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拝啓、鶴田松盛様 2019夏

 拝啓、鶴田松盛様

 ご無沙汰しております。今年は広野あたりも暑いだろうと察しますが、お変わりなくお過ごしのことと思います。

 コメントをありがとうございました。里芋は私が最も力を入れている作物で一番得意にしている作物です。品種は土垂(「どだれ」または「どたれ」)です。里芋で様々な農法を試して参りましたが、今まで失敗という失敗は無く、毎年たくさんの収穫がありました。私が作る里芋を楽しみにされておられる方も多く、その為に失敗できない、いつも緊張感を持って挑んでいる作物でもあります。

 今年は13株×12畝+αで約160株を植えました。その内の10畝は更に新しい農法を試みて、その内の5畝については今後の方向性を探る目的で液肥のみで育てるトライをしました。

 その結果、新しい農法が非常にうまく行き、従来のやり方と格段の成長の違いを見せました。液肥については、良く効くものの里芋を育て切るには肥効の切れが早過ぎると判断し、途中からぼかし肥料に切り替えました。そうやって計画通り、7月一杯かけて充分に大きく育てました。先日その写真をブログで紹介しました。

 ところで、里芋作りで大事なポイントは、梅雨明けの乾期にいかに水を与えるか、です。里芋は水を欲しがる作物です。この時期、丁度芋ができる時に水を与えられるかどうかが出来不出来に大きく関わってきます。毎年私は水場で10リットルのバケツに水を満たして、畑まで100往復もして潅水して来ました。畑の作業の中ではこれが最高に厳しい重労働です。今年は里芋を植えた場所を畑Aから畑Bに変えたため、水場との距離が長くなって、運ぶのが一層大変になりました。そのときの励みは鶴田さんが喜んでくれる顔だけです。誇張でも冗談でもなく、鶴田さんの丸い大きな顔が64の私に力を与えてくれています。

 しかしながら、今回はこの大事な時期に川内村に帰る用事があって3日ほど離れ水がやれなかったために、失敗してしまいました。水が足りなくて、御覧のように縮れさせてしまいました。

  2019080901.jpg

 無念です。
今日は「申し訳なかった」と里芋に詫びながら水を1トン運びました。もう疲労で小便がまっ黄っ黄です。

 この水不足が収穫にどう影響するかわかりません。もうダメかも知れないし、もしかすると良い方向に向かうかも知れません。里芋が水を求めて根を延ばし養分が沢山吸えるようになることも考えられるし、この過酷なストレスが里芋を新たな領域に導く可能性もあります。それはわかりませんが、湿気の多い東南アジアの密林を離れて今日本各地で繁茂している状況を鑑みれば、この芋は底知れぬ力を秘有していると考えて間違いないでしょう。硬い芋になるかえぐい芋になるか収穫してみないとわかりませんが、それはそれで味わいの内になるかと思います。

 長くなってしまいました。今から不作の時の言い訳を並べてしまった感じで恐縮ですが、飽くまでも私が目指しているのは世界一美味しい里芋です。口に入れた時にトロっと溶けて、口中全体に旨味が広がった後、焼酎でサーッと喉元に流れて行くという、そういう里芋です。作り方のイメージはできていて、自信もあります。今年は失敗かも知れないですが、何年かかっても必ず完成させますので、それまでお待ちください。

 明日もまた暑い日なりそうですが、どうぞお元気で。私は頑張ってまた里芋に水と汗を運びます。

 それではまた。
                                                                敬具
 

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