畑の土づくり その2

 トマトも虫にやられるもんなんだねー。3つも食われた。

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 さて、忘れた頃の畑の土づくりの第2回目。結論にたどり着けるか・・・。
 代表の借りている畑は200坪だ思っていたんだが、測ってみたらたった100坪だった。思い込みというのは困ったもんだね。最初から少なめで、それから防風ネットで囲んでさらに目減りしたみたい。しかし、100坪でもややもてあまし気味の代表には充分以上の大きさだ。これ以上面倒みるのは無理だもん。

 代表の畑は元々田んぼだったところで、その上に土を運んで高台状にしてある。表面は粘土質で固まりやすく、その下30センチくらいはがれきの層になっている。なぜそうなったのかは不明。もしかしたら税金対策とかなのかもしれないが、確かめるほどのことでもないし、無料で使わせてもらっているんだから仮に何かおかしなことがあったとしても文句がいえる立場でもない。

 確かに他の畑に比べると場所が悪かったり土が悪かったりといったところはある。けれども不満とは思っていないし、代表の畑の条件が特別に悪いということでもないみたいだ。みんなそれぞれ不便を抱えてやっている。かえってありがたかったなー、というのが今の代表の正直な気持ち。代表は汗と土にまみれる農というものを哲学や工学よりも下に見ていたが、そうではなかったことを、プライド高い一介のエンジニアにでもわかる機会を与えてもらえ、畑という神秘的な空間の魅力に気づけたのは、この畑との出遇いがあったからだ。たぶんこの畑以外ではだめだった。こういうのも一期一会というんだろうと思う。

 日本の土にもいろんな種類があるんだと知ったのもこの畑がきっかけだ。

 いちばん多いのは「火山灰地」という土らしい。火山が噴火した灰が積もったものだ。次がさまざまな岩石が風化してできた「赤色土」と「黄色土」。それらが混じった「赤黄色土」。「赤黄色土」には、石灰岩が風化したものと石灰岩以外が風化したものがあって、性質はまったくの別物なんだそうだ。石灰岩が風化したものは作物が育つが、石灰岩以外では育たないらしい。

 それと、広葉樹の葉が堆積し腐植してできた、畑作に最も適しているといわれる「褐色森林土」とか、大粒の砂のために水もちが悪い「砂丘未熟土」とか、河川の流れによってできた「褐色低地土」や「灰色低地土」「黒泥土」「泥炭土」「グライ土」と呼ばれるものなどがあるそうだ。「黒泥土」「泥炭土」「グライ土」あたりはいくら手を加えても畑にはならないらしい。悪い土が少しでも混じればだめで、土づくりというものは、単純な足し算や引き算のようなことにはいかないものらしい。大事な基本だとは感じていたが、それほど難しいものだとは思わなかった。

 埼玉の土のほとんどは石灰岩以外が風化した赤黄色土で、代表の畑の土もベースはそれ。岩石の粉だから栄養分が無い。元が岩石(火山由来)なのですぐに固まって排水性が悪い。赤い色の元になっているは鉄で、多量の鉄分が酸化して酸性土壌になっている。

 ほとんどの植物は酸性の土を嫌がる。根の先から微量の酸を出して土を溶かすため、どんな土でも酸化され酸が蓄積されて、最後は強い酸性を示すようになる。今は雨も酸性だから、ますます酸性化が進む。いわば酸性の土というのは穢れた土なんで、最初から酸性の土地では作物を育てるのは無理らしいんだねー。

 そのため、埼玉ではどうしているかというと、畑に適さない赤黄色土の表面数十センチメートルを褐色森林土などで覆って、あるいは元々あった土を利用して耕作地にし、腐葉土などを補充しながら維持管理して農地にしているみたいなんである(おそらく他の地域も同じだと思うが)。

 そういう土でも作物を栽培したら酸性になるので、次に種や苗を植える前には必ずアルカリで中和させるということをやる。川内村でもよく灰をまく光景を見たが、あれと同じだね。灰はアルカリ性だ。同じアルカリ性の石灰などを入れて中和させる。最初、代表も畑仲間から「石灰をたくさんまかないとだめだよ」とアドバイスされて、苦土石灰というのを畑に入れた。

 次に「養分がないと育たないぞ!」といわれ、有機肥料も大量に投入した。作物によってちがうけど、だいたい1平方メートルあたり5キログラムは入れるということだったので、代表の畑には計算上1.5トン以上入れる必要があったが、びびって250キログラム程度に抑えた。

 そのせいもあったと思うが、作物の育ちが悪かったのでいろいろ考え込んでいると、「有機肥料は効くまでに時間がかかる。化成肥料を使うんだよ!」と焦らされて、化成肥料も1平方メートルあたり200グラム、全部で60キログラム使った。

 そんで、害虫が付けば殺虫剤を使う。カビが生えれば防黴剤を使うといったことで、畑とはいっても表面わずか数十センチメートルの土へ、ずいぶんたくさんの物質を入れた。一般的にはそうするもんなんだねー。

 ところが、それでもまわりの畑よりも育ちが悪く、作物のまわりの土がカチカチに固まってしまう。畑の土の感じにならない。

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 なんでか?代表は本気になって調べてだいたい理解した。

 作物の栄養にする有機肥料というのは家畜の糞からつくる。家畜に与えた大豆・小麦・フスマ・豆粕などに含まれるカリウムが大量に残留している。牛だったら塩分も与えるので、牛糞肥料はカリウムイオンや塩素イオンを含んでいる。

 化成肥料の方はというと、化成肥料の主成分は作物の栄養になるチッソ、カリウム、リンなんだが、チッソは硫酸アンモニウムから作るのでチッソと同量の硫酸イオンも入ることになるらしい。カリウムは硫酸カリから作るからカリウムと同量の硫酸イオンが入り、リンは過リン酸石灰から作るので半分は硫酸石灰。つまり、化成肥料を投入すると一緒に硫酸もまくことになるらしい。それで土中の微生物が死んで、生物活動がなくなって、いわばミニ砂漠みたいになってしまっているということらしい。

 また、最終的にこれらの物質は全部水に溶けた状態になる。普通の水ではなくいろんな化学物質が溶けた濃い水になるらしいんだね。すると、濃度障害という、作物側より土側の方の水が濃くなるために浸透圧の関係で、作物は水分を吸収するどころか逆に吐き出させられる、ということが起こるらしい。吐き出した水分の代わりにイオン化した硫酸や塩酸が入ってしまう。塩漬けと同じだね。畑でいきなり塩漬けを作るというのも悪くはないが、塩漬けできる大きさに育たないんじゃ話にならない。

 そこまで深刻な状況ではなさそうだが、まちがっているかもしれないが、定性的なイメージと代表の観察結果との辻褄がだいたい合致した。

 たいていの畑はこういうものを毎年毎年入れ続けているわけで、硫酸や塩酸やアンモニアが畑の下に溜まりつづける。代表の感覚ではちょっと異常だが、今の農業というのは、そういった問題を抱えながら他の方法が見つからないままやっているみたいなんだねー。だから、レタス栽培などで栄えた専業農家が、投入物の過剰害で土がダメになってしまって耕作地を手放したなんて話もあるらしい。

 作物だって栄養がなければ育たないが、有機肥料を使っても有害物質が溜まるとなると、他にやりようがないじゃないか。有機農業とは欺瞞だったのか?野菜作りは環境破壊行為でしかないのか?美しい里山と畑の風景。それはじつは病んだ姿(?)であって、現実的にはありえない幻想なのだろうか。いったいどうすればいいんだい?

 畑の隣に、ジャングルみたいに雑草が繁茂しているところがある。

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 肥料をやっているわけでもないのに、代表の野菜よりもよっぽど立派に育っているじゃないか。そういえば、全体的に畑より周辺の雑草の方がはるかに元気がいい。どうして?雑草が野菜より強いから?それもあるかもしれないが、それでは片付けられない何かがあるように思えた。
 
 土づくりの方向性について、ひとつの閃きが代表の禿頭を滑った。

 いや~、やっぱりまとまらなかった。またつづいてしまいます。(^_^;)>
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