大学スポーツへの憧れ

 日曜日。朝からの団地の会議が午後1時過ぎにようやく終わった。おしゃべりを聞き疲れた。そんなときには、東洋大学野球部グランドに行って、練習でも見ながらパンをかじるに限る。そうすると落ち着く。東洋大学野球部グランド観客席は、最近の代表が安らげる唯一の場所になっている。雨がぱらついていたからか、グランドはシートが被せられたままで、練習はランニングだったが、それを眺めているだけでも代表には楽しい。ことわっておきますが、代表には三島由紀夫みたいな趣味はないです。

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 距離は、トップが一周するのに3分30秒前後くらいだから1kmちょっとか。たぶんそこを6周する。速い選手で25分を切るくらいで、最後尾は30数分だ。それで終わりかと思ったら、10分くらい休憩してからもう1ラウンド走り出した。なんという体力だろう。速い選手はより速く、中位以降の選手は2、3人でかたまって引っ張り合って走っている。冗談を飛ばし合ったり励まし合ったりして、楽しみながら練習しているのが伝わってくる。代表が大学スポーツに対して抱いていたような、運動部の厳しい上下関係だとか根性至上の辛さ汗臭さ悲壮感というのはない。とっても明るい。なんかイメージがちがう。

 そのとき、「○○さんがくるぞ!」という声がし、一転してその場に緊張感が走った。「帽子をかぶれ!」とか「一ヶ所にかたまるな!」という指示が飛び交った。

 ○○さんというのは誰かわからないが、どうも「帽子をかぶれ」とか「かたまるな」とかの細かい注意をするような人物で、しかも怖いらしい。しばらくすると白い乗用車が現れて、ランニングを終わった選手たちが乗用車に向かって礼をするのが見え、順に屋内練習場に消えていった。○○さんVS部員連合という関係が存在するようだったが、謎である。判明したら改めて報告したい。

 パンもかじり終わったし、引き揚げて団地の仕事を少しでも片付けておくかと腰を上げると、野球グランドの向こう側で歓声があがるのに気がついた。近づいてみると、そっちでは東洋大ラグビー部が明治学院大とオープン戦をやっていたのだった。

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 東洋大の選手の顔に見覚えがある。代表が野球部の練習を観ているときに、「こんにちは!」と挨拶して通る学生たちだった。小さなお相撲さんみたいにがっちりした体格の彼らはラグビー部員だったのか。

 両校の選手ともたいしたもんだ。全力で走り回ってぶつかり合いながら、苦しそうな顔をしているのがただのひとりもいない。みんな嬉々としてプレーしている。不思議だ。大学スポーツ部。最後まで観戦してしまった。

 代表は、小学生の高学年のときにソフトボールをやって、中高は剣道部だった。その間に少しだけサッカーや駅伝も経験した。その経験上、高校のスポーツ部までの雰囲気はわかる。あれは根性の世界だ。好きでもないことを、身体を鍛えるためだとか、友だちに負けないためとか、そういうネガティブな動機でやる辛くて苦しい、先輩や先生にシゴかれながら耐える、拷問のような時間のことだ。希に嬉しいことや楽しいこともあるにはあったが、そういうことはほんとうに少なかった。

 ところが、大学のスポーツ部にはそういった暗さがない。大らかで明るいのである。みんなスポーツが好きという感じ。つまり、レベルの高い技術を学ぶために大学のスポーツ部に入る学生もいるだろうが、それ以上にスポーツが大好きだという学生が集まっている感じなのであった。今、他のスポーツ界に対して大学のスポーツ部にだけ純粋なそれがある気がする。代表がここに引き寄せられたのは、そういったことへの驚き、感動、憧れだったみたいであった。

 うまくまとまらないので、○○さんVS部員連合の関係を含めて、またいつかつづきを書きたいと思う。
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