無題

 毎日面白いことと泣けること、嬉しいことと哀しいことが同じ数ある。明るいうちにスポーツクラブに行った日曜日、フロアで「おーい」という声がして、どこかで見たことがある爺さんが手を振っていた。

16020901.jpg

 驚いた。7,8年前に定年退職した会社の先輩だった。先輩は、まだ代表が生意気な若造だったころ、どんなに無謀な要求をしても笑いながら受けてくれた懐の深い技術者だった。けれども、定年前の二年ほどの間、原因不明の病のためにまっすぐに歩けないくらいの体になっていた。だから、(非礼は承知の上で)まだ生きていたなんて思いもしなかった。先輩は感極まったふうに「元気だったかー!」と叫びながら抱きついてきた。足取りは変わらなかったが表情は若者のような清しさだった。

 この一年間先輩の訃報が続いていた。つい先週は退職後中国に渡っていたH氏。そして今週は別の先輩Y氏。ともにまだ60代の若さだった。これまで病気や事故で死んだり重い病気になったりした仕事で付き合いのあった人を指折り数えてみたら両手で足りなかった。しかたないと思える人もいれば運が悪かったというしかない人もいるが、代表にはなぜそういう結果になるのかはわからない。わかる人もないだろう。

 「人間は病気で死ぬんじゃねえ。寿命で死ぬんだ。」

 だれかがいった言葉がいちばんしっくりくる。どんな状態であれ生きていることが生きること。それが幸せってもんだろう。
スポンサーサイト

コメント

名言
心に響く言葉ですね

管理者のみに表示

トラックバック