いわな とはゆわない

 代表が子どものとき、川内村では「いわな」を「ゆわな」といった。

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 ひと口に福島弁と括られるが、福島県内でも場所によって言葉が全然ちがう。とても奥行きが深くて簡単には語れない。小さな川内村の中でさえ、北の高田島地区は郡山弁、役場を中心とするあたりからは相馬弁の影響が見られる。

 ちなみに、加藤茶や西田敏行が使っているズーズー弁は、標準語を訛らせただけの福島弁風にアレンジした言葉で、福島弁とは別ものである。山形弁が売りのダニエル・カールとか、青森の伊奈かっぺいなども同じだろう。本物の東北弁で話されたら標準語地域の人には半分もわからないと思う。

 川内村に話をもどすが、たとえば、「そうだよね?」というのを、高田島の人たちは「んだばい?」といい、南側では「んだが?」となる。これがいわき市平辺りになるとまた変わって「そうげ?」になる。

 さらに人や相手、場面などによっても微妙に変化し、たとえば「んだばい?」は「ほだばい?」とか「んだべ?」「ほだべ?」「んだがい?」「ほだがい?」「んだっぺ?」「ほだっぺ?」等、ここに書き切れないくらいのバージョンが存在する。福島の言葉というものはとっても豊かなのである。

 代表が話す川内村言葉は相馬弁が最も近い。ほとんど重なる。その相馬弁を整理記録した、えもすずさんの「相馬弁保存会」というサイトがあるんだが、都会の喧騒に飲み込まれて故郷の情景を忘れそうになったとき、代表はここを訪れて懐かしむということをする。Webの中のサライだ。

 そのとき、バージョン違いを思い出して楽しんだりもする。たとえば、「たっぺ」という相馬弁があるが・・・。

たっぺ [tappe] 名 C凍って滑りやすくなっている路面
「たっぺんなってっから気ぃつけでんげ(凍って道路がツルツルになっているから気をつけて行きなさい)」

てな具合で、もちろん川内村でも使うが、バージョン違いとしては、「たっぺ」を2回続けて「たっぺたっぺ」にすれば、ものすごくツルンツルンな状態を表す言葉になって、「道がたっぺたっぺであるがんにぇ(道がツルッツルで歩けない)」といった使い方をする。また、「たっぺらこい」になれば、平たくて滑りやすいものを指す意味になる。全てにこういったバージョンが加わるから、誇張ではなく、世界で最も語彙が多いといわれるイタリア語にも負けていないと代表は思う。


 「いわな」は川内村では「ゆわな」といった。 これは「相馬弁保存会」では取り上げられていない。相馬ではそうはいっていなかったのか。あるいは、まだ記録されていないだけなのか。わからないが、あと、代表が知っているものでは、「たらけづ(むき出しの尻)」とか「ほろすけ(馬鹿者)」とか「ずんむぐり(野糞をすると尻の穴から入り込んで内臓を食べてしまう伝説の蛇)」、「うっちゃばる(ほったらかす、突き放す)」なんてのがあるんだが、これも相馬弁にもあるのかは不明。今度同級生が集まったときに話題にしたいと思う。
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