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何やってんの?

 アッピア街道を通る人たちから最も多く受ける質問が「何やってんですか?」である。他の畑と作物の様子が違うし置いてある道具もやっている作業も違うからだろう。人物も相当に怪しい。

 代表は相手によって答えを変える。犬を散歩させているような人には「枝豆を植えてます。」と作業自体のこと。畑仲間の場合には「空気吸ってる」くらいの冗談を言っておいて、何にどの程度興味があるのか探りを入れてから。そうしないと代表の空回りになってしまう。

 神経を使うのはいつも代表の様子を遠くから窺って「怪しい奴だ」と訝っている専業農家の人たちだ。可笑しな話なんだが、同じ農業に取り組む当事者なんだが、現代の慣行農業と代表が目指す有機農業とは基本で相容れない部分があって、農業に真剣に向き合っている人ほど代表の行動は奇異に見えてしまうのである。また、代表がやっていることを説明しようとすると、どうしてもその人たちの仕事を否定することにもなってしまう。だから、そっちもありだけどこういう考え方もあるんですよと、軟らかくオブラートに包むように話さないといけない。パラドックスを抱えながら理解し合える接点を見出す、そこが一番難しい。

 この日も、宿場でぼかし肥料の材料をいじっていると、いつも代表の様子を窺っていた老人がついに近寄って来て「何やってんの?」と聞かれた。

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 代表は一時間くらいかけてぼかし肥料と液肥について話をし、その上で、生育段階に合わせて単肥を施して成熟を促す農法について話した。

 老人は混乱していた。もう何十年も元肥と追肥で施す農業を良しとしてやってきた方だからこそそういう反応になる。残念ながら今ひとつ説得力に欠けるのは作物を提供できる段階ではないことなんだが、それでも、長く野菜を作って来た人なら畑を見てもらえば大体予想がつく。育ち具合は一目瞭然、良好だから。老人は、それほど怪しい奴ではない、と一応納得されて帰ったみたいだった。

 これからも色んな人が「何やってんですか?」って聞いてくるだろうけど、いつでもどんと来いだ。

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