再び額作り

 マンスールさんのチャリティー展のために、代表が大量の絵の額を作ったことがあったが、あれは何年前のことだったか。あの時は材料をホームセンターで仕入れたので、当然生乾きだったから、額が縮んだり変形したりして、だいぶ迷惑をかけてしまった。それでも、「味がある」と言ってまだそのまま使ってくれる人もいたりして、恐縮だった。

 そのあと、リベンジの機会があったらやり直しさせてもらいたいと思い、また、額づくりの技術を習得したいとも考え、額を加工する機械を中古でそろえたり、素材も乾燥しておいたのだったが、二度と声がかからなかった。やっぱり代表を傷付けまいとして、皆さん気を使ってくださったことがわかって嬉しかったり恥ずかしかったりした。

 少なくとも、乾燥した枠で作ったらどうなるのか?やってみたいと思っていたが、やっとその機会が巡ってきた。

 先週末、広野町の二ツ沼公園で開催されていた双葉郡美術協会展へ行ったとき、元協会長の鶴田松盛さんから「坂本巌(がん)ちゃんの作品は持っているか?」と聞かれ、「いいえ、持っていません」と答えると「コレクションをひとつ持って行きなさい」と、会場におられた坂本巌さんにそのように話を通されて、その場で坂本巌さんの作品をいただいた。鶴田さんはよく「額の無い画は服を着ていない人と同じ」と話されていたので、再度いただいた作品の額作りに挑戦することにしたわけだ。

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 作品の題名は『上弦の月』。大きさはF10号。
 考えてみたら当たり前だが、枠も乾くと変形するもんなんだね。断面が長方形だったのが菱形気味になってしまっている。写真でわかるかな?断面だけでなく、長さ方向も凹んだり曲がりが出たりしている。

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 要は、あらかじめ素材(材料)単体で乾燥させて歪んだものを枠に加工しないとダメだってことだね。ホームセンターで買って乾燥させるより、そのへんに捨ててある古材の方が額の素材としては適している気がする。今回は間に合わないので、このまま使うことにした。

 取り出しました枠加工治具。懐かしい。これに素材を挿して丸鋸でカットするだけで、SMからF20号までそれぞれの大きさの枠ができるようになっているんだねぇ。

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 改めて「よくできているなー」と思った。親父が通りかかって「何やってんだ?」というのでこれこれしかじかで額作ってんだと言うと、巌さんの作品をじーっと見て「ふん。さくらの絵みでえだな」と感想をのたまわって立ち去り、イノシシのほじくり返したところを均し始めた。

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 まったくこの親父は。さくらさんとはだれか知らないが「さくらの絵みでえだな」とはさくらさんにも巌さんにも失礼というものだろう。いや、芸術的センスがない親父がそういうといことは芸術的だということになって、喜ばしいことなのかもしれない。まあ、相手にしてもしょうがないから、親父のことは忘れて額作りにもどる。

 この、ネジで固定するやりかたもよろしくないことが判明。

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 ネジを回すと、わずかだが枠も回転してしまう。回転しないようにきっちり抑えて締めても、その影響を完全に無くすことはできなくて、押さえを外したとたん捻じれが出てしまう。素材の変形の影響もあるが、たぶん素材の変形がなくてもだめだと思う。この部分は、ホゾみたいに構造的にきっちり決まるようにしないとだめみたいだね。額作りの肝だ。

 昼飯の時間になった。

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 今日はインスタントラーメンと岩魚の塩焼きとみかん。みかんは皮ごと食べるのがいちばん美味しいと代表は思う。さわやかな苦みがなんとも言えない。

 完成。

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 いいね。前回に比べるとずいぶん上手にできたと思う。額を作っている間、ずっとこの作品を眺めていたが、どうも『上弦の月』という題名が代表的にはしっくりこない。上弦の月とこの女性、あるいは猫や星座が代表の中でつながらない。物語にならない。それで、仮に、代表としては『赤い爪の女』と改題してみることにした。この女性の爪だけ不自然に真っ赤なのである。

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 それは何を意味しているのか?おそらく、女の情欲で、それを隠しているんだと思う。危険な女の心の内を、猫だけが知っている・・・という設定。とりあえずそこをスタートに、これからじっくり時間をかけて、たっぷり酒を飲みながら、作品の意図を紐解いて行きたいと思う。またひとつ楽しみが増えた。

 ついでにこんなのも作ってみました。

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 さて、一体なんでしょう?答えは近いうちに・・・
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コメント

No title
いい感じの額に仕上がっているようですね。木地の明るさ(明度、彩度)が高いので、ペンキかニスなどで、少し鈍くすると絵をより引き立てるようになると思います。絵は見る人が完成させるものですから、「赤い爪の女」は完全に八木澤さんのものになったのです。めでたしめでたし、です。
No title
作品をどうもありがとうございました。木地が明るすぎることはわたしも感じていまして、いろいろ色を染めてみてどんな風になるか試してみたいと思っています。大きな画の額も作れるように乾いた材料を調達しておきます。

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