さりげなく自慢

 「友だちが乗っているこのバイクなんていうの~?」ってスマホの写真を見せながら次女が聞いてきた。どうも高校時代の同級生が写真を送ってきたものらしい。

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 ホンダのズーマーっていうスクーターだよ、と教えてやった。 「えー、どうしてわかるの?」と驚いていた。次女にはバイクのデザインのちがいもあまりよくわからないらしい。ついでに値段だとかズーマーに乗るにはどういう免許があればいいかなんかについても説明してやり、調子にのった代表は、「友だちってけっこうやんちゃじゃないの?」とも付け加えた。「えー!とってもやんちゃだよ。お父さんすごーい!」。興味がわいてきた次女は「ゴキブリみたいで可愛いねー!」と感想をもらした。ゴキブリは嫌いじゃなかったのかい?

 家でバイクや車のことを話すチャンスは少ない。ましてそのことで「お父さんすごい!」なんてほめられることは滅多にない。代表は鼻高々超いい気分になった。


継続は力なり!だ。どんな世界でも、つまらないことでも続けていると、そうしない人には見えないものが見える。結論が出てから「そう思っていました」なんて書いたところで「嘘だ」と言われても仕方ないんだが、実は代表はモビリティ業界の動きが鮮明に見えて、自分の中だけで動向を予言してかなりの確立で当ててきたのだ。たとえば、スズキ自動車とドイツのVWの業務提携解除とか、代表は提携を結ぶというニュースを知ったときに予測していた。今カルロス・ゴーン体制を嫌って日産自動車から役員が脱出しているらしいが、日産自動車が凋落することも予想していた。「嘘だ」と言われても釈明しようがないんだが、本当のことなんだよ。

なぜわかるか?そんなの全然むずかしくない。技術という切り口で見ればわかるものなんである。技術(=品物)は正直。そこには人の心まで表れる。ごまかせない。技術に興味を持ち続けることで感じられるようになる。

スズキ自動車とVWの例で説明しよう。クルマは最先端技術の集合体なので、クルマからメーカーの経営思想と技術レベルがわかる。スズキ自動車のクルマを観察すると、従来技術の組み合わせだけで作られていて、その従来技術にしても他のところが開発した部品を使っていることがわかる。そうしている理由は、経営者が銀行家あがりで技術の重要性が理解できていないためだと思われる。新技術開発には膨大な費用を必要とするが、理解できなかったら投資などできない。スズキ自動車は新しい技術でクルマを良くしようというよりは無駄を排除してできるだけ安く造ろうという考えのメーカーなのである。製品が軽自動車だけならそれでも会社は成り立つ。

VWの方は少しでもクルマを進化させよう、そのための投資を惜しまないでデザインとか品質とかの多少のリスクは止むを得ない、という思想のメーカーなので、クルマの見えない部分にまで新しい技術や材料がてんこ盛りになっている。民族性なのかベンツとかアウディも同じ傾向で、そのかわりトラブルも多かったりする。代表の中学の同級生のシンイチ君は整備士でいろいろなメーカーのクルマを整備してきたが「ヨーロッパメーカーのクルマってなんであんなにトラブルが多いのかね!」と呆れていた。

横道に逸れるが、シンイチ君と彼の家族が乗っているクルマはぜんぶホンダだ。彼が酔うとよく話すのだが、東京の高級住宅地で整備士の丁稚をしていた頃、ホンダの原付バイクのDAXでお客の家にクルマを引き取りに行き、DAXのエンジンを止めないままで置いてきてしまったことがあったらしい。3日後に預かったクルマの修理を終えて納車しDAXのところへ行くと、なんとまだ動いていたんだという。高級住宅街で苦情もないほど静かにアイドルを打っていたというので、シンイチ君のホンダに対する信頼はゆるぎないものになった。それ以降ずっとホンダのクルマを乗り継いでいる。彼の軽トラも代表のと同じアクティだ。現場の話はリアルで面白いしとっても参考になる。

話を戻して、スズキ自動車とVWの提携話は、VWの新技術を安く手に入れようとしたスズキ自動車と、スズキ自動車の安価な製造技術を手に入れようとしたVWの思惑が一致したものだった。しかし、スズキ自動車は人件費を抑えて安く造っていただけで飛び抜けた技術なんてなかった。だからVWがそのことに気づいたら提携は破綻すると代表は予想したわけだが、その通りになった。そのことを分析できなかったVWの経営陣というのもまた技術に疎い人たちだったのだと思う。たいていの会社は会計とか管理のスペシャリストで運営されている。代々技術屋が社長をつとめているのはホンダだけだ。

日産自動車のカルロス・ゴーンがやったのも同じである。ゴーンがやったのは合理化と資産整理と宣伝だけ。技術開発に投資しなかった。ゴルフ友だちに日産自動車の下請け会社の社員がいるんだが、「日産は下請けを買い叩くだけ。日産のクルマは絶対に買わないでください」と話していたのを思い出す。

それからゴーンが社長になったときの東京モーターショーの日産自動車ブースに行って驚いたことも思い出す。儲かってもいないのに度肝を抜かれるくらいの豪華なカフェをつくって、招待客だけ受入れて一般客が近づけないようにしていた。あのときに「あー終わるなー」と思った。心配したように、「技術の日産」と呼ばれた日産自動車から新技術が消えて、それから出たクルマは自社の都合だけで作られたものばかりであった。EVのリーフがある?EV技術は電車と変わらないよ。売れているのは中国くらいだし軽自動車はスズキ自動車のOEM。日産自動車のファンは泣いていることだろう。経営ゲーム屋カルロス・ゴーン体制が15年続いて、日産自動車から技術が完全に枯渇した。新型マーチのパーツの出来の悪さなんかを見るとその深刻さがわかる。高給をもらっていた役員が逃げ出すくらいだから復活は無理だろうと思う。

スズキ自動車とVWの提携解消、日産の凋落は当てた。それでは、日本の他のクルマメーカーはどうだろう?三菱自動車は?富士重工業、ダイハツ、マツダ、ホンダは?そして大御所のトヨタは?代表は大胆な予想を立てているが、時間が無くなった。また気が向いたらということで・・・。
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