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里芋の叫び声

 しばらく雨が降っていなかったために畑はカラカラに乾いていた。周りの畑仲間たちはせっせと水を運んで作物にかけていたが、代表はやらなかった。枯れさえしなければ大丈夫だし、こういう時こそ作物が水を求めて根を広げる時期と考えているからだ。

 しかし、水を欲しがる里芋にとって長く続いた今回の日照りは辛かっただろう。例年よりかなり成長が鈍く、畑仲間たちの里芋と比べても明らかに草体が小さかった。そろそろ限界か。水をやらないと収量に影響が出るか。そう考えていたときにようやく雨が降った。代表の里芋は広げた根でたっぷり水と肥料を吸い、たった一日で見違えるくらいに大きくなった。畑仲間の里芋と肩を並べるまでになり、元気さでは確実に上回っている。これからどんどん差をつけるだろう。代表の作戦勝ちだ。

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 勝ち誇って里芋たちを見渡すと、おや?一株助けを求めているのがある。もちろん声に出しているのではなく、僅かだが首を振り葉をバタバタさせながら訴えているのである。近付いてみると根元に毛虫が2匹付いていた。

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 オオスズメガの幼虫だ。試練は次々に降りかかる。乾きが癒えたと思ったら次はこいつらの食攻撃との戦いだ。代表が農大で750株の里芋の面倒をみていた時は毎朝ファミマのSサイズのコーヒーカップに半分ずつの毛虫を捕獲していた。捕っても捕っても減らないので、捕獲は里芋の葉がでかくなって食害の影響が無くなる8月頃まで続いた。油虫も付くしで、大変だった。

 そういった大変さ対策のために殺虫剤を使い、市場で販売されている里芋は、里芋に限らずほとんどの作物は、ほぼ100パーセントそういう管理下で作られたものだが、それが安全を保証されたやり方であったとしても、やっぱり自分で作るものとなると抵抗がある。だから代表は作物や虫と対話し、時には神となり時には悪魔となって、それぞれの命を正しく全うさせられるように心がけながら農に携わっている。

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