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版画家岡本雄司さんの絵本「でんしゃにのったよ」

週末の川越は、黄砂が降ったためにホコリで空がどんより曇って、まるで年中ホコリが舞っているインドのデリー市のようだった。本日の代表は、久しぶりに岡本雄司さんとデリーで、いやいや、黄砂の川越のインド料理店で待ち合わせをして、ランチを食べながら楽しいひと時を過ごした。

      【ホコリで霞むデリー市の思い出:代表写】
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代表も岡本さんもインドが大好きだが、代表は岡本さんのようにリキシャを引いたことはない。
岡本さんと初めて会ったのは2005年7月。そのときのことは「もうひとつのひとの駅」に書いた。あれ以降、岡本さんと東京芸大のみなさんにはほんとうにお世話になった。今、ひとの駅かわうちが、ここにこうしてこういう形であるのも岡本さんたちとの出会いがあったからだということはまちがいない。
岡本さんに改めてそのお礼をいって、ひとの駅かわうちの状況を報告した。岡本さんはすごく喜んでくれた。

岡本さんから、岡本さんのはじめての絵本「でんしゃにのったよ」をいただいた。

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乗り物が好きな岡本さんの絵本だけに、代表がエンジニアとしてみてもメカニカルな部分がきちんと押さえられて、なおかつ子どもさんが楽しめるようにこだわりのデフォルメがなされている。これが版画というから驚く。とても評判がよくて、絵本の仕事が増えそうだとのことだった。今度ぜひひとの駅にも置かせていただきましょう。

以下に岡本さんの「作者のことば」をご紹介します。

『景色の向こうに見えるもの  岡本雄司

 子どもの頃、毎年夏になると、高知県中村市(現、四万十市)の先、足摺岬のある土佐清水というところに連れていってもらっていました。そこには両親の田舎があるのです。大阪に住むいとこたちと合流し、一緒に川で泳いだりして楽しんだことは、本当に楽しい夏休みの思い出です。この旅行には、自分にとってもう一つ別の種類の楽しみがありました。それは、遠く四国まで大好きな電車に乗っていけるということです。

 ふだん乗ることのない寝台特急列車「瀬戸」に乗って、ベッドに横になりながら聞く列車の音は、軽やかに一定のリズムを刻み続けて、心地よい気分にしてくれます。車窓に流れる景色は、寝台列車の中から見ているという気持ちだけで、何か特別に見えたものでした。

 四国に入ると、当時はディーゼル列車ばかりで、匂いも音も日頃乗る電車のものとはまったく違っています。車内で聞こえる乗客の方言とともに、そのダンプカーのような独特な列車の音を聞きながら「今、四国に来ているんだなぁ」と強く実感したことを覚えています。-窓の外には田んぼが一面に広がっている。並走する国道には、いろんな車が行き交い、ガソリンスタンドやドライブインが見える。そして山と海-

 子どもの頃に体験したこの旅行がきっかけになったのか、今でも時間を見つけては、あちこちと旅行にでかけています。

 旅先で、さしてなんでもないような景色に気持ちが揺さぶられることがあります。そういう時は、きっとそのどこかに、この四国旅行の景色と結びつく何かがあるのではないかと思っています。そんな風景にまた出会いたくて、たびたび旅行に出かけるのかも知れません。その「心を揺さぶるもの」とは何か、ひとことで言い表わすのは難しいですが、この絵本の中に少しでもそれが表現できていれば嬉しいです。』
-福音館書店 月刊「こどものとも」642号 2009年9月号折り込みふろく 絵本のたのしみ より-

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