新しく井戸を掘ることにする

 水が無ければ生活できない。

 5月に親父が「新しぐ井戸を掘れ」と言うので、「壊れてもいないのになんで?」って聞いたら、「今だったら村がら補助金が出っからだ」と言った。(放射性物質汚染によって)水質に不安がある家に対して、新しく井戸を掘るのにかかる費用を、何円までだったか忘れたが、補助することになっているらしい。

 水道ポンプは一昨年新しくしたばっかりだし、水質検査も何回もやったが問題なかった。それで、「わざわざ新しくしなくてもいいべ」と返事しておいた。

 なのに、この前川内村に帰ったとき「役場さ井戸申請しておいだがら」という。「やんねくていいってゆったべ」というと、親父が長々と理由を説明し始めた。

 代表ん家の水道は、裏山の湧き水がチョロチョロ流れている40メートルほど離れた場所に掘った井戸から引いている。

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 その井戸と水道は、50年ほど前に親父と近所の叔父さん2人と、合わせて3人で協力して作ったものだ。その時のことは、土の穴に隠れていたタヌキを捕まえてみんなで煮て食ったりしたのでよく覚えている。

 で、親父が最近、水管が埋まっているところを所々掘り返してみたら、50年の間に大きく育った木の根で水管が持ち上げられたり曲げられたりして折れる寸前になっていたということだった。それと今水管を埋めてある場所は親父にしかわからない(近所の叔父さん2人は既に亡くなっている)ので、トラブルがあったら直すのに苦労するから、補助が使えるうちに近い場所に井戸を掘っておいたらよかっぺ、というわけだった。

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 「オレはこれで充分だげんちょなー」と抵抗して、ポリバケツに水を汲もうと庭にある水道の栓をひねったらゲボッ!ゲボッ!っと息つきした。水路のどこかがリークして空気が入るとこういう現象が起きる。心なしか水の勢いも弱くなっている感じもした。親父の心配が現実になってきたのだろう。前言翻し「わがったよ。まがせる。」と代表は言った。
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