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2007年のガラコンサート

代表は、何かをしながら音楽をきくということはしない。ひとつのことにしか集中できない単細胞と、音楽をききたくなるのが現実から逃げたいときの逃避行動だから。つらいとき、音楽をきけば気が晴れる場合があるけれども、それが逃避行動だと自覚しているから、意地でもそうしようとはしない。

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そんなときに、通りがかった街角で偶然に好きな音楽が流れてくることがある。たとえば、出張帰りに駅前の電気店から北原健二の『ふるさとのはなしをしよう』が疲れた耳にとどいたりする。
「♪砂山に さわぐ潮風
 カツオ舟 はいる浜辺の・・・♪」

そうすると、まるで地獄で仏に会ったかのように、固まっていた何かがゆるんでホッとする。「そうだよ。自分にはいつでも帰れるふるさとがあるじゃないか」なーんて元気がでて、また顔を上げて歩き出せたりする。音楽をきくときは、そういうパターンがいい。

昨年末にNHKのBShiで放送されたガラコンサートの録画は良かった。たまたまスイッチを入れたテレビからエリーナ・ガランチャの透明な歌声が流れてきた。ちょうど仕事とひとの駅の雑務に追われて行き詰っていた代表は、その歌声をきいた瞬間に雷に打たれたように動けなくなり、そのまま夢中でききいった。

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コンサートは、ドイツ南部のバーデンバーデンの祝祭劇場で2007年に収録されたオペラで、エリーナ・ガランチャとアンナ・ネトレプコという美貌のプリマドンナ2人に、テノールのラモン・ヴァルガス、バリトンのリュドヴィク・テジエの4人がオペラ・アリア名曲を披露する豪華競演だった。映像もまた、その歌声にそのアングルとその照明しかないというとらえかた、観客の表情までもがじつに効果的だった。もちろんオーケストラも完璧にすばらしく、まさに超一流のプロフェッショナル集団の仕事という感じがした。

番組が終了したあとは、なんともいえない爽やかな気持ちになっていた。体と神経にこびりついた汚れをきれいさっぱり洗浄して、五月の空に干したような感じだった。目の前の状況はかわったわけではないのに、体が軽くなって、世の中が明るくなって見えた。音楽をきくならそういうパターンがいい。音楽の薬効はすばらしい。

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