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2020年04月の記事 (1/1)

スギナ禍

 スギナを甘く見ていた。この雑草の成長力はすさまじい。抜いても太陽熱で焼いても下から下からむくむく出て来る。

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 代表が作業場としているビニールの無いビニールハウスは8棟で、1棟だけ屋根を張って作業場にして、残りの7棟には落花生や西瓜など獣の被害を受けやすい作物を栽培しようと目論んで色々対策して来たんだが、諦めた。

 落花生の播種、西瓜の定植時期が迫っているのにスギナが駆逐できていないため植えられない。このまま植えたとしてもまともな収穫は望めないことは明らかなので止めることにした。夏場に耕耘と土壌消毒で弱らせてから、8月9月に種を播く冬野菜で勝負したいと思う。

 ところで、こんなにも元気なスギナだから栄養分を豊富に含んでいるらしくて、天日で乾燥しお茶にして飲むとカルシウムなどが簡単に補給できるらしい。天ぷらでも食えるというから今度やってみようと思う。美味しくて体に良さそうで売れそうだったら、野菜はからスギナを栽培に切り替える。

トラクター購入

 代表が川越でトラクターを使うような農業をやるとは考えもしなかったが、そういう風になってしまったのかと思うと複雑な気持ちだ。

 代表もついにトラクターを買った。中古だが。中古でも小遣いで買える値段ではないため、2倍にして返す約束で家内に借金した。

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 古いクボタの15馬力。かつてはホンダのトラクターとしてももOEMで販売していたことがあったモデルなので、HONDAのエンブレムが付いたのを探したんだが、状態の良いのが出回っていなかったので仕方なくこっちにした。中味は全く同じだ。

 この馬力だと畑はもちろんだが、ぎりぎり田んぼにも使える。田んぼは泥土の中をレーキを引きずるため力が要るのだ。それと、このサイズならばどうにかビニールハウスの中にも入れる。代表にはベストマッチのトラクターなのだ。

 これまで必要な時に周りの人たちに貸してもらっていたが、気兼ねして本当に必要な時に使えなかったりするし、返す時の手入れや洗車にも時間がかかったし、メンテナンスが充分でない農機具がほとんどなので代表が使っている時にトラブルが発生することがあったりしてかえって大変だった。これで自分が使いやすいようにセッティングできるし、気兼ねせずやりやいときにタイムラグ無く作業ができるようになった。

強い木と強くない人

 カメラはKトラの助手席の下に落ちていた。たまたま家内の車のタイヤを夏用に交換しようとして、工具を置いているシートの下を覗いたら落ちているのが見つかった。問題はその後。そういうことがあるのはいつも助手席に置くからだと、落ちない所にきちんと保管しておかないといけないと思って置いた場所を今度は忘れてしまった。

 結局ルーフの小物入れの棚にあったんだが、忘れっぽいというよりも、使う小道具が多すぎるのが問題なんだと思う。会社を退職して生活を切り替えた時に、もっとシンプルに生きたいと思って整理したはずなんだが、現実には何倍にも増えている。作業中にポッと置いた所を忘れて探すのはしょっちゅうのことだ。何とかいないといけない。

 ところで、何日か前に不思議な木のことを書いたが、不思議な木の近くに不思議な人が居ることも知らせたいと思う。

 代表の作業場への入り口の、不思議な木があるのは矢印の辺りだ。

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 ずーっとズームアップして行くと不思議な木があるが、その先に何やら囲いのような物があるのがわかるだろうか?

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 もう少し近付いてよーく目を凝らすと、川から流れて来た物が引っかかったのではない、明らかに人の手になる構造物や道具が見える。

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 実はここには人が住んでいるというか、毎日どこからか一人の老人がやって来て、食事をしたり酒を飲んだりしているのである。

 最初の頃、作業場を作業場にすべく準備を開始した頃、代表はこの場所を子どもが遊び場として作ったんだろうと思った。だが、子どもの姿を見ることはなく、後に自転車に乗った老人が出入りしていることがわかった。風流な人だなーと思った。代表にもそういうのに憧れるところがある。

 ところが、良く観察すると、否、観察しないでも見えてしまうんだが、ここは遊び場とか別荘ではなくて、生活の拠点のようなのであった。夜はどこか他に寝る場所があって、日中はここで簡単な煮炊きで食事を作り酒を飲んで過ごす。適当な時間になるとまたどこかへ消えていなくる。浮浪者かそれに近い人だろうと思う。実は埼玉の河原にはこういう人たちが多く生活している。河原でバーベキューなんてやっていると匂いを嗅ぎつけてすぐに数人が集まって来る。カラスみたいなもんだ。

 まあそれくらいなら問題は無いと思うが、作業場の周りにも何人か居て縄張り争いをしていて、他の浮浪者がこの橋の下にゴミを投げ込んだりしている。代表の知り合いの畑には、浮浪者がペットボトルに詰めた小便を置いて行く。ご丁寧に「肥やしにお使いください。昔はこういう肥料を使ったので美味しい野菜ができていました。云々」とかの長文の手紙まで付けて。もちろん知り合いは困っている。

 生き物は良くも悪しくも様々な可能性を持っていて、環境によって強くも弱くも変わるものなんだということが、野菜を育てていると良くわかる。

ブログ休みです

 写真のデータが入ったカメラを紛失(たぶん置き忘れ)したため、本日は休みにします。

                                                代表

土壌消毒開始

 消毒というとイメージが悪いが、代表の農法体系の中の大事な構成要素で、太陽熱を利用して雑草及びその種と線虫などの有害な生物を蒸し焼きにしてしまう方法である。地中深くまで値を延ばしているスギナに対し、作物を栽培する地表20cmまでは焼けそうなので試してみることにした。

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 こんなことをすれば有害な生物と一緒に有益な微生物だって殺してしまう。大丈夫なのか?有機農業って土の中に多様な微生物の世界を構築することが大事だとされて来たんじゃなかったのか?代表も最初は疑問を感じたが、これでも作物ができるんである。ていうか、太陽熱土壌消毒しない時よりもひじょうに良くできるんである。虫食いの少ないきれいな作物になる。はっきりはわからないが、ぼかし肥料との組み合わせが微生物関連のネガを相殺している気がしている。

 難点は、太陽光が弱い時期は使えない事。だいたい6月から9月までの間だ。それから、カバーする農ポリの費用がバカにならないこと。だから代表は、ここで使った後さつま芋、人参、白菜と順繰りに使い回しして元を取ろうと思っている。

ニンニクの森

 手前の一本はご愛嬌として、どうよ、代表のニンニクの巨木は。まるでメタセコイアの森のジオラマのようだ。

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 種はホームセンターで購入した中国製だから、特別に優秀というわけではない。 昨年9月に播種したんだが、いくつかの新しい試みをした。それが良かったようだ。

 一つは黒マルチを使ったこと。代表は地温を上げる目的の黒マルチは嫌いだからほとんど使わない。地温を上げるとどうしても根が貧弱に育つ感じがするからだ。が、一昨年はニンニクが幼い時に害虫と雑草に負けてしまったので、それを防ぐにはマルチが良いだろうと、そして、種を植える位置を深く(20cmくらい)すれば地温上昇の影響も少なくて済むだろうと考えやってみた。数株は虫にやられて倒されたもののほとんどが助かった。上手くいった。

 もう一つは肥料。最初は無肥料で植えて、発芽後からぼかし肥料を与えた。4月に入ってからは体成熟を促す為にカリウム肥料(木灰)を水に溶かして根元にかけた。そういうことがハマったと思う。

 しかし、葉っぱばかりでかくなってもしょうがない。肝心の食べる部分がでかくないと。根はどうなっているんだろうか?ニンニクの収穫まで約ひと月。楽しみだ。うまく行ったら来年は大量生産したい。ニンニクの森を作りたいと思う。

スギナ樹林

 見てくんちゃい。この見事なスギナの林を。作業場のビニールの無いビニールハウス8棟の全面がこんな状態だ。

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 昨秋から4回も耕耘したのにスギナに対してはまったく無意味でした。効くと言われている石灰も全然効果無し!よくわかりましたよ。スギナのいやらしさが。

 これを始末しないと野菜を植えることはできない。どう始末するかだが、色々試したいこともあるんだが、いつまでも遊んでばかりいるわけにはいかない。そろそろ野菜を作って売れるようにしないと。

 んー困った。

会社でも作るか!?

 使いやすい農具の開発が代表のメインテーマだが、こんなものまで開発しないといけないとなると会社を設立しないと無理かもしれない。商品名は育苗ポットだ。

 畑に植えるまでにある程度の大きさまで育てるための、大小の大きさのプラスチックの鉢で、ホームセンターやJAの直売所に行くと、育苗ポットで育てられた様々な野菜の苗が並べて売られている。代表もその育苗ポットとか、小さなポットが何十個か一体になったパレットに種を植えている。

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 このポットの大きさや直径と高さの比に対して、これまで何の疑問を感じないで使ってきたが、この大きさと縦横比では代表の苗は高さが足りなくなることが判明した。地上部に対して根が長いため、底突きしてしまうのである。

 これは南瓜の苗だが、双葉が出た瞬間にはこんなに根が伸びてしまっている。

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 ポットの底の穴から根がはみ出していた。トウモロコシに至っては底に到達して、Uターンして上に向かっていた。こんなでは代表の農法の良い所が発揮できない。

 変えていかなくちゃいけないっことが多くて、今代表の頭の中はぐちゃぐちゃだ。

畑Aの状況

 代表の農業の原点、農業の故郷とも言える、一番最初に野菜作りというものと向き合った場所である畑Aに久し振りに行った。今頃久し振りじゃいけないんだが、作業場とか他の畑とか、余りにも急激に拡張したために畑Aまで手が回らなかった。

 畑を耕したことがある人ならわかると思うが、しばらく行っていない畑に行くっていうのは気が重い。考えただけで憂鬱である。何故なら何が起きているかわからないからだ。必ず何かが起きている。それも良い事である訳がない。何日も手入れしていないわけだから。それを見た時の落胆だとか絶望感だとかを考えると、現実から逃げたいという気持ちになって、一日延ばし二日延ばしして益々状況は悪化して行く。そんな繰り返しで家庭菜園を諦めた人も多いことだろう。まして、代表の場合1、2ヶ月振りだから気が重いとかいうレベルの話ではなかった。畑Aは無かったことにしたかったくらいの気持ちだった。

 ところが、あに図らんや、心配したほど荒れていなかった。雑草が我が物顔で蔓延っていたのはしょうがないにして、ニンニクは近隣で一番という程の育ちを見せて、プルーンの花とブルーベリーの花が満開。放置していた小松菜やチンゲン菜も黄色い花を咲かせ、昆虫たちが飛び回っていた。有機農家でこれくらいの状態の畑の人は普通にいる。安心した。

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 100坪程度の草むしりなら今の代表は手で一日でできる。さっさと片付けてしまった。すると、雑草の間から色んな野菜が出て来た。

 これはレタスと二十日大根。

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 晩秋になってからはちっとも伸びなかったので、そのまま枯れるんだろうと思って放っておいたんだが、動き出していたんだね。こんな栽培でも手がかからなくていいのかもしれない。味はどうだかわからないが。

 こっちはアスパラガスとホウレン草。

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 肥料の大食いで根ばかりが大きくなるアスパラガスとは相性が悪いことがわかったので全部撤去したはずなんだが、まだ残っていたんだ。野菜って、育てようと思うと育たなくて、冷たくするとこういうしたたかさを見せる。気まぐれなところがある。

 除草を終えたら畑Aに何を植えるか?代表の頭はぐちゃぐちゃだ。

植物に土は必要か?

 雨が上がったと喜んだら、一日置いてまた大雨だ。植物たちも必死だろう。

 ところで、代表の作業場のビニールハウスの前には小畔川(北小畔川)が流れ、両岸に沿って二本の農道が通っているんだが、その片方の農道の入り口、ちょうど芳地土橋という小さな橋と交叉する場所(↓写真の矢印部分)に一本の珍しい木がある。

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 木だから〈立っている〉と書きたいところだが、そう書けない、どうしてあんたはそんなとこにいるの?という不可解な在り方をしているのである。結構な大木なのにコンクリートの上に座っているように生えている。

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 不思議じゃない?
仮にコンクリートに隙間があったとして、そこに根を入れているにしてもわずかな量だと思う。とてもこの木を養う水や養分を吸収できる太さと本数ではないだろう。形がそれを物語っている。根がコンクリートの上を這っている。

 たぶんこの木は、根を変形させ、水や埃を間に溜めて吸えるようにして生きているのだろうと代表は推測する。偶の雨や気まぐれで飛んでくる砂粒とそれに引っ付いているわずかな栄養分で葉を育て、光合成で得た養分を幹や枝に貯め込んで生き続けている。植物というのは置かれた環境によってこんなにも形を変えることができる証拠だ。死に至るまでの激烈な環境変化でなければ、だが。

 代表はこういうのを目の当たりにすると、作物にとって究極的に必要な要素というものは何なのだろうかと考える。農業に土作りは大事だと言われるが、代表もそうやって来たが、土なんてほとんど無くってもこうして育っている木があるじゃないか。現に盆栽は小さな鉢の中で何百年も生きるじゃないか。

 いやー、この世界はまだまだわからないことだらけだなーと思う。また、それだけ可能性を秘めているという話だ。代表の農法もその領域に足を踏み入れ始めているのかもしれない。

スイッチを切り替える

 水が引いたじゃが芋畑。

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 心配したよりもじゃが芋たちは耐えてくれた。完全に泥を被った手前側から5、6株ずつの合計60株を除いて助かるかもしれない。つまり、9割以上は収穫できるようになるかもしれない。今日晴れて早く水が引いたのが不幸中の幸いだった。

 これまで代表は作業をするときに「こんなもんでいいか」というところで止めていた。もし失敗してもそれもまた勉強の種という考えだった。しかし、本日只今から考え方を変える。全身全霊を使って最悪の事態を予測し、それに対する作業を徹頭徹尾完璧にやることにした。妥協しない。それでないと、6反の作物を一様に幸せにすることはできないし、農業で食って行けない。言うなれば研究開発領域と製造部門とをきちんと切り分けて、研究開発は失敗してもいいが、製造生産は絶対に失敗しないようにという考えで行くことにした。

 例えば、絶対に失敗してはならない里芋やじゃが芋はひとつの畑に集中させてはいけなかった。2ヶ所に分けて植えるべきだった。その上で効率を追求しなければならなかったと思う。

 当たり前だが研究開発と生産では求めるものが違う。混同してはいけない。その部分はスパッと割り切ることにした。

無念

 川越は大雨が降って、じゃが芋を植えた畑が水浸しになった。

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 3回もの遅霜にやられ、ようやく立ち直ったところにこの雨。可愛そうに。3分の1も助かれば御の字だろう。田んぼに植えた里芋も水浸し。今年は駄目かもしれない。

 ここ数年の天気は本当に意地悪だ。農業で食っていくなら、どんな天気でもこういう事態にならない手を打っておかないといけないということだろう。いい教訓になった。

無肥料出発の人生

 これが無肥料で発芽させた小松菜の苗。体型と色の美しさ。わかってもらえるだろうか。

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 まず根が大きくて太い。ホームセンターや直売所などで販売されている苗の根は、葉の部分の3分の1から2分の1くらいの大きさなのが普通だ。代表のは見ての通り葉よりも根の方が大きい。そして、しっかり土を掴んでいる。下半身ががっしりしている安定型の多産系体形ってことだ。

 それから色。太陽の光を反射して蛍光の黄緑色に輝いている。健康的だ。肥料分が多い土で発芽した苗は、窒素を吸って黒っぽい緑色になる。窒素中毒の状態とでも言ったらいいのか。野菜の種類にもよるが、濃い緑色よりは黄緑色っぽい方が健康的な状態なのである。

 この違いが小松菜の一生を通じて影響する。最初に肥料分がたくさんある土で産まれた小松菜はずーっと肥料を要求する。だからどんどん肥料をあげる。肥料をあげると水も欲しがる。だから水もやらざるを得ない。細胞は水を溜めて膨らむ。従って、水っぽくて腐りやすい、乾くとカラカラに干乾びる小松菜になる。他の野菜についても大体一緒だ。

 代表の小松菜は贅沢はしないので、それほど肥料を要求しない。たくさんあっても余分には吸いにくい体質になっている。その上で少年期青年期壮年期とそれぞれの世代に必要とされる有機質の単肥をやって行くから健康的な人(野菜)生を送ってもらえる(はず)。

 野菜とて生き物。人様に食われてしまう運命ではあるが、この世に生まれてきた以上、生まれてきたことを呪ったり悔んだりしない一生であってもらいたい。楽しんでもらいたい。そういう思いで代表は野菜を育てている。

川砂を求め

 土が良くないと作物はできない、というのはよく聞く話だが、そんなことはない。例えば岩を細かく砕いたような土でも野菜は育つ。要は、根が張れる物理性さえ満足すればいいわけで、肥料が保持できないような雑な土であっても、肥料さえ供給してやれば大丈夫なのだ。

 代表の農法は、いくつかの技術手法の組み合わせから成っていて、その中の一つに無肥料出発がある。種を播く時に無肥料の環境に置くことで、作物は胚乳の栄養分だけで発芽し根を延ばすことになるんだが、もしこの時に周りに肥料分があると、根を延ばさずに肥料を吸って、葉の方を成長させてしまう。最初の葉は光合成しないで肥料を消費するだけなので、結局、根が未発達のまま地上部の生長を続けることになり、その性質が生涯影響を及ぼす。弱い、贅沢体質の作物になることがこの段階で決まってしまうのである。人間と同じだ。だから代表は徹頭徹尾無肥料で、且つ、発芽率が高い土を作ろうとしてとっても苦労している。

 今、代表がブレンドに使っている材料の一つは川砂だ。川砂は、川の流れで石同志がぶつかり合って細かい粒になったものだから余計な肥料分がくっ付いていない。無肥料土の素材としては最適なのである。現在は作業場のすぐ側を流れる小畔川の岸に堆積しているものをきれいに洗って、チップ堆肥や籾殻燻炭と混ぜて使っている。なかなかいい方向に行っている。発芽から双葉になる状態までに通常の育苗の3倍時間がかかっているが、根の張りは驚くくらい良い。

 先日、川内村に行った時、何気なく木戸川の川岸に目をやると、真っ白な、まるで西表島の砂浜のような風景が見えた。もしかして...と思ってKトラを停め川岸に降りて確認すると、美しく粒のそろった、表面がツルツルでなく少しギザギザな理想的な川砂だったのである。しかも、その量たるや小畔川の比較にもならない。全面が川砂。場所はなんと川内村の霞が関、役場の前であった。

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 代表は、村長選の候補者の選挙カーが名前を連呼しながら通り過ぎるのを眺めつつ、黒コン二つ分程の川砂をもらってKトラに積んで帰った。

 これは窃盗になるのだろうか?否、代表がやっていることは食料生産という社会正義である。世界の平和のためである。きっと情状酌量されるだろうと思う。

嗚呼無人駅

 常磐線の夜ノ森駅が再開したと聞いたので行ってみた。川内村民にとって夜ノ森駅は都会への入り口。夜ノ森町自体が都会であり、ここから大都会の仙台や上野に向かったので、夜ノ森駅前に立つと気持ちが高揚したものだった。

 代表は、広野町に鶴田さんを訪ねた帰りに、6号線を北に走って小良ケ浜の交差点を左折して桜通りから入ろうとしたんだが、いまだに通行規制されていて進めなかった。夜ノ森と言えばこれまたイコール桜通り。夜ノ森駅が再開したらば当然桜通りも通れるようになっているだろうと思ったのだった。

 仕方なく富岡方面に引き返して、何本かある夜ノ森駅方面へのパスを走ろうと思ったらいずれも通行止めであった。行けないじゃないか。どっから行きゃいいんだよ!と頭に来て通行止めの立て看板の前に立っている誘導員に尋ねると「自分は地元の人間ではないのでわかりません。」という答えだった。つまりそういうことなんだな。6号線から直に行けない駅なんていくつ開通したってしょうがないだろう。とんだ骨折り損だった。夜ノ森駅を見るのは諦めて、川内村に戻るためにもう一回Uターンして、小良ケ浜のひとつ先の交差点を左折した。

 くねくねした線路沿いの道を戻るように走って、さて川内村方面へと右にハンドルを切ろうとしたら、それまで通行止めだった夜ノ森駅への道が通れるようになっていた。ここからなら行けるのか?と左折し、近道のパスを...と右に曲がったらまた通行止め。頭に来て通行止めの立て看板の前に立っている誘導員に尋ねると、「夜ノ森駅は向こうです!」と、今度は大熊町の方を指さされた。こらアカンわ。こんなことしてたら電車に乗り遅れてしまう。

 再びUターンして川内村へ左折しようとしたが、念のため右折してみた。メインの道だけが通れるようになっていた。他は小道含めて一切通れない。家にも入れない。ゴーストタウンの迷路の中の夜ノ森駅であった。

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 どこか余所余所しく見える新しい夜ノ森駅は、都会への入り口になって旅立つ人の夢や希望を膨らませてくれるのだろうか。川内村に帰る人たちを暖かく迎えてくれるのだろうか。そして、六角精児がこの駅の前で缶ビールをすする日は来るのであろうか。そうあってほしいと代表は思った。

オリジナル農具開発に着手

 農作業で鍬を使わない日はほとんど無い。特に唐鍬と呼ばれる刃床部が短い鍬は、雑草を削ったりだとか、側溝の泥を集めて取り除いたりとか、ブルーシートの上で肥料を混ぜたり等の作業にも使うので、無いと仕事にならない。ところが、何度も愚痴っているように、まともな鍬が世界中どこを探しても無くて、今代表が使っている唐鍬も刃と柄がガタガタで、使い難いし効率が悪いしで、ストレスが溜まってどうしようもない。

 なので、ついに代表は、温めていたアイディアを投入したオリジナル鍬の製作に取り掛かることにした。いつまでも現状に甘んじていては進歩できない。

 最初、今の唐鍬を改造して少しずつ改良を加えて行こうと考えたんだが、板金溶接するには治具から作らないといけない。それだけに集中できるなら楽勝だが、7反の畑を耕し種を植え作物を育てながらでは厳しい。時間が無い。そこで、以前から目を付けていた川内村の隣町の農具メーカーに試作を頼むことにし、話をしに行った。

 ところがというか、案の定というか、まず「鍬の刃と柄が緩んでガタガタになる」という事実を受け入れてもらえなかった。他のところはどうか知らないが自分の会社の鍬は緩み難いからそれを使えと、頑固一徹石部堅吉の職人さんが言うわけである。その構造は、結合部分の形が四角と丸が違うだけで、多少ゴツイだけで、代表が群馬近くまで行って買い求めたプロ仕様の鍬と同じだった。これでは必ず緩む。

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 緩む!いや緩まない!代表と職人さんは、喧騒の工場の中で声を大きくしてしばらく押し問答した。やっぱり作ってもらうのは無理かなと諦めかけた時に、若い40行ったか行かないかの工場のリーダーと思しき人物が、代表のアイディアスケッチを見て「こんなのは初めてだ。面白い。」と言ってくれた。

 まだ特許を取っていないので詳しくは書けないが、外観はまったく同じで結合部の内側の簡単な仕掛けによって緩み難くしてある。むしろ、余計な柄の出っ張りが無くせる分、刃の底の平面がそのまま使え、畝の面に当てて平らにしたりもできる機能が増やせる。それを若者の軟らかい頭脳は理解したのであった。

 若者の発案で、すぐに鍬の試作に取り掛かることはしないで、工場にあるパーツを利用してこの手法で上手く行くのかの確認をしてみてからにしようという話になった。代表にとってもその提案は願ったり叶ったりだった。新しい製品というのは、形にすると色んな問題点が見えてくるので、そうやって何回も試作を重ねて、それをまた解決して形にしてようやく産み出せるものなのである。結果が出たら連絡をもらうことにして、代表は工場を出て川内村に向かってKトラを走らせた。

 そもそも代表が農大に行ったのは使いやすい農具を開発したかったからである。使って楽しく、効率良く作業が出来て壊れ難い,、そういう当たり前の物を作りたかったからである。今その夢に一歩近づくことができて代表は嬉しかった。

里芋播種終了

 ようやく里芋の植え付けを終えた。全部で700個。1個1分として700分は覚悟していたが、終わってみたら240分だった。約3倍速だ。

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 人間いざとなると力が出せるものなんだね。おかげで今腰痛と筋肉痛だが。

 じゃが芋とさつま芋とこの里芋は、代表がメインテーマとする作物だ。理由は、米麦などの主食を補う栄養価の高さ。そして、それぞれにファンがいること。ファンは1人とか2人だが、それでも励みになる。

 里芋作りには絶対の自信があったが、今年は少し心配がある。それは、今まで田んぼだったところに植えたこと。最初の計画ではここにじゃが芋を植えて、じゃが芋を収穫した後大豆を植えるつもりだった。が、昨秋からの観察からそれが難しいとわかった。やはり田んぼ。水捌けが悪くて雨が降る度に池みたいになる。土も粘り気が強い。何が植えられるか消去法で絞って行った結果、里芋しか残らなかった。

 里芋は湿地で産まれた作物だが、どういう訳かそういうところで育てると硬くなるらしい。水が多いところでは窒素を欲しがり、窒素があると水を要求するのは作物の基本的な性質なんだが、そういった野菜は膨らんでいるだけなのに食感が硬く、乾くとパサパサになる。そういうことと関係があるのかもしれない。

 しかし、代表もそれが分かっていてみすみす失敗するようなことはしない。代表の里芋の場合は窒素を必要以上に吸わないような動機付けをする。それがこういった条件下で目論見通りにいくかどうかだ。里芋を信じてやってみるしかない。

うまい商売Ⅱ

 カインズの竹箒の柄が再び割れてしまった。交換してもらってからひと月も使っていない。

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 2本使って2本共同じように割れた。ということは、100パーセント割れる箒ってことだ。不良品ではなくて欠陥商品。

 人はこういう商品を手にした時、ああ、やっぱりカインズだね、で諦めるのだろうか?わざわざ換えてもらいに持って行っても、不愛想な店員が、クレーマーでも見るような目と態度での渋々の対応に接すると、なんだかこっちが悪いことをしているかのような気分になってしまう。だから代表はもう交換してもらわない。時間の無駄だ。箒ぐらいは自分で作る。

 改めて、ここは猫の砂だけ買うところだと知った。

カラスの行動についての新事実

 露地で野菜を作れば天気の影響はもろに受け、虫や鳥や獣の食害も避けられない。完全に防ごうとしたら野菜工場にするしかない。それでは投資が大変だし、第一つまらない。お日様の下で土に塗れてやるところに農業の楽しさがあり、その中での繰り返しのない変化、発見が面白いのである。

 カラスは鳥の中で最も手強い害鳥だが、高い知能故に、仲間の死骸だとかそれに似たものがあると警戒して近付かないとされてきた。代表もそれを信じてきた。そして、その知能を逆手にとって箱罠でカラスを捕らえるやり方を極め、箱罠に一日ほど閉じ込めて説教して放すことで近づかなくなるということを確認したわけだが、なにそんな効果はたったの2週間程だった。またもや作業場に現れてアライグマ用に仕掛けた箱罠の餌をくすねだした。

 代表はすぐに3つの罠を全てカラス仕様に変更し、1羽捕まえた。代表が見ている目の前で入った。簡単だ。

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 ここでこいつを放しても効果は2週間しか無いことはわかったので、ちょっと残酷だが、今度は死骸になるまで置いておいて、それをぶら下げてみようと考えた。それならカラスも嫌がって近付かなくなるはずだ。そう思いながら作業を続けていたら、なんと、このカラスから20メートルも離れていない2つ目の箱罠にカラスがかかったのである。

 こいつらバカか?

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 つまり、これまでの定説は覆り、カラスは仲間が捕らわれていようが関係なく近づいて食欲を満たす、ということがわかったのである。危険な場所には近づかないとか、仲間の痛み苦しみが理解できる高度な鳥だというのは嘘説、言い伝えの類で、所詮、爬虫類に羽が生えただけの生物だったという話だ(因みに、罠に捕まっても中にある餌は残らず平らげる。これはカラスだけでなく他の獣も同じ。)買い被っていたよ。

 結局、虫や鳥や獣に対しては物理的に防御して行くしかないことがはっきりした。虫や鳥には防護ネット、獣には防護柵や電気柵で防ぐしかない。もちろん畑で見つけたら即捕まえて死刑にすることも大事だ。

 さて、こいつらをどうするかだが、ぶら下げても効果が無いことがわかった以上死骸にしてもしょうがない。放してやることにした。1羽はそのままどこかに飛んで行ったが、もう1羽は、近くの葡萄棚の高い所を止まり木にしてアーアーと鳴いて、しばらくこっちを見てから飛んで行った。なんだかバカにされた気がした。

経費は月4万円

 代表の小遣いはひと月4万円。結婚してからずっと同じだ。上げてもらえない。Kトラとかの家の経費にすべきものは別にして、遊びの部分はすべてそれでやり繰りして来た。

 代表の農業は遊び。だから、小遣いの範囲でしかやって来なかった。100坪の家庭菜園の時も7反に増えた今も、ずっと4万円の範囲で、そして、一人でやれる範囲でやっている。

 まともに、というか、今の農業のやり方そのままでやっていたら、この規模で費用4万円では到底成り立たないだろうと思う。土地、設備費、機械、人件費、肥料、農薬、光熱費等々、最低でも初期投資数百万円、月経費も10万円は下らないだろう。

 なんで代表は4万円でできるのか?その理由は、遊びだからだ。投資や経費をかけていないから、回収する必要が無い。月4万円で遊んでいるだけ。戻って来なくたって別にいいわけで、永遠にそれ以上使わなければいい。

 それにしたって、田畑や肥料代や種代などの出費もあって7反分ともなればタダでは済まないはずだが、人脈と知恵と体を使えば何とかなってしまう。

 人脈とは、イコール信用度だ。自分が信頼されていれば、いい話が自然に流れて来る。自分のブランドとも言い換えられる。代表の場合は、仕事はきちんとやるし、何か親切を受けた場合はその10倍返しを基本にして真面目に生きて来たので、多すぎて困るくらいのいい話が持ち込まれる。種なんかはあげもするけどもらえるのもある。今の状況はこれまでの生き方の結果だ。

 肥料代はほとんどかからない。おから、米糠、籾殻、鶏糞、食品残渣などの廃棄物を利用して自分で作るからだ。

 色々な資材についても、もらった物(持って行けと言われた物で、あまり自分から欲しいとは言っていない。)だとか、近くの伐採屋や鉄屑屋で安く調達したものを利用して自分で作っている。

 下の写真は、育苗用の台だが、近くの農家の人が処分に困っていた単管をもらって来て組んだ。ジョイントは鉄屑屋で1個50円で仕入れたから総費用しめて500円。

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 鉄屑屋に行く時に周りに転がっていた鉄屑を積んで行って売って3000円の収入になったから、あと41500円も残っている。

 代表の農業はほとんど投資がかからない。それでいて収穫量は2~3倍。これじゃ儲かり過ぎてやっていけない。年金を減らされてしまう。

言い伝えの真偽

 無花果の木には多量の栄養分が含まれる。無花果農家の人の間ではそう言い伝えられているらしいが、はっきりしたことは分からない。代表がそれが事実だと感じたのは、昨年、無花果を栽培している同級生から挿し木を一本もらって畑に植えた時だ。

 その木は、まだ活着したばかりで小さな根ができ始めた状態だったので、移植するには早かったが、試しに一本だけやってみようという話になってやってみたのだったが、結局、その根が展開することも新しい根が伸びてくることもなっかったにもかかわらず、何枚か葉が出て、ひと月半ほども生きていたのである。根は何も吸えていないから木の養分だけで生きたとしか考えられない。代表も無花果の木は何か違うと感じた。

 そのことを確かめたいと思って、かなりしつこく情報や論文などを探したが、そのことについて取り上げられたものはひとつも無かった。誰も研究テーマにした人がいなかったのだ。残念だった。

 農業の世界にはその類の伝承話が山ほどある。研究の種は尽きなく、その中にはノーベル賞をもらえるくらいの重要な事実が隠れていると確信する。代表に時間があったら、もう少し(30年くらい)若かったらそれらを発掘して研究してみるのだが...。

 今年は、同級生から無花果の剪定枝をたくさんもらってきた。

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 無花果の木にどれほどのパワーが秘められているのか、実際に自分で育てながら時間が許す限り探って行きたいと思う。