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2009年度 東京芸大卒展・修了展へ行く

 朝から少し興奮気味だった。
東京芸大へ向かうせいだ。芸大ではいつも感動的なことに出会えたので、条件反射している。
今回で四度目。一度目は2007年度の卒業作品展へ、二度目は2008年度の卒業作品展に、そして2009年5月に芸大木工研究室とそのOBの方々の作品展を見に行き、今日は2009年度の大卒展・修了展に出かけたわけだ。そんなことを考えながら興奮状態のまま、右手に正木先生の木像が座っておられる東京芸大の黒門をくぐったのだった。

芸大東門
 卒展・修了展を見に・・・とは言うものの、本来の目的は、まずひとの駅のことを芸大の皆さんに知っていただいて、それから、作品を提供していただけるようにお願いする、言わば営業だ。ひとの駅の美術スタッフのうーたんにつくってもらったDMを渡しながら、できるだけ作家さんと直接話をして、作家さんが不在の場合はDMを置く。簡単なようだが、これが難しい。なぜなら作品は、天下の東京芸大の学生さんたちが一年かけて製作した大作や力作ばかり。見とれてしまって必ず時間が足りなくなるからだ。

 例年の反省を活かして、今年はまず一通り軽く見てポイントを決めておき後で要領良く回ろうと思い、まず卒展の日本画、そして油絵、立体とチェックしはじめたが、早々に時間の感覚が麻痺してしまった。

意志のある石 【「石」 片村信氏】

 今年も傑作ぞろいだった。そして、新しいものを産み出そうとするパワーに溢れていた。一生懸命に取り組んでいるのが伝わってきた。一生懸命の可笑しさにも脳をやられた。もう駄目だった。気がついて時計を見ると、9時に会場に入ってからすでに2時間が過ぎていた。反省の甲斐もなく、早速予定は狂ってしまったのだった。

一生懸命 

 実は今回はもう一つ目的があって、それは今年大学院を卒業する中内さんに会うこと。中内さんは、ひとの駅が苦労してオープンの準備をしていた2007年に、初めて、大学の卒業作品をひとの駅に持ってきてくれた方なのだった。
その時の嬉しさと、感謝の気持ちは今でも忘れない。あの卒業作品、漆器「宿る器」は、現在もひとの駅で、夢や希望を宿し続けているように見える。

宿る器 【「宿る器」 中内安紀徳氏】

 それから代表は、この人の作品をずっと見て行きたいと思うようになった。それで、2009年の5月に、中内さんの作品も展示された芸大木工研究室とそのOBの作品展「○から□へ」へも行った。

09年木工芸作品展

 代表は、木工の専門的技術的なことはわからない。しかし、そこにはまるで別人のような中内さんの表現があった。「何か新しいもの・・・学業の集大成・・・」というテーマ追求の重さが結露した卒業作品とは違った、まるで少年の遊具のような楽しさを感じさせる作品があった。同じ一人の作家が、木というありふれた素材を刃具で加工するという、ごくシンプルとも見える表現手法で、まったく次元を変えて見せてくれたのだった。一人の作家さんを見続けることは、自分も作家さんと一緒に成長させてもらうことに違いない。もうひとつのアートの楽しみ方を、中内さんに教えていただいた。

 焦って急いで会場内を探し回った末に、ようやく中内安紀徳さんと2009年度修了展の作品「出土」に出会えた。

中内さんと出土 【「出土」 中内安紀徳氏】

 おおっ!この作品の存在感とおおらかさはどうだろう!
土中にあった数千年の時間と、たった今眠りから覚めた再生の喜びが、その質感と形から伝わってくる。創造する人の不思議な才能と天啓、技術、情熱・・・いろんなことが頭の中を廻った。
そして、こんなすごい人に、こんな近くで、感動を分けてもらえる幸せを感じた。

 それから、たくさんの卒業生のみなさんともお話をした。廃却されたり倉庫に眠ってしまう作品を提供いただきたいということ。そして、ひとの駅かわうちを中心にして、地域全体でパブリックアートを実現したいということ。変な親父が、ウロウロしていると思われたかもしれないなぁ。
「君、キミ。そんな大きなことを言って、本当に大丈夫なのかね?」と問われている気がした。

大丈夫か?

 大丈夫!と代表は思う。
理由は、まず才能と情熱のある作家さんたちがたくさんいる、ということ。これは日本の財産です。
それから、地元行政が協力的なこと。川内村と福島県が強力にサポートしてくれている。
そして、身内を褒めるのも気が引けるのだが、ひとの駅のスタッフが素晴らしいこと。作家さんの苦労を知っているから、作家さんの立場で作家さんを迎え、作品を受け入れることができると思っている。

 残るは代表がどれだけ頑張れるか・・・、それだけだ。
埼玉分と福島分と体がふたつ欲しい!そう思っていたら、それも卒展の作品で解決した。

分身の術 【「体内鏡」 角田優氏】


ふたつどころか無数になりました。百人力をいただいた気分。
芸大のみなさん、どうもありがとうございました。
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