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好きな作物しか作らない

 「結局、皆さんは好きな作物しか作りません」と農大の先生は言った。折につけ何回も話した。「そんなこたねえよ先生。俺たちゃ何だって作るよ」と代表は心の中で反論した。

 しかし、今その言葉を思い出すと「ああ、そういうもんかな」と納得できる部分もある。代表は、栽培管理が複雑だとか、うんと神経を使うとか、設備や資材の費用が嵩むだとか、鮮度が落ちやすくて扱いが面倒だとか、そういう作物は作るつもりがない。

 例えば、アスパラガスは二度と作らない。肥料ばっかり山ほど食いやがって育つのは根ばっかり。食用になるのは一年に一株当たり鉛筆程のものが数本だけというみみっちさである。アスパラガスはケチだ。それから、ブロッコリーも作らない。ガタイがでかい割に収穫部分は大人の拳程度でしかなく、残渣も役に立たず、いくら美味しくたって栄養があったってそれを片付ける時の空しさは言葉にならない。非合理の極みである。同じような理由でモロヘイヤとかルバーブとかも嫌だ。

 結局、好きな作物しか作りませんよと言った先生の意図は、作物の味や臭いについてのことだけではなくて、当人との相性を含めての話だったんだなと気付いた次第。

 代表が作りたくないものの中に二十日大根もある。これは、畑に背中を丸めてしゃがんで鼻くそ程の丸い種を指先で一粒ずつ摘まみながら2、3cm間隔で蒔いかないといけないスケールの小ささと、出来る大根がピーターラビットのセットの一部としか思えないようなミニチュア感で、「ままごとやってる場合じゃねーんだよ。もっとでかいことがしたいんだよ。」的な気持ちにどうしてもなってしまうからである。代表には合わない。

 なんだが、先日、畑仲間に誘われて、団地の週に一回とか二回とかやっている朝市とも呼べないくらいの小さな市で野菜を並べる機会があり、その時におばちゃんに「二十日大根作れないの?」と言われて猛烈にカチンと来た。「ならば作ってやる!」とその足で種を買いに行って植え、それが芽を出した。

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 好きな作物しか作らない。でも、嫌いな作物だって作れないわけじゃない。肥料と水で膨らました大根じゃなく、有機肥料と栄養周期理論で旨味をギュッと貯め込んだ激旨の二十日大根をもうすぐ食べさせてあげるよ。


 

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