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バイクがつなぐ不思議な縁

3月19日朝8時30分。
まこちゃんから電話があった。まこちゃんは代表の4つ年下の幼なじみ。まこちゃんのお母さんが、代表の実家の隣家の出身だから、よくお母さんと遊びに来ていた。たしか2001年のこと。「川内村のバイクライダーで、各地のエンデューロ(耐久レース)に出場している奴がいる」という噂は聞いていた。代表が川内村でオフロードバイクのエンデューロを立ち上げようと準備していたときに、手伝いに来た噂のバイクライダーに会った。
それがまこちゃんだった。

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幼いときの面影がのこる久保田誠だった。
それから、まこちゃんは川内村のエンデューロ(GALLOP-Xと命名)の実行委員長になり、2002年の開催からずっとGALLOP-Xを引っ張ってきた。

「ガソリン携行缶、ありがたく使わせてもらってますよ」
ひさしぶりのまこちゃんの声だ。ハチロー君と同じく電力関係の仕事をしているまこちゃんもまた、現場で原発事故対応にあたっている。ガソリン携行缶にガムテープを貼って、代表の名前と、ガソリン携行缶を提供してくれた友人たちの名前を一緒に書いおいた。それを見つけてわざわざ電話をくれたのだった。

まこちゃん「現場はかなりばだばだしてますんで、ガソリン携行缶をコントロールすんのは無理ですから、
      もしかしたら無ぐなっかも・・・」
代表   「わがってるって。そんなごどは気にしなくていいがら」
まこちゃん「わがりました」
代表   「たのむど」

ただそれだけの短い会話だったが、お互いの気持ちは伝わったと思う。

地震が発生してから4日目の3月15日夕方に、ハチロー君から依頼を受けて、あわただしく友人たちに提供を頼んだガソリン携行缶は、16日朝にはバイクや車に積まれて代表のところまで運ばれてきた。会社の中から偶然に転がり出てきたものもあったりして、その数は全部で16個にもなった。

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昼過ぎにハチロー君がきた。
つい先日ハチロー君の梅畑の梅の木を剪定して、その足でハチロー君の家でコーヒーをご馳走になって、ハチロー君の奥さんも交えてゆったりした楽しい時間を過ごした。それからハチロー君は青森へ向かって、代表は埼玉へもどった。それが、今日こんなところで、こんな形で会うとは。しっかり手を握り合った。

ハチロー君「コスゲがよろしくって」
代表   「コスゲ君・・・もどったんですか?」
ハチロー君「動きのいいやつが必要なんで、来てもらった」

コスゲ君か。なつかしい名前だ。
コスゲ君もまたGALLOP-Xを立ち上げるときに手伝ってくれたまじめでタフなナイスガイだった。そのまじめさゆえに、荒くれどもの多かった実行委員会の空気になじめず遠ざかったように、代表には見えたのだった。コスゲ君もハチロー君と同じ会社で、将来技術の開発を担うために現場を離れたと聞いていたが、今またこうしてつながるとは不思議だった。

しかし、いつまでもそうして感慨に浸っているわけにはいかなかった。ハチロー君は一刻も早くガソリン携行缶を原発対応の現場へ届けなければならないのだった。

「必ず息の根を止めてくださいよ」と代表は言った。
「ん!ところで、花粉症は大丈夫なのか?」とハチロー君。こんなときにもハチロー君らしい気遣いをしてくれる。あのときの涙は、花粉症の涙じゃなかったと代表は思う。

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