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再始動

 60歳になるというのにまだまだ学ぶことばっかりだ。

 代表にとって予定が入っていない週末の朝早くに起きてファミレスやスタバでコーヒーを飲みながら考えごとをするのが楽しみだった。木曜日とか金曜日あたりになってだんだん仕事の疲れが溜まってくると、週末のその時間がたまらく待ち遠しくなって、我慢するのが辛いくらいになった。

 そうやって向かえた休日の朝に、ファミレスやスタバのドアを開けて鼻にコーヒーの香りが届いたときは、5月の天気の良い日にペラペラ石の上に立って明るい陽光を浴びたように爽やかな気持ちになる。誇張でなくそのために一週間耐えてきた感じさえする。定年になったら毎日そういう気分が味わえるんだと思っていた。待ち遠しいと思った。ところが、二日くらいは嬉しかったんだが、三、四日したら飽きてしまった。

 いや、こんなはずはない。代表はこれをずっと待ち望んでいたはずだ。嬉しいはずだ、と納得させようとしてみるんだが、やっぱりつまらないものはつまらない。考えてみればそうだ。早起きしてコーヒーを飲むくらいのことやろうと思えばいつでもできる。特別なものは何もない。そういう小さな些細なことさえやれなかったからやれたときの満足感が大きかっただけのことだ。忙しかったり気持ちに余裕が無かったりという日常があって初めて有難さが感じられる貴重な時間だった。この歳になるまでそんな単純なことがわからなかった。理屈ではわかっていたのかもしれないが、ずーっと前後がバタバタしていたもので、しみじみと経験できていなかった。

 どっちがいいか?もちろんバタバタしているほうがいいに決まっている。年中バタバタして、美味しいコーヒーが飲める時間が待ち遠しくなるような毎日がいいに決まっている。何もしなかったが、そういうことがはっきりわかってそれなりに意味のあった冬休みだった。

さあ!今年もやるよ!という感じなんだが、この気持ちは、震災の後しばらくボーッとしてから「今やれることは今やっておこう!」と思った、あのときに似ている。

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