FC2ブログ

ゲゲゲの代表

 畑Bに墓を作った。

  2019102401.jpg

 おそらくこのまま行くと、代表は畑で倒れることになるだろう。良く晴れた五月のある日、雲雀の声に包まれながら代表の意識は遠のく。代表は用意したこの墓に自ら歩み寄って、重ねてあった柴木やゴミの上に静かに横たわり、そのまま息絶える。

 2、3日川越の自宅にも川内村にもいないとなれば、いい加減代表の家族も気付いてここに来るだろう。そして、薫風で程良く乾いた代表の躯を発見する。あとは火を着けるだけ。代表の体は灰になって風に飛ばされ畑に返され、カリウムとカルシウムがじゃが芋の炭酸同化を促し豊作をもたらす。理想的だ。

 これを墓と呼ぶかゴミ焼き場と呼ぶか、はたまたカリウム生産工場と呼ぶか、結局のところ生体ないし死体を燃やして灰にする施設なのでどう呼んだってかまわない。代表としては、ここで燃やされる全ての生き物に敬意と弔意を表して" 墓"と呼びたい。

 何度か書いたように、代表の農法ではカリウム単肥が絶対的に足りなくなる。確かに、有機農業でも使える硫酸カリとか塩化カリとかの肥料がある。が、それらを使った場合、カリウム分が作物に吸収された後に硫酸が残り塩が残る。そのために次の作物を作るときにそれらを中和する必要が出てくる。したがって、また石灰だとか色んなものを畑に入れることになるわけだが、代表は余分な物は極力入れたくないし無駄なことはやりたくない。カリウム単肥としての製品があるといいんだが、今の世の中に存在しない。だから、代表の使い方に即したものは代表を燃やした灰か草木灰しかないのである。

 この草木灰を手に入れるために代表はあらゆる努力をした。木炭を製造販売しているところなら灰が大量に出るだろうと思ってあたったんだが、技術改良が進んで出る灰が少なかったり、生産現場からの輸送費の問題があったりして駄目だった。薪を燃料としている銭湯なら...と、近辺の銭湯を片っ端から訪ねた。灰は大量にあったものの、家屋の解体で出る廃材や輸送で使うパレット等も燃やしていたため、残念だが有機農業では使うことができなかった。国内外の肥料メーカーにも問い合わせたが、東南アジアのヤシの木林を燃やせばできる程度のレベルであった。本気で火葬場まで行こうと考えた末に、火葬場的な施設を自分で作るしかないという結論に至った。そのプロトがこの墓だ。

 早速、あずきや落花生の残渣、周りの林の木の枝などを燃やしてみよう。
  2019102402.jpg

 いい感じだ。思ったより灰の量が多い。川内村にも作れば全体の必要量を賄えるかもしれない。

 灰を得るためだけに草木及び代表を燃やすのは少し罪悪の意識があるが、現代の有機農業の先駆者、金子美登先生は「有機農業とは、自然の中で数百年かかる土作りを人の手と知恵によって数年で行うこと。」というようなことを著書に書いておられたから、その一端として、自然条件下で何年もかかって分解するものを、同じ原理によって短時間で分解させる技術と解釈すれば、大きく外れてはいないだろう。更に、草木及び代表を燃やす時に発生する熱や煙なども農業に無駄なく利用できるようにすれば尚良いはずだ。そこに光を当て、新しい手法を提案するところに、代表の存在と燃やされる意義がある。合掌。

コメント

条例??
非常に有意義な取り組みだと思いますが、県の条例で焚火禁止とかの問題はないんでしょうか。最近は稲わらの償却も禁止されているとか。

焚火なんてアマゾンの火災に比べれば微々たるもんだと思いますけどね。

管理者のみに表示

トラックバック