さよならボンネットバス

 先々週末郡山に行ったときは、白河あたりの紅葉がきれいで、郡山はすでに落葉して冬景色に近かった。先週末に川内村に行ったときには、いわきから富岡あたりまで紅葉が最盛期。やっぱり浜は暖かい。

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  常磐道の富岡インターを降りて川内村方面に向かったダム湖ではほとんど落葉していて、所々残ったモミジの赤がひときわ鮮やかだった。やっぱり川内村方面は寒い。暖かいいわきでもプロ野球の日本シリーズの時期からは寒い日が多くなったもんだ。紅葉があるのは12月の最初の週までだ。2週目からは冬。代表は10代後半から川内村と行ったり来たりして見て来たのでよくわかる。

 出発前に車のトラブルがあったり磐城森林管理署に申請していた書類が届いたのがギリギリになったり、鶴田さんからパソコンの具合が悪いとSOSがあったとかで諸々準備があっていつもよりちょっとあわただしかった。また、ボンネットバスの写真を撮りにくる予定だった千葉市に住む同級生から、引いた風邪をこじらせて寝ている、という連絡も入って波乱含みであった。
 時に川越を出発して8時過ぎに家に着いた。荷物を降ろしているところに風邪で倒れたはずの同級生から携帯メールが入り、なんと、昨夜無理を押して出発して、ひとの駅で夜を明かしながら写真を撮っていたという。老人Bさん(Bさんは同級生の叔父さん)宅でお茶を飲んでいるから来なよ、というので、代表も顔を出した。Bさんは、ボンネットバスが使われていた富岡営林署の下部組織である上川内担当地区事務所で30年以上勤めた、このあたりの営林事業の生き字引的存在。もし磐城森林管理署から書類が発行されなかったら、Bさんに陸運局に一緒に行って証言してもらおうと代表は考えていた。幸い書類は作ってもらえたが、まだ安心できる状況にはないので、何かあったらBさんに相談するつもりである(まだそのことは話していない)

 この朝Bさん宅には、古い発動機だけで数台コレクションしている骨董好きの老人Cさんも遊びに来ていて、ボンネットバスやその当時の話で盛り上がった。

 運び出しの時間が近づいたため、4人でひとの駅に移動。横田さんたちが到着する間、別れを惜しみつつ写真を撮ったり、改めて細部をチェックしたりした。

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 この形は・・・車も飛行機と同じ夢の乗り物だった時代のものだ。バスなのに飛行機のような形をしている。

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 誰もが自動車に乗れたわけではない昭和40年ころ。車なんてのは、まだまだ貧しさのただ中だった時に、少数の特権的な人たちや商売に使う人だけが持つことができたあこがれの乗り物だった。同じころに代表の親戚の運送屋には大型トラックがあったが、時々荷台に上げてもらうのがどれだけ嬉しかったか。荷台の上で、アオリをつなぐチェーンを腰に巻きつけて、体を前方に倒して斜めになって両手を広げると空を飛んだ気持ちになった。あれはほんとうに気分が良かった。

 BさんもCさんも、それぞれがそれぞれの思い出を重ねてボンネットバスを見ている。

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 横田さんたちが到着した。

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 こんな大きなバスをどうやって運ぶの想像もできなかったが、こういうのがあったんだね。丸ごとトレーラーの荷台に積めてしまう。

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 ボンネットバスは秒速5センチメートルくらいの速さでゆっくりゆっくり荷台に引き上げられた。

 感心して「ほぉー!」と声を上げるBさんとCさん。二人が少年のように見えてしまうのは代表だけだろうか。

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 わずか小一時間ほどでトラブルもなく積載が完了。さすがだ。プロの仕事だ。その扱いの細やかさから、この人たちがほんとうに旧車が好きで旧車のことを知り尽くしていることがよく伝わってきた。もう安心だ。

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 さようなら、ボンネットバス。横田さん、あとはよろしく。

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 そこで運び出しの儀式は終わるはずだったんだが、旧車が好きな人たちの情報網というのは日本中張り巡らされているらしく「川内村にオート三輪車があったはずだ。探してほしい。」という話が巡り巡って代表のところにきてしまっていた。

 代表は知っていた。川内村でオート三輪車に乗っていたといったら近所の老人Dさんだ。Dさんはもう一人の同級生のシンイチ君の叔父さん。というわけで、代表はシンイチ君に電話してオート三輪車がまだ残っていることを確めてもらっていた。Dさんはもう老衰のため話すことはできないが、ここまで来たついでだからDさん家に寄ってみようということになって、とりあえず行ってみた。

 そうしたら、横田さんたちはよほど運が良い。巡り合わせの妙というか、丁度訪ねたときにDさんの息子さんの奥さんがもどってきた。そして、波乱も波乱、ガレージの奥に置いてあったオート三輪車を見せてもらえたのだった。

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 横田さんたち思わぬ収穫に大興奮。オート三輪車もボンネットバスと並んで走るようになるのか今はわからないけど、またひとつ新しい出遇いがあった。やっぱり、別れは出会いの始まりだった。
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