FC2ブログ

2020年02月の記事 (1/1)

苦すぎる菜の花

 「安かったから」
そう言って家内が夕食のテーブルに出した菜の花のお浸しは、苦くてバッサバサで食えたものじゃなかった。

 「これは毒物だ。お父さんの畑の菜の花を採って来るよ。」
と言って、代表の畑の菜の花で作ったお浸しがこれ。

  2020022901.jpg

 色鮮やかで苦みが少なく美味しかった。

 肥料が多量に施された野菜の中には硝酸態窒素が残留し、苦みの原因になることがある。実はこの硝酸態窒素、大量に摂取すると体内で亜硝酸態窒素に還元され、この亜硝酸がヘモグロビンをメトヘモグロビンに酸化してメトヘモグロビン血症を引き起こす。酸欠によるチアノーゼだ。そのため、ヨーロッパでは作物中の硝酸値が3000ppm(1ppmは1/100万=0.0001%)以下に規制されているんだが、日本には規制が無い。野放しだ。だからどす黒い菜の花も普通に売られてしまう。

 どす黒い菜の花ばかりでなく、日本の葉物野菜のほとんどは3000ppmを超えていると思う。肥料量を抑えている有機野菜の硝酸は少ない方だが、非常に栽培方法に気を使って葉中の硝酸を抑えた有機農家の作物で400ppm前後だと聞いたことがある。大気中の二酸化炭素の濃度と同じ値だ。いかに少ないかがわかる。

 だが、そこまで肥料を抑えた場合、やはり作物の育ちは悪い。小さくて、白菜など慣行野菜の1/3程の大きさしかない。安全を取るか食欲を選ぶかどちらかしかないのが現状だ。農家も消費者も気にしていない人がほとんどだろうけど。

 但し、今は、だ。代表の農法が完成したら、可食部が十分に大きくて、なのに硝酸が3000ppm以下にできるはずなのだ。農業の歴史が変わる。もうしばらく待っていて欲しい。

宿命

 一人で畑仕事に没頭していたいと思うが、毎日何かしら事件が起きて、その願いが叶わない。

 じゃが芋の播種の残りを日の出と共に開始して9時に終わらせ、さあ次の作業を!と構えたところに、ブブーっと近所の農家の小父さんが軽トラでやって来て、胃のポリープ摘出手術のために入院していた話を1時間聞かされた。

 昼まで残り2時間になったため、先に寄居のアイルクリーンテックに肥料を受け取りに行ってしまって、帰りにどこかで昼飯を食ったら効率が良いと考え、肥料を受け取って「久々に小川町カフェでランチでも食うか」とKトラを走らせたところに携帯電話が鳴った。団地の人からで、何事かと思いきや、代表の家の水道管が破裂して下の階の家が水浸しだ、とのこと。

 そりゃ大変だと、暗い気持ちでKトラを飛ばして家まで急いだ。着いてすぐ、まず自分の家の中を確認すると、代表の家も洗面所を中心に全域水浸しになっていた。

  2020022801.jpg

 おかしいな。水道管が破裂したのなら床上は濡れないはず。そう思っていたところに下の階の人が飛び込んで来て、漏水の元はまだ上の方みたいだとの話だった。結局、代表の家が原因でなくてそれは良かったんだが、それから、設備屋やリフォーム屋と打合せが入り、掃除して、ひとまず片付いたのが15時近くになってしまっていた。

 そういえば、家内はどうした?今日は仕事が休みだったはずだが。後から分かったことだが、家内はスマホを置いて出かけていたというっことだった。ゴミや埃は見えない体質であることは前に書いたが、本当に都合良くできている。

 それはそれとして、明日のためにやれることはやっておこうと思い、作業場に行ってKトラ一杯分の肥料を荷台から袋に移していると、顔色の悪い50代くらいの人が顔を出して「今度近くに畑を借りました〇〇です。」と言って、身の上話を40分程聞かされた。

 彼が引き揚げると、入れ替わりに、朝とは違うもう一人の近所の農家の人が来て、2,3日前にあげたじゃが芋の作り方のメモに対するお礼と持論を30分程述べて行った。

 ようやく一人になったが、すでに薄暗くなっていた。本日も道路の街灯を頼りに作業するはめになった。この状況をなんとかしないといけないと思うが、今日の出来事で想定可能だったものがあっただろうかと考えた時、無かった気がした。全ての事が自分を目がけて来て、それを避ける、かわすということが代表の力ではどうにもできなかった。こういうもんだと、流れに身を任せるしかないのか。

次元の違い

 じゃが芋の播種をした。

  2020022701.jpg

 じゃが芋の種芋1kgと30kg。数にして40個と1200個。ぼかし肥料の量で6kgと180kg。畝の長さが14mに対して420m。代表だったらそれくらいの作業増は一日でこなせるだろうとたかをくくっていたんだが、芋を切って灰を塗るだけで4時間もかかった。

 明日改めてやればよかったものを、強行したために暗くなってしまって、高速道路の灯りで作業を進めたが、ついに終わらせるのを諦め、置いた種芋が寒さで凍みないようにそこだけ土を掛けてやって終いにした。

 それでようやく全作業の半分。ただ作業量が30倍というだけではなく、不意の来客や急な気象変化なんかによる作業効率ダウンとか、疲労の蓄積カーブの立ち上がり具合とか、それらに伴う想定外の大変さがある。これは、全体的に取り組み方を見直す必要があると思った。大変だわい。

じゃが芋の準備

 じゃが芋を植える時期になった。代表の農法の集大成。これまでに積み上げてきた技術の全てを、まずはこのじゃが芋の栽培に投入する。

 その中のひとつ。種芋を薄日に当てて緑化させた。下の写真の右側が緑化させたもので、左側が買ったままのものだ。

  2020022601.jpg

 ちょっとわかりにくいが、緑化させたものは、緑色というか、黒っぽくなっている。

 こうすることで、発芽を揃えることができ、病気に強くなり、収穫量も多くなる。また、病気を持っている芋は腐るので、播種前に除くことができる。

 これを2つから4つに切って、通常は灰を塗るのだが、代表は別の何かを塗る。それも新しいやり方。植え方も肥料のやり方も全てが従来の方法とは違う。じゃが芋を植える人は、代表が何をどういう目的でやっているのか気になるだろうけど、理論を理解しないでやり方だけ知っても使えない。理論はとってもむずかしい。教えたいけど、教えられない。いずれ本にまとめて儲けたいと思う。

 野菜を売り、農法を売り、肥料を売り、農具も売ると長者になってしまうが、年金が削られない程度にしておかないといけない。

デコイは効果が無い

 ビニールハウスの屋根の上にとまっているのは、デコイではなく本物のカラスだ。昨日デコイを掲揚したばっかりなのにもう来ている。

  2020022401.jpg

 やっぱり!だね。カラスばかりじゃなく、他の鳥たちも全然怖がらない。代表が書いた通り、デコイみたいな物は効果がないんだよ。

 代表は、何故このような商品が売られ続けるのか、不思議でたまらない。また、それを買って、効果があるんだと言って使い続ける人がいることも不思議。それを「農業(人間)の多様性」として受け入れなさいという風潮がまた堪らない。駄目なものは駄目なものとしてしっかり受け止めないと、無駄ばっかりで、良い物ができてこないだろうと思うんだが。

 農業はこんなことがとっても多い。例えば、トウモロコシの間に大豆を植えるとアワノメイガの被害が抑えられるとか、トマトの根の近くにネギやニラを植えると病気にならないとか、ソルゴーを植えて置くと油虫が全部そっちに行くとか。代表の実験結果ではすべて効果が無かった。コンパニオンプランツの類も全て効果無し。徒労であった。木酢液とかニーム液とか、効果があるとされて効果が疑問なものは数え上げたらきりがない。代表が5年の歳月をかけて確認してきた、それが真実なんである。

 結局、害鳥害虫に対しては物理的に防ぐのが一番だ。デコイみたいな考え方で防ごうと思っていると必ずやられる。同級生に返してこよう。

カラス掲揚

 新しい作業場は、もう屋根の農ポリが飛んでしまって無いが、骨格は残っていて家の形をしているので、屋根の方から鳥やカラスは入って来ないと思っていた。だから、カラスに食われるような落花生だとかをここで作ろうと計画していたんだが、ところろがどっこい、カラスも鳥も平気で入って来る。おからだとかそのまま置いておくと悪戯されてしまう。困ったな、何とかしないとな、と考えていたところ、近くの同級生の葡萄畑に行ったときにカラスのデコイがぶら下がっているのを見た。同級生が葡萄畑と一緒に師匠から受け継いだもので、カラス除けにものすごく効果があるという話だった。10数年前に川越の葡萄農家の間で広まったデコイらしい。

 代表はこれまでにこのデコイの類の物は試し尽くして、結局、効果は無いと判断した。その他にも糸だとか針のように尖ったものだとか、レーザーだとか音だとか臭いだとかキラキラしたものだとか目玉だとか、あらゆるものをやってみたが、全てダメであった。農業の世界にはそういうガセが多過ぎる。言うなれば、そのような迷信に近い物を全て剥ぎ取り捨て去った先で、本当に効果があるものだけを集めたのが今の代表の農法なのである。もう時間と金の無駄遣いはしたくない。

 しかし、同級生が、「これは本当に効くよ」と言うので、しばらく借りて作業場の上に立ててみることにした。カラス掲揚。

  2020022301.jpg

 前に、畑Bでビニールのカラスの風船をぶら下げた時には、怒ったカラスが里芋の茎を5,6株無茶苦茶に突きやがったが、今回はどういう反応を示すか、楽しみだ。

耕運機の修理

 代表が使っていた耕運機は、ホンダのパンチエックスF401というモデルで、家庭菜園を始める時に中古を落札して手に入れた。

 4年余り使って色々とメンテナンスが必要な部分が出てきたため、その繋ぎと、サブ機を持っていないと何かあった時に身動きが取れなくなるのを心配して、またもやホンダのパンチエックスF402というモデルの中古を買い足した。パンチエックスは代表の使い方に合っていて気に入っていたので、ずっと先を見据えて新品で買おうと思ったんだが、既に生産されていなかった。ホンダの製品は何故か代表が好きなモデルから無くなる。

 このパンチエックスF402、最初は調子が良かったのにしばらくすると弱点を晒し出した。まず跳ねるようになり、次にミッションオイルがダラダラ漏れるようになった。

 跳ねる原因は、ローターの駆動ベルトがボロボロになっていたからだとわかり、新しいのに交換したら治った。しかし、相変わらずミッションオイルの方は漏る。オイルを入れ過ぎてブリーザーから噴き出してしまったのかなと考えて量を少なくしてみたが、それでも漏る。どこかのシールが破れたのかもしれない。ギヤが焼き付いてからでは遅いので、農作業を一日休んで、修理することにした。

  2020022101.jpg

  オイルが漏れているミッションケースをチェックするためにはハンドルを除かないといけないんだが、なんと、ハンドルの取り付けがミッションケースのカバーと共締めになっていたので驚いた。
[ 続きを読む » ]

ウッドトップケーキ

 花園の同級生からチップ堆肥をもらって来た。

  2020022001.jpg

 土建屋さんが、仕事で発生する木材を砕いて水を掛けながら2,3年かけて腐植にしたもので、もう土に近い状態になっているためにアオリを外しても崩れない。まるで大きなチョコレートケーキみたいだ。草木が土の元なんだということがよくわかるね。

 自然界だとこれに100年かかるのを、人間は数年で腐熟させて農業に利用する。有機農業という言葉にロマンをを抱く人は多いと思うが、しょせん人間の手による自然破壊行為に変わりはない。そこのところを理解して取り組むかそうでないかで、自然破壊の度合いが変わって来る。どっちが自然を長持ちさせるのか。もちろん理解して取り組む方だろう。理屈がわからなければ長持ちさせる方法がわからない。

 最近、代表の作業場の近くの田んぼを借りた夫婦が、無肥料農法で野菜をやるとのことで、大人の背丈ほどの溝を何本も掘り始めたが、肥料が無くて作物が育つと考えているのだろうか。人間が食べ物無しで生きられるかどうか考えればすぐにわかることなのに。それが地球にも野菜にもそれを食べる人間の体にも良いと信じているんだろうけども、田んぼで夫婦がもぐらみたいに放る土くれが飛んでいる風景は滑稽だ。

 まあ、色んな考え方がある。農業者の数だけ農法がある。代表は代表の道を行く。

 

トラクター登場

 元気があれば何でもできると思ったが、時間的な制約その他の制限がある場合にはできないことがあった。田んぼの耕耘が間に合わず、ついにトラクターを借りることになった。

  2020021901.jpg

 畑Bの大家さん所有のトラクターで、いつでも使っていいことになってはいた。しかしながら、1反程度の畑においては大きさを持て余してかえって面倒に感じるところもあり、また、耕運機で土の状態を手で直に感じながらのんびり耕すのも嫌いではなかったから、トラクターの出番は無かった。

 担い手塾への入塾を決めた時も、下の写真の田んぼ2反を合わせて計3反くらいならなんとか耕運機でできるだろうと考えて、実際、やれる自信もあった。

 ところが、それからあれよあれよという間に耕作地が増えて、今や7反(先日また1反増えた)。元気な代表でも、これはもう耕運機で回していくのは不可能だと諦めてトラクター主体でやって行くことに決めた。

 正解だった。耕運機で4日かかる広さが、たった3時間で終えられる。まさか代表の農業がこういう事態になるとは一度も想像したことがなかったが、美味しい野菜を多くの人に販売して味わってもらい、その応援を後ろ盾としてこの農法を広めていくという計画のためには、こういう段階に突入することは必然だったなと、手鼻をかみながら感慨深かった。新しい領域へのスイッチが入った。

幸運の兆し

 今年初めて箱罠にかかった獲物は、またしてもクロネコだった。

  2020021801.jpg

 去年、畑Aで捕まったのも同じクロネコだったが、あの猫とは違う。

 作業場にしているハウスの畑の中に小さな足跡があったので、たぶん野良猫がいるんだろうとは思っていた。ここでは猫はネズミを捕ってくれる益獣だ。餌を食べさせてから放免してやった。いい感じだ。今年はアライグマ20頭くらい捕獲できそうだ。

 お袋は縁起をよく担ぐ人で、クロネコが歩いているのを見ると必ず「良いことがあるよ」と話した。どうかこれを見たみんなにも幸運がありますように。

元気があれば何でもできる

 雨降りで外作業ができないし、元気があれば何でもできるというわけで、本日も元気な代表は、サッシ屋になってガラスを入れにチャレンジした。けっこう難しかった。

  2020021701.jpg

 ビニールハウスには6ヶ所12枚のアルミサッシがあったんだが、ガラスが2枚共割れていないのは4枚しか無く、その内3枚だけがうまく嵌ったので作業場の両面に使い、1枚は下側が割れたのを使っていた。外側じゃなければ良いだろうと考えて。

 しかし、そこから動物が出入りして悪さすることが判明したため対策が急がれていた。ガラスの代わりに農ポリでも張ろうかと思っていたけど、強い風が吹き付けることもあるので、一枚割れずに残っているサッシからガラスを外して入れた。これも二個一というのかな。

 分解してみて分かったが、あまり合理的な構造ではないね。また自分で色々やりたくなってしまうが、これ以上手を広げられないので見なかったことにしておく。

 重いアルミサッシを割らないように傷付けないように一人で運んだり入れたりするのは肉体的にも神経的にもかなりしんどい。

   2020021702.jpg

 Good!これで動物は入って来ないだろうとホッとしたが、良く見たら農ポリを張った裾が隙間だらけだった(笑)。そこを直す元気はもうなかった。

農ポリ流し

 「魚穫れる?」と散歩の知人に声を掛けられたが、投網をやっているのではない。泥が付いた防虫ネットと農ポリを洗っていたのだ。石を重しにして友禅流しのように流れに任せておくと、1,2時間ですっかりきれいになる。友禅流しならぬ農ポリ流しだ。

  2020021601.jpg

 川内村だとこの時期に川に入るなんてことは考えられないが、川越は全然平気だ。冷たくないことはないが、凍るような痺れるような、そういう冷たさではない。気持ちのいい冷たさ。ほぼ一年中、川でこういうことができる。

 洗い終わったら河原の土手に広げて乾かす。

  2020021602.jpg

 遠くに高速道路を走るフェラーリの排気音が響き、近くにはメジロの囀りが流れる。早春の長閑な息抜き。幸せだ。もう菜の花も食べられる季節になった。

新たな野望

 簡単だと言う人もいるんだが、代表には難しかった。なかなか良いものができなかった。殊に、代表の農法では全くうまくいかなかった。芽が出なかったり、育っても長くて先が細い筋だらけの硬いのになったりした。しかし、ようやくにして甘くて美味しい人参ができた。

  2020021501.jpg

 人参栽培の難しさは、何と言っても、芽がだせるかどうかだろう。ゴミかと思うくらいの小さな種を、畑の土とは言うものの小石程の塊がゴロゴロしている所に播くわけで、まず人参にとっては、適した場所に落ちるかどうかの運が試される。

 幸運にも最初に出た根が土に突き刺さったとしても、頭を土の塊が抑えていたらアウトだ。代表の農法では元肥をやらないので、種の中の栄養で生きられる一週間ほどの間我慢できれば代表から液肥が届けられるが、それまでにエネルギーを使い果たしたらそれまでだ。ここまでに大部分の人参は無くなってしまう。

 小さな双葉が出るところまで辿り着けても厳しさが続く。虫に食われたり雨滴で倒されたりする。間引きという理不尽な選別も通過しないといけない。大変なのだ。

 間引きを免れ、ある程度大きくなってしまえば生き残れる確率はぐんと上がるが、代表はその段階に至ることができなかった。それがようやくできて、有機の無農薬で、まだ詳しいことは言えないが代表の農法ででも、食害の無いきれいな人参が育てられることがわかった。嬉しい。来年の今頃は人参で億万長者だ。

獣たちに告ぐ

 ぼかし肥料に使うおからや米糠が獣に食われる被害が出てきたため、罠を仕掛けて捕獲することにした。代表の勘では30個体以上いる。

 JAから借りた箱罠3つの内、一つは入り口のビニールが破れているところに仕掛けた。ここがネズミや獣の進入通路になっているのを代表は知っていた。言うなればこの穴は罠のための罠。代表が仕掛けた、獣を誘うトラップだ。

  2020021202.jpg

 自慢できることでもないが、昨年、代表は、この箱罠を使って、畑AとBでアライグマと狸を合わせて11匹を捕獲して市に引き渡した。おそらく、個人での捕獲数としてはJAいるまの地区でナンバー1だと思う。ネズミは20匹。これもトップ10に入ると思う。

 もちろん獣やネズミを捕らえた時には哀れだという気持ちになる。害獣とは言え、自分が生物の生死に手を下すことは辛い。嫌なものだ。できればやりたくない。

 しかし、そうしないと苦労して育てた作物が全て食われてしまう。一切がゼロになってしまう。半年かけて実験してきたことが水泡となってしまう。

 だから、代表は割り切って、獣との戦いなんだと自分に言い聞かせて、心を鬼にしてこれらの生物と向き合ってきた。蟻や害虫やカタツムリや鳥もにして同じだ。彼らが代表よりも強くて知恵があったならば美味しい作物にありつける。代表に負けてしまったら死が待っている。自然の法則。それだけの話だ。

 これまで代表の観察力と執念深さをかいくぐった獣はいない。獣もしつこいが、代表のしつこさは獣のそれを上回る。肉を切らして骨を切る。警戒してなかなか罠に入らない奴には、一歩半歩と少しずつ距離を縮め、何日もかけて餌を菓子ドッグフード果物肉とグレードを上げて行って、ついに我慢できなくなって手を出すところまで持って行く。そうやって代表の作物に手を出した奴は必ず捕まえる。

 だから、代表の畑の近くの人は作物の被害が少なくなってだいぶ助かっていると思うよ。最近は、獣が出ると「まだいるね。早く捕まえてよ!」なんて、わざわざ苦情を言いに来る人まで出てきた。代表は駆除係じゃねぇーって(笑)。

 獣たちに言っておきたい。代表の大切な作物と資材を荒らさなければ捕まえることはしない。でも、一口でも手を出したら容赦はしないよ、と。

じゃが芋播種準備

 じゃが芋の種芋を買った。カインズホームで10キロ箱2680円。2箱で20キロ5360円。高い。今までは1キロ買えば充分だったが、来年度から販売して利益を出さないといけないため20倍にした。

  2020021101.jpg

 芽が出やすくなるように20日ほど薄日に当てて表面を緑化し、その後、一切が20グラム程度になるように切り分け、切り口に消石灰を塗って植える。大体1000株になる。植えるのは3月上旬の予定。

 プロ農家の場合の一株当たりの収穫量は1キロくらいじゃないだろうか。どれくらいの大きさの芋を何個取るかというのは、種芋の設定と肥料量で決めると思う。じゃが芋が付く茎の数を増やしておいて、肥料で太らせる考え方だ。100から150グラム位のM~Lサイズにするためには結構な量の肥料を何回かに分けて投入しないといけない。一株に100グラムの芋を10個生らせるというのは相応高い技術レベルだね。順調にいったとしても収穫量は1トン前後だろう。

 代表の農法は中果多産が基本だ。肥料のやり方によって中くらいの芋をたくさん付けさせるように導く。一番適した時に適量の単肥を施すので、手間はかかるが1トンの収穫に対するトータルの肥料量はずっと少ない。

 覚えている人はいないと思うが、代表が駆け出しの頃、芋の周りにドーナッツ状に肥料を置く局所施肥というのをやって驚くような収穫を上げた。普通、じゃが芋の場合は、置き肥といって芋と芋の間に肥料の塊を置くやり方をするんだが、根が放射状に展開するのに対してそれは不合理だ。そう思った代表は、肥料をドーナッツ状に置いたら、結果は大収穫だった。

 ドーナッツ施肥は本当に効果があるのか?一昨年、農大にいたときに里芋で実験(環状局所施肥と命名した)したところ、見事に差が出た。しかも、同程度の肥料量で、一般的な里芋農家の一株当たりの収穫量よりも多かった。

 この多収穫の環状局所施肥と中果多産の農法を合体したら一体どんなことになるのか?通常だったら1トンの収穫が、2トンになるか、0.5トンになってしまうのか。もうプロ農家予備軍だから失敗はできないけれども、常に新しいことにチャレンジしなければ進歩もしない。今年、代表は2トンを目指したい。

アッピア街道の整備 中間

 やりたかったイメージとはだいぶかけ離れてきてしまったが、畑Bの用水路両岸の補強が7割方出来た。

2020020801.jpg

 土が流れ難くするために杭の内側に入れる物としては、当てにしていた廃材が手に入らなくなったため竹にした。周りの木を切ったのを使おうと思ったんだが、太くて曲がっているのではうまくいかなかった。凸凹になって隙間が大きく。土を保持することができなかった。長さも3メートルくらいないと杭の間からずっこけてしまうこともわかったので、写真の右手奥の竹林の竹を切り出したのが大量に放置してあったので、それを使った。Kトラの走行には耐えられないが、取り合えずこれ以上土手が崩れないようにはできた。

 畑Bのこちら側の田んぼにかかる橋のところは良く出来たと思う。ここは、両サイドに枕木を使ったのでしっかり補強できた。

 それにしても疲れた。昨日は3時半にフラフラになってしまったので早く終わりにした。代表はこういうことが好きなので、疲れたとか飽きたとか感じたことはあまりないんだが、昨日は疲れすぎてしまった。今日は、そこまでやると明日に響くと考えて、午前中で土木作業は終わりにして、作業場のビニールハウスの屋根の補修をした。ここ2、3日の強風によってビニールを押さえているスプリングが外れてしまったのだ。全部押さえておけばこんなことにはならなかったんだが、大丈夫だろうと思って、間引いてひとつ置きとか二つ置きにしてしまった。それが敗因だ。

 他の棟の屋根からスプリングを外して、それを作業場の屋根に運んでセットしたんだが、午前中の作業で疲れた体でやったので疲れが掛け算になった。意識が遠のいたので、やばいと思って4時で終わりにした。

 しかし、ここが勝負所。別にこんな作業をスルーしても農作業はできるが、動きやすくないと、見た目が美しくないと効率が悪く結局無駄な作業が増えることになってしまう。だから一刻も早く終わらせて農作業に進みたいと思っている。

朝市育ち

 代表の団地の野菜朝市の風景。

  2020020601.jpg

 出店者3人で週に二回、朝8時から9時まで開催し、お客さんは20人来れば多い方だ。朝市と言うよりも、犬を散歩させる住人たちの社交場になっている。今現在、代表が販売できるのはネギと里芋だけ。だから売り上げは1000円くらい。儲けるというよりは情報を聞く場だ。代表の野菜の味がどうなのか、ずいぶん貴重な意見をもらった。商品としての自分の作物に自信を持つことになったのがこの場所だ。育ててもらったと言えるかもしれない。

 4月から研修が始まるので、その時間はJAの直売所への出荷作業の真っ最中だから、この朝市に参加できなくなってしまう。少し寂しい。

スゴイ行先板

 毎日来客が多く、誰がいつ訪ねて来るかわからないので、段ボール紙片に行先を書いて玄関のガラス戸に貼った。

  2020020501.jpg

 「←の畑にいます」って言ったってどこなのかわからないだろうが、ここにはいなくて畑仕事をやっているんだな、くらいは伝わるだろう。それで十分だ。

 他に書くものが無いからこの段ボール紙片にしたんだが、つい最近までは大事な大事な段ボールだった。里芋の栽培実験結果がメモってある。

  2020020502.jpg

 代表の農法で育てたものとそうでないもの。代表の農法で育てたものでも肥料を変えたもの。それらの親芋、子頭、子芋、孫芋の数と重量を調べたものだ。

 結果は、代表の農法の方が数と総重量は2倍以上の増加となって、従来の農法を凌駕した。また、中程度の大きさのが多く、極端にでかいのとか、売り物にならないくらい小さいのはほとんど無かった。無駄が無い。味もいい。

 最初にこのデータを見た時「失敗したかも」と代表は思った。大きな芋が無かったからだ。やり方がまずくてこの農法のポテンシャルを引き出せなかったのかもしれないと考え、参考にしている書物3冊を隅々まで読み返し、漏れが無かったか突き合わせを行った。微量栄養素までのトレースはできていないが、基本栄養素についてはいいセンいっていた。そして、この方法は中果多産が特徴という一節を見つけた。代表の結果とぴったり一致。合っていたのだ。全数まだ大きくできたのかも知れないが。

 代表の近くに里芋で日本一になった人がいるんだが、その人は「里芋なんて育てるより買って食った方が安いよ」と話していたらしいが、要は、肥料をたくさんやって大きく育てただけだった。代表の農法だと使う肥料も少ない。しかも、廃棄物を利用したぼかし肥料だからコストも安い。どっちの農法が合理的か?答えは明らかだろう。代表が怖いのは、この農法があまりにもスゴイので、メジャーな力で潰されてしまうことだ。そうならないようにうまく立ち回って行きたい。

 この行先板を見て、数値まで見る人はないだろうと思うけど。

アッピア街道の整備

 畑Bへ続く農道がだいぶ傷んできた。一年でこんなにもダメになるものかと思うくらい路肩の減りが大きい。このまま放っておけば軽トラでの行き来ができなくなってしまうので、補修に取り掛かることにした。

 それから、畑Bの西隣の1反足らずの田んぼを借りることにしたので、そこまでアッピア街道を延長して橋をかけておかないといけないし、水路の畑側田んぼ側の土手の土が削られて目減りが激しいため、その対策もやらないといけない。土建屋に頼んだら4,5人で重機使って1週間くらいの工事だろうけど、使うのは代表一人だからやるのは代表だけだ。大変だが仕方がない。

  2020020401.jpg

 思えば、このアッピア街道開発プロジェクトから、代表の農業の幅が飛躍的に拡がった。アッピア街道と宿場を作ったことによって「とんでもない奴が来た」という噂が広がって、たくさんの人が様子を見に来るようになり、その中に代表の農法に興味を持つ人も出てきて、秋の収穫で結果が出たところで一気にブレーク。街道や畑を荒らさず整然と管理し続けたことで「きちんとした奴」と評価されることになった。その結果、JAに推薦してもらって、さらにその結果、農業の担い手の研修を受けることになったわけだが、アッピア街道の工事に取り掛かった一年前にこの展開を予想することはできなかった。本当に偶然と弾みの積み上げの結果で、今思い返しても不可解なことの方が多い。やりたいことだけをやってきた。そうしたらこうなった。

 拠点をビニールハウスの作業場に移したので、この、言うなれば代表の研究所だった所に、一日中居るということはもうなくなるが、代表にとって大きな転機となった場所であり、今後研究成果を試す量産工場としての役割を果たしてもらわないといけないからアッピア街道の重要性も変わらない。整備は抜かりなくやっておく。

 このことがまた次の新しい展開を産むことになるのだろうと思う。

勝負の2月

 作業が計画に対し大幅に遅れている。1月中に用水路の整備まで終わらせたかったんだが、まだ手が着けられていていない。

  20200220301.jpg

 3月に入ってもこの状況だったら...、今年一年はバタバタで終わってしまうだろう。そうしないためには何かやりたいことのひとつ二つを諦めないといけなくなる。それは非常に困る。

 なんでこんなに遅れてしまったんだろうか?目立つ作業場に訪ねて来る人の多さ。毎日一人二人が来て、その人たちがまた何人か連れて来るという好循環(笑)ができてしまっている。それに応対するその時の流れと集中力の切れ、時間の積み重ねというのが原因としてある。人のせいにはしたくないし、その繋がり広がりは代表自身の肥しになっているので大切にしたい。

 2月に頑張って盛り返して決着をつけないといけない。それができるかどうかが勝敗の分かれ目になる。

笠幡農園開園

 作業場の改造し道具類を整理した。

 まずビニールハウスの入口部分。ここを毎日使う野菜の調整用ツールと修繕に使う工具や資材保管場所にした。野菜の調整は外でやるつもりなので、袋とテープとハサミと包丁は持ち運びできるスタンドに集約した。

  2020020201.jpg

 もっと合理的にもっとカッコ良くしたいという気持ちは強かったんだが、いつも考えながら立っていると1時間2時間があっという間に過ぎてしまう。いつまで考えていても進まないので、まずは一回形にして改良して行くことにした。

 そして、作業場と保管庫となるビニールハウスの中の半分。

  2020020202.jpg

 ここは、主に肥料の材料と出来上がった肥料の保管場所になり、肥料もここで作る。それから、農具類と草刈り機などの保管場所にもなる。もう半分は芋類などの乾燥や貯蔵に使う計画だ。

 今までこれだけの道具類をどうやって持っていたんだろうと自分ながら驚く。畑とたった一坪の小屋と畑に置いていたわけだからねー。これを見てしまった後だと有り得ないと思うが、場所が無ければそれなりにやれるもんだ。

 富士山を遠くに眺める小畔川の畔の川岸の畑兼作業場。代表はここを地名から『笠幡農園』と名付けることにした。その内看板も作って掲げる。

  2020020203.jpg

 担い手塾の2年間の限定だが、この場所を拠点にして農法の研究を完了させて、たくさん野菜を作って売って、農具も開発してがっぽり儲けたいと思う。

 もし失敗したとしても大丈夫だ。ここまで小遣いでしかやっていないし、これからも小遣いしか使えない(笑)。