耕運機の整備

 新しいポルシェと中古の軽トラと、好きな方をもらえるとしたら、代表は中古の軽トラを選ぶ。中古の軽トラをドライブする方が楽しいし、第一ポルシェと比較にならないくらいたくさんの荷物を運べる。新しいポルシェをもらって、それを売って古い軽トラを買えばうんと儲けられるだろうけど、面倒だし時間が惜しい。金や物は必要最小限で充分だ。その方が穏やかに過ごせる。年のせいか最近とくにそう思う。

 小さなトラクターとかミニユンボとかの選択もあったんが、代表の畑には中古の耕運機がベストであった。しかもこのホンダのF401パンチエックスというモデルは、排気量120ccに満たないんだが、10年前の製品なのにほどほどに力があって住宅地の中の耕地で使えるくらいに音も静かだ。ちょうど3時間、ガソリン2リットルで200坪耕せる。良き時代の良質な商品なのであった。

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 機能的にまったく不満はないが、願わくばヤフオクの出品者に謳い文句にあったように、完全に整備して販売して欲しかったと思う。世界基準になってきたのは日本の商品だけでなく商売のやりかたもだ。悪い意味で。つまり、騙される方が悪い、というやりかただ。騙されたくなかったら新品を買えばいいだろうという話もできるが、今や新品もガラクタ的品質や、余計な装備ばっかりの使えない道具の時代になってしまっているのである。新品でもろくなのがない。だから、多少のリスクは承知で、まだ物づくりと商いに良心というものがあった年代の商品を探すしかないのである。そして、古いものに手を加えて使いつづける。結局高くついたりすることもあるが、まあ、それでも納得だ。こういう取引からよく見えるが、良心が前提である資本主義は、いよいよ終わりの段階をむかえているのであろう。
 
 そういうことで、代表の耕運機もこのままでは満足できない。いろいろといじらないといけない。
 それにつけても代表が情けないと思うのは、仮にも農機を専門に扱っている業者が「完璧なメンテナンスでお渡しします!」とか堂々と宣言しておきながら、見え見えの誤魔化しをして一回限りのわずかな金を得ようとするする堂々のせこさだ。たとえば、部品の一部だけにペンキを塗って、そのところだけの写真をのせるとかやっている。情けない。そんな手間をかけて不快な取引をするくらいなら何もやらない方がいいのにと代表は思うのだが、もし代表にやらせたらもっと上手だよ。

 まず、整備のイロハのイ。エンジンオイルを見てみよう。予想通りほとんど入っていないし、色も焦げ茶色。

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 「完璧なメンテナンスでお渡しします!」はユーモアか(笑)。

 F401パンチエックスのドレンと注油口はこんなところ(前側)にあるんだねー。

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 これでは作業中に石にぶつかったら壊れてしまうだろうに。そうならないようにパイプでガードされているようなんだが、このガードのせいでドレンボルトが回しにくい。注油口のキャップも回しにくい。ちょっとイラっとする。代表だったらもうちょっとセンスよくまとめたいと思った。

 次。ミッションオイルの番。これもひどい。水が混じって別の物質になっていた。

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 「完璧なメンテナンスでお渡しします!」か・・・。冗談だろう(笑)。

 ビックリしたのはF401パンチエックスにミッションオイルのドレンが無かったこと。オイルを排出するための穴だから一番下にしないと意味がないんだが、そうすると土や石などにヒットして壊れてしまうから、いっそやめようということになったんだろう。ホンダという会社はよくこういうことをする。しかたがないので代表はF401パンチエックスを横向きにして注油口から排出したんだが、不便すぎてイラっときた。こんなこと許されるわけがないだろうと思って、ネット上のF401パンチエックスの資料をいろいろ確認したら、途中でドレンが追加されていた。やっぱりねー。苦情がくるだろう、こんなんじゃ。代表だったら初めからそうしたぞ、と思った。

 ところで、ホンダの耕運機のオイルって「汎用」って専用オイルがあるというのを知ってた?知らなくてもいいけど。珍しいので買ってみますた。

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缶がちがうだけで車用と同じだろうけど、しばらく使ってみたい。

 あとはゴム。以前も書いたが、ゴムは元々は樹の脂だから変質しやすい。樹の脂をいろんな添加物や処理を加えて油の中でも高温下でも低温下でも弾力性を保てるように加工してある。しかし、しょせんは樹の脂だから時間が経てば劣化してしまう。メーカーの技術にもよるが、10年間も条件の厳しいところで使われればボロボロだ。

 これはエンジンオイルの注油口のところのゴム。

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 パッカリ裂けてしまっているね。

 こっちはミッションオイルの注油口のところのゴム。

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 わかる?ひび割れてボロボロなんだね。

 そして燃料タンクのキャップのゴム(右側の白い方)。

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 写真ではわからないが、可塑剤が抜けてカチコチに硬くなっている。しかも板ゴムだ。昔は面積が大きい方がシール面積も大きくでき密閉性が高いと考えられていたんだが、最近は、それではかえって隙間ができやすいということがわかってきて、シールする部分だけが線状に盛り上がった形がトレンドになっている。こういう技術も進歩している。部品で時代がわかるのであった。

 機械も生き物と同じで年を取る。無理をさせれば老化も早い。老化した状態で酷使すれば死期も早くなる。機械の気持ちになって、疲労が見えてきたところはこうして新しくしてやるといいね。

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 他にも、燃料計が固着して動かないとか、エアクリーナーのフィルターが付いていないとか、たくさん整備不良が見つかった。Kトラと同じくF401パンチエックスも代表と一体で年を重ねていく気がするので、きちんと整備してやって大事に使いたいと思った。
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