川内村の冬支度・・・一日目

 冬支度のため川内村に行ったんだが、今年は早々に雪が降っちゃってその後冷え込んだりしたので、水道が凍っちゃうんじゃないかと思ってかなり焦った。川越から川内村まで片道320km。Kトラで約4時間半。すぐに行ける距離ではないので、やっぱり水道の凍結防止とか冬用タイヤへとかの備えは11月末までにやっておかないといけないと思った。

 到着して、何をおいてもまずはタイヤ交換。

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 ズラーっと並んだタイヤは、川越から運んできた娘と家内の車とKトラのだが、なんとこれ以外に20本もある。親父が見るたびに「なんでそんなにあんだ。」と怒る。年に2回タイヤだけ入れ替えるよりも安上がりなんだと、何回も説明するんだが、見るたび怒る。この日も怒っていた。

 ところで、親父の車のタイヤ交換は毎回代表がやっているんだが、この前の初雪で慌てた親父は今回自分でやった。そのことを自慢気に話していたが、「んじゃが、やっぱりアルミには立派なネジが欲しな。」というので、え?と思って見たらスチールホイール用のを使っていた。

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 「父ちゃん、こんじゃダメなんだよ。」
スチールホイールとアルミホイールのナットは形が違うことや、ホンダと他のメーカーでは同じアルミホイール用でもナットの形が違って、ネジの長さまで違うから気をつけないといけない、だからタイヤ交換は代表に任せろ、と説教すると、親父は話についてこれなくなったらしく「あ?」と発して考えることをやめた。無理もないかも。代表も把握しきれていないからねー。

 そこへぶぶーと車が入ってきて、誰だろうと思ったら妹だった。「こんにちわー」と。妹は代表のブログを見て、川内村に行ったときに合わせて時々会いに来てくれたりする。

 いつもの車と違うので、「あれ!?また車買ったのー?金あんなー。ははは」なんて挨拶代わりの皮肉を言うと、妹も「うーん」なんて言いながら走って来た。3メートル先でよく見たら、その人は、妹ではなくてダノニーの社長さんだった。
 すぐ気づきそうなもんだが、思い込みっていうのはこわいよねー。もう妹そのまんま。いやー照れ笑いの大笑い。社長さん「代表も始まった」と思ったに違いない。

 社長さんは、子供さんが高校へ通うのをサポートするため、震災から勤めていたタケちゃんのガソリンスタンドはやめて、時間が自由になるお菓子を作ることを始めたということで、船引町に商品を卸しに向かう途中に代表の姿を見つけて寄ってくれたのだった。社長さんから手作りのお菓子をいただきました。柏餅。

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 餡子が入ったいわゆるスタンダードな柏餅と、栗の渋皮煮が入ったのと、南瓜の餡のと。社長さんのお菓子だもの美味しくないわけがないが、なんていうか、おおらかで穏やかな味わいで、不思議に落ち着く。社長さんの人柄そのままの柏餅。まちがいなくファンが増えるだろうと思う。

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 どこで買えるのかとかよく聞いておけばよかった。今度川内村土産にしたい。

 タイヤ交換を終え、広野町の鶴田松盛さんのところへ行って、代表が作った里芋を届けてきた。そうしたら、今度は和菓子をいただいた。

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 広野町の「みと家」という和菓子屋さんが、最近避難先から戻って店を再開された記念の商品ということだったが、和菓子作りで二人の子供さんを育て上げ、これからいろんな意味で第二ステージに位置付けられた意味のある和菓子というような話だった。これまた果物のように爽やかな和菓子で。上品な味であった。

 かつてこの地域には本物のいいものがあった。今またそのことをこうして感じることができるようになったことが代表にはうれしい。川内村も広野町も毎日毎日土木工事であっちこっちほじくり返して、一日中ガーガーと音がして、誇張でなくて、朝と夕方では景色が変わっている。

 そんな中で、再び地域で種を蒔こうとする人たち。その人たちによって、風景というか空気というか、やわらかい光のようなものが少しずつ満ちてきているような雰囲気がある。これまでの復興のお祭り騒ぎでは感じられなかった感覚。

 みんな最初からそうしたかったろう。けれども、どうしたわけかそうはならず、ようやくここにきて芽生えてきた感じがするのは、かつての良さを取り戻すためには復興の喧騒が必要だったのかもしれない気がする。いい加減で暴力的な復興のカウンターとして地域を取り戻す力が働く。不謹慎な考えだが、そういうことだったのかもしれないと代表は思う。

 仮にそうだとしたならば、復興がいい加減であればあるほど、その反作用として社長さんの柏餅と広野町の和菓子は必要にもなり美味しくもなっていくはずなので、そのバロメーターとして、これからも味をチェックしていきたい。要は、また食べたいということだね。ほんとうに美味しかった。

 鶴田松盛さんのところへ行ったついでに、預かっている作品のチェックをお願いし、何点か交換していただいてまた川内村に運んだ。

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 代表はこういうことが楽しい。一点一点確認しながら話をされる鶴田さんのその一言一言が刺激的だ。前におっしゃったことと違うじゃないか!ということもある。それがまた楽しい。鶴田さんはひとつの題材で無限の物語を創造し作品に篭める。物語は幾重にも階層を成し、鑑賞者は底や天井まで行き着くことができない。どこまで行ってもその先に物語が広がる。だから観ていて飽きるということがない。 冬支度の一日目は、焼酎を呑みながら鶴田さんの作品を観ているうちに眠くなり、風呂にも入らず、昏倒して終了した。
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