技術は完成しないものなのか

 いやいや驚いた。例の代表が新しく買ったKトラの燃料ポンプトラブルのつづきだが、ゴミをろ過するフィルターを分解してみたら、錆びた鉄粉(たぶんそうだろうと思う)がみっちり溜まって目詰まりしていた。

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 このフィルターは、プレッシャーレギュレーターの手前にあって、プレッシャーレギュレーターとインジェクターにゴミが行かないように目は細かいが面積が大きくしてあって目詰まりしにくいようにできている。たかが錆びた鉄粉ごときでこんなになっちゃうとは考えていなかったんじゃなかろうか。

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 今から遡ること35年くらい前、代表がサラリーマンになった頃、石油資源は2010年までに枯渇するだろうと予測されていた。1830年代に始まった産業革命からわずか150年で燃える石や燃える水をコントロールする技術を獲得したが、200年後には地球上の化石燃料資源を使い果たそうというほどの勢いだったのであった。

 それ前提で各自動車メーカーはガソリンエンジンモビリティの環境技術と燃費向上技術開発を競った。クルマの燃費を良くしてできるだけ化石燃料を長持ちさせようというわけだ。その核になったのがこの代表のKトラにも使われたFI(フューエルインジェクション・燃料噴射)システムだった。それまで主に航空機に使われていた高精度で高価なシステムだったのを、小型化し大量生産してクルマに使えるように改良した。

 FIでは、燃料ポンプが燃料タンクからガソリンを吸い上げて、さらに高圧にしてエンジンに噴射する構造になっている。ガソリンを吸い上げるのはインペラと呼ばれる直系4、5cmほどの羽根車。それをモーターで高速回転させる。高圧にするのはプレッシャーレギュレーター。中のスプリングでガソリンが一定の圧力になったら流れるようになっている。エンジンの中にガソリンを噴射するのはインジェクターと言って、水鉄砲のようなものだと思ってもらえばいい。水を噴射する穴の大きさと数はいろいろだが、代表のKトラのインジェクターは直径0.7ミリの穴が1個だけ開いている(ホンダのサービス資料による)。

 そういう精密部品に有害なゴミが流れないように補足するのがフィルターだ。ガソリンの吸口とプレッシャーレギュレーター手前とにひとつずつあって、ガソリンの吸口は目が粗くプレッシャーレギュレーター手前は目が細かい。

 ところが!代表のKトラは、目の細かい方のフィルターが錆びた鉄粉で目詰まりしてしまってガソリンが流れなくなっていたというわけなのだった。目の荒い方のフィルターは鉄粉が素通りだった。

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 この事態をどう考えるか。燃料タンクが錆びるような使い方がおかしいという考え方もあるだろう。ちゃんと使っていればそうはならないと、メーカーの人たちは弁明するにちがいない。

 しかし、それではお客さん(ここでは代表)は納得しないだろう。だって、そういう使い方だってできちゃうんだものね。錆びないようにするか、錆びても機能がダウンしないようになってないといけない。可能だもの。

 産業革命から200年。人類は完璧にガソリンをコントロールする術を獲得できたと考えていたが、まだまだ知らないことがたくさんある。永遠に途上でゴールは無いということなのかもしれない。
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