ワイエスのタッチにも似た、緻密で知的な画風。木や草だけでなく、清澄な空気、水や光の粒子までが感じられる。

ドイツの黒い森

池田さんの画は、ひとの駅の準備段階から、長い間ひとの駅にあった。時に役場へ行き美術館構想の説明に使い、時に教室に展示して、マンションのモデルルームのように、美術館完成の姿を想像してもらった。
そしてオープンしてから今年の正月まで、ひとの駅の代表的な作品として展示させていただいていた。芸大OBのたくさんの協力者の方々の作品とともに、オープンしない美術館の中で、オープンする日を夢見て、時折来る関係者にアートの素晴らしさを無言で語りかけてくれたのである。

大切で高価な、世界にひとつだけの作品を、代表の夢のために無償で提供してくださった方々への感謝の気持ちを、代表は一生忘れない。

ところで、ついに、池田さんの画と別れる日が来てしまった。
有名な北海道十勝の中札内美術村で「池田均展」の開催が決定したのである。その後も埼玉県川越の美術館での企画展開催が決定。この素晴らしいニュースを、池田さんは申し訳なさそうに報告されたのだった。

正直に告白すると、ちょっと寂しい。池田さんの作品は、もう戻ってこないかもしれないから。でも、池田さんの作品の価値を、ひとの駅で活かしきれたかどうか・・・。空調設備もなく、紫外線も防ぎようのないボロボロの廃校の美術館に、こんなに長い間展示させていただいたことに、かえって申し訳なく思う。そして、心から感謝したい。中札内美術村での個展開催を祝福し、成功を心から祈りたい。

池田さんありがとう

池田さん、ありがとうございました。

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