演歌

 代表の親父は、音楽といえば演歌だけ。好きで好きでしょうがないということではなく、演歌だけは聴く、という程度。自分で歌ったりすることもあまりない。お袋の方は、家に8トラのカラオケの機械があったくらい好きだったが。

 親父は、演歌のカセットテープをリポDの箱に入れて、いつもアクティバンの中に置いて聞いていたが、それもお袋のものだ。だから30年近く前のもの。シャルダン貴本『富岡漁港』なんてのまである。シャルダン貴本という歌手も富岡漁港という演歌も、代表はまったく知らなかった。今はどうしているんだろうか?

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 カセットテープが硬化したりねじれたり脆くなっているらしく、再生するとレコーダーの中で絡まってしまうと親父が話す。今のクルマはほとんどCDだから、お気に入り曲CDを作ってやるよ、と軽く請け合った。TUTAYAあたりに演歌CDがたくさんあるだろうと思って。

 ところが、鶴ヶ島駅前のTUTAYAに10年振りに行ってみたんだが、音楽の勢力図はすっかり様変わりしていて、演歌CDはほとんど置いてなかった。幅7,80センチの棚で7段だけ。しかも、氷川きよしとかの比較的若い歌手のがほとんどで、北原謙二とか美空ひばりが見当たらない。

 えー!?そんなはずがない!!と思って、代表の青春時代の音楽、いわゆるロックやフォークなどはどうかなと思ったら、これまた大きく勢力を衰退させていた。かろうじてビートルズだけが棚一段を占めていたが、ピンク・フロイドもビリー・ジョエルも5枚しかない。シカゴやボストンにいたっては見つけることさえむずかしかった。

 その代わりに通路2本分ほどの圧倒的な量を占めていたのがラップ的な音楽であった。しかもほとんど1アーティスト1枚といった、ヒットしないミュージシャンのCDが、ズラーっと。これではお目当てがあっても探せないだろう。音楽業界はこういうことになっていたのか・・・。代表は愕然とした。

 今、世の中はラップ音楽で溢れ返っている。ラーメン屋から代表が通うスポーツクラブまで、BGMは全部ラップ。代表はどうしても苦手だ。あの、同じワードとリズムを繰り返す、しつこく押し付けがましいお経のようなもののどこか気持ちいいのか。陶酔できるのか?エクスタシーを感じられるのか?そもそも音楽なのか?意味のないただのおしゃべりだろう、と代表は思うが、個人的には逆らわず文句も言わずに暗騒音だと割り切って、スポーツクラブでは耳栓をしているが、気が付いたらそういうのが溢れる世界というか、時代になってしまっていたというわけだ。

 TUTAYAはあきらめてAmazon.に入ってみたら、さすがにAmazon.。バリエーションは少ないが春日八郎やだとか三橋美智也があったので、親父が好きそうな演歌を注文しておいた。

 もう演歌が、落語とか歌舞伎みたいな、伝統芸能的な世界でしか聴けない時代が近いのかもしれないと思った。いずれビートルズもそうなってしまうことだろう。
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