代表の新しい軽トラ その3

 ほぼ発売直後のアクティトラック(写真左)と生産中止直前の最終モデル(写真右)とで、その10年の間にどれだけ変化、ないしは進化したんだろうか。いくつか例をあげて比較してみたいが、面倒なので古い方(左)をQトラ(旧の意味)、新しい方(右)をKトラと呼ぶことにする。

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 まずなんといっても一番変化が大きかったのは乗り心地だ。
 Kトラの乗り心地はすごくソフトになった。Qトラは小さなダンプという感じだったのが、Kトラは乗用車的になった。

 いつだったか、ひとの駅に向かう途中の峠の雪道で、Qトラのタイヤを滑らせながら遊んでいたら、勢い余ってバンバンと2回垂直に跳ねて、3回目の着地で側溝に落ちたことがあった。Qトラはそれくらいサスペンションが硬かった。商用車は重い荷物を積んだときに安定して走れるようにバネを強くするから、空荷のときの乗り心地はガチガチで当然なのだ。なのに乗り心地を柔らかく変えたってことは、「乗り心地が悪い!」っていう声が相当多かったんだろうと想像する。

 ちなみに、車やバイクには部品のイラストと価格と使用個数などが載っているパーツリストという資料があるんだが、それをチェックしてみたら、サスペンション関係のほとんどの部品の番号が変わっていた。番号が変わったってことはちがう部品になったってこと。まるっきり形が変わってしまった部品もあるし、形はそのままに見えるけれども特性が変わった部品もある。

 たとえば、後輪のバネは形まで変わった。こちらがQトラのバネ。

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 そしてKトラのバネ。

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 Kトラのバネの形が柔らかそうに見える。それにとどまらず、なんとタイヤの空気圧まで変わっている。

前輪の空気圧 Qトラ:2.2kg Kトラ:2.0kg
後輪の空気圧 Qトラ:4.0kg Kトラ:3.0kg

 KトラがQトラよりもずいぶんと空気圧が低くなっている。後輪なんて1kgも低くなった。この1kgっていうのは1平方センチメートル当たりの値なので、タイヤ一本となるととんでもなく硬さがちがう。

 こういうことまでやって乗り心地をソフトにしたかったわけだね。代表的にはふわふわしたKトラよりもカチッとしたQトラのやんちゃな特性が好きなんだが。側溝に落ちたときは通りがかったカヅオさんに助けてもらったんだった。カヅオさん、元気かな?

 エンジンフィーリングもグッとやさしくなっている。車の外で聞くエンジン音はそんなに変わらない。ということはエンジンの音が車体に伝わらないようにマウントを工夫したのだろう。やはりマウント部品が変わっていた。カムシャフトやシリンダーも変わっているが、それも多少上質感に効果があるのかもしれない。

 代表がQトラでトラぶって苦労したO2センサーとオルタネーターとコンバーターステーは全部変わった。エアクリーナーの空気取り入れ口も変更になっている。やっぱりダメだったんじゃないか!勝手に変えてくれるなよって気持ちだ。ちょっと悔しい。

 その次に大きく変わったのは荷台だろう。KトラはQトラより10センチくらい長くなった。といっても全長は規格で決まっているから変えられない。どうしたと思う?

 これはQトラの荷台前部。

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 そしてこっちが軽トラWの荷台前部の形。深さが全然ちがうでしょ。

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 荷台前側の壁をえぐっちゃったんだねー。ついでに鳥居の形も変わっているけど。

 当然その分運転席が狭くなった。ひどいことをするもんだ(笑)。たぶん「畳が積めない」とか、「農作業用のコンテナがはみ出す」とか、そういう苦情があったんじゃないかなーと思う。とにかく少しでも良くなると思ったら古いものを壊し新しくすることに少しも躊躇しない。それが日本の製造業(メーカー)だ。

 つづく
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