息子よどこへ行く

 息子はバイクを買いたがっていた。そのためにずっとバイト代を貯めていた。自分の金で買うんだしバイクに乗ることにも大賛成。どんなバイクを買おうとも息子の自由だ。ただ代表は一般の人たちよりは少しバイク関係に詳しいので、どういうのが良いバイクだとか、息子の使い方からこういうタイプを選んだら後悔するぞとかはアドバイスした。バイク屋だって商売だから子供相手だと甘く見て騙すかもしれない。だから決めるときには必ず代表に言えと念押しした。

 にもかかわらず、だ。息子は勝手に注文していた。しかも最悪の選択だった。

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 バイクはホンダCBR250RRという水冷4サイクル4気筒エンジン搭載の、30年近くも前の中古車だ。
 息子よ。これだけはダメだったんだよ。エンジンレヴリミットがF1並みの19,5000rpm。曲がりたい方に顔を向けるだけでスッーと向きを変える異次元感覚の旋廻性能。高回転域でもタイムラグゼロでバルブを開閉するカムギヤトレーンの、ギャーという道行く人さえ振り向かせる唸り音。リッター200馬力オーバーの加速。クオーーーーンという排気の咆哮。気持ち良過ぎるんだよ。気持ち良すぎて魂が乗っ取られる。

 代表の愛車S2000もそうなんだが、妥協しないで無駄なものを限界まで削ぎ落としていくと、そこから何を取っても足しても別物になってしまうような、そのものでしかあり得ない本質だけが残ったような真のマシンができることがある。CBR250RRもそんな1台だ。

 だからダメ。こういうものを見つけてきては。息子の将来が心配だ。息子の部屋を覗いてみたら、すでにスペアの部品だらけになっていた。

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 もう乗っ取られてた(苦笑)。
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