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2019年10月の記事 (1/1)

またも転機

 代表が実験している作物が収穫期を迎えて、畑仲間が通りがかりに収穫物を目にする機会が増えた。また、さつま芋や落花生を行き当たりばったりにあげまくっているので、代表が作る野菜の味を知る人が増えた。みんな美味しいと言ってくれる。タダだから不味いという人はいないだろうけど。

 そういった人たちの中に「良く出来ているから売った方がいい」と勧めてくれる方がいて、わざわざ代表の家まで訪ねて来て「JAの担当に話をつけておいたから、一回相談に行って来なよ」と、JAの担当の名刺を置いて行った。

 何回も書いたことだが、代表はこういった善意には感謝もし義理も感じるので、誠意を持って応えるようにしている。また、そこに至るにはなにがしかの力が働いた結果だろうから、その流れというものを大切にする。無理に逆らわない。自分の農法の方向性が見えて来たところで、代表としても作物を作った後のことを考える段階に来たと思っていたので、見えざる何かがそういうチャンスを与えてくれたんだろうと、ピンポン感じるものがあった。

 早速JAの担当に電話して、指定された時間に支店に行った。

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 すると、そこに、折りに付けお世話になっている農林振興センターのA氏が立っていた。同じ話は繰り返さないが、A氏は代表が農大受験に失敗し諦めた時に、再受験するように情報を入れてくれた人である。A氏との接点がなかったら代表は農大に行っていなかった。

 驚いて「あれー、Aさん久し振りです。会議かなんかですか?」と声をかけると、「いえ、代表(代表の苗字)さんが相談来るという連絡をもらったので、私も一緒に聞こうと思って来ました。」と言って、「JAの営農担当も呼びましたから」と、もうひと方一緒に立っていた人を紹介した。

 え??代表は戸惑った。今日はJAで少しばかり野菜を売らしてもらいたいという相談に来ただけなんだけど...。

 狐につままれたような気持になると同時に、この日の朝9時07分に近所のJAの支店に電話した話が、数時間後にはA氏その他関係部門に伝わっているという、県の農政部門を頂点とするネットワークの結束に、驚きを通り越して可笑しさがこみ上げてきた。おそらくその時にはもう農大にも情報が伝わっていたことだろう。

 「さ、行きましょう」なんて建物の中に促され、支店長室に通され、出された条件というのが「JAの会員になればJAの直売所で野菜を売ることができる」であった。当然だ。そんなことは重々承知で、こっちはJAの会員にならないで、せめて準会員くらいになってそうさせてもらえるのを期待して相談に来たつもりなのだ。決裂だ。代表はテーブルをひっくり返してJAを後にした。

 と、言いたいところだが、やはり義理人情である。そして、流れというものである。こうなることなどまったく予想もせずに、代表の野菜から何かを感じ取って、ただそれを売れるようにしてあげたいという一心でJAに足を運んでくれた近所の人と、それを真剣に受け止めて対応してくれたJAの担当。そして、代表との縁で駆けつけてくれたA氏及びJAの営農担当。それは、もしかしたらいつもこのJAから借りるアライグマの箱罠のようなものであったのかも知れないけれども、この人たちの心のエネルギーというものを感じなければ人とは呼べないだろう。それを感じないでこの先農業を続けたとしても、人様に喜んで食べてもらえる野菜は作れない。ただの独りよがり。自己満足。エゴに過ぎない。代表はそう考えて前向きに提案を受け入れることにした。

 農地を持たない者がJAの会員になるのは、様々な手段があるが、どれも簡単ではない。代表の場合は、農家に婿に入るか、県の農大を卒業しているので『明日の農業担い手育成塾』に入塾して2年間研修し、卒業検定に合格することが一番の近道になる。前者はもう無理だ。後者の『明日の農業担い手育成塾』に入塾するにも審査があるが、代表は既にその条件を満たしていると見なされ、64歳までという年齢制限もすんでのところでクリヤーできたので、あとは市の面談を受けて書類を作るだけということだった。

 塾は、自分の借りている畑ないし田んぼがJAが借りて代表に貸すという形になり、そこを使って耕作して作物を栽培しJAの直売所などで販売する。時々研修会やイベントに参加し、その内容と売り上げ実績で塾長になった方の評価を受ける。それだけ、というと語弊があるかもしれないが、代表がやることはこれまでと何も変わらない。研究を続けながら作物を作り、それに販売が加わるということ。売上額の設定があるため販売がノルマになる部分はあるが、不可能なレベルではない。とりあえず2年の間塾生として真面目に農業に取り組めばいいだけで、いずれ通らなければならなかった道だと考えれば覚悟もできる。いいよ。やってやろうじゃないの。

 それにしても、ワンダーな展開だった。だが、甘えさせてもらうのもここまで。ここから先は自分の力で勝負して行きたい。

バインダーないなー。そうだ、もらえバインダー!

 バインダーを調達した。バインダーとは「バインダーないなー。そうだ、頼めバインダー!」のバインダーではなく、稲を刈り取って束ねる農機具のことだ。

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 扱い易い一条刈りの小型機で、過剰に電子化されていないので壊れても修理しやすいのがいい。長く使い続けられる。代表が米作りをやると知った同級生が、研修先で放置されていたのをもらってくれた。持つべきものは友だちだ。

KANPAI 2018

 寄居町で就農研修中の同級生のところに行く時、丘の斜面に不思議な景観の畑があって気になっていた。ある時、道を外れて近づいてみると、それが葡萄畑であることがわかった。不思議だと思っていたもの(物体)は、葡萄の木をアーケードのようにカバーしたビニールの屋根であった。丘の斜面にたくさんの川が流れるように、幅3メートルほどのビニールルーフが並んでいる。それが、そこ以外では目にしない景色を作っていた。

 なんでこんな面倒なことをすんの?と思って情報をあたってみると、どうやらそこはワイン醸造用のブドウを、農薬を一切使わないで栽培しているらしかった。農薬を使わないで害虫にアタックされず病気にもかからない手法を模索した結果、葡萄の実が生る部分を雨からビニールルーフで守る、という形態を考え出したみたいである。ビニールハウスみたいに全体を覆うよりはコストが安く、畑作業もやり易く、自然な環境も保てるからいいだろうと思った。アイディアとして面白い。が、ビニールの屋根を支える柱は頑丈で数も多いから、ビニールハウス並みの投資が必要だったんじゃないか、と思った。真似したいと思ってもなかなかできないやり方である。

 先日その畑の前を通った時、『自社醸造ワイン』という文字が見えたので、飲んでみたくなってハンドルを左に切って、ワイナリーのまん前の駐車場にKトラを乗り入れた。売店は小さくて、ワイナリーオリジナルではないワインやジュースや有機農産物及びその加工品がきれいに並べられていた中で、自家醸造ワインというのを捜して一本買った。

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 小公子という野生の葡萄系の品種だけを使っているらしい。発泡しているため、蓋はビールと同じタイプ。375ml瓶1800円。独特の景色、及びこの値段の価値は飲んでみないとわからない。今度家族が集合した時に開けて乾杯したいと思う。

  

なんじゃこりゃ

 流れた血が固まっているのかと思って代表も固まってしまった。生まれて64年、記憶が芽生えて60年で初めて見る生物だ。苦労して調べると、コウガイビルという扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目コウガイビル亜目コウガイビル科コウガイビル属に属する動物だというのがわかった。

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 珍しい種類で詳細は不明らしく、ヒルなのに人間の血を吸うような行動はしないらしい。雌雄同体で、表面は粘液に覆われ、触るとくっつく感じがしたり体の一部がちぎれてまとわり付き、体の長さは1mを越えることもあるというんだが、そんなのに遭遇した日には気持ち悪くてひっくり返ってしまうよ。

 肉食だそうで、ナメクジ、カタツムリなどを食べてくれるのは有難い。踏み潰すのは止めよう。

 

ちんぷんかんぷん

 今一度さつま芋を植えた畝の内容を整理すると、こういうことだった。

 最初に「紅あずま」の苗を50本植えた。それが畝1と2。植えた後で雨が降ってしまい、状態が悪かったので念のためにもう50本「紅あずまを」植えた。それが畝3と4。

 それで充分だったんだが、農大の同級生にぼかし肥料と液肥の作り方を教えに行った時に、種類の違う苗を貰って帰って植えた。「紅はるか」と「シルクスイート」と「パープルスイート」の3種類。

 「紅はるか」が本命で本数も多かったので、畝1から4の「紅あずま」の苗が枯れてしまった所とその続きに植え、畝5に「シルクスイート」、畝6に「パープルスイート」を植えた。

 それで終わるはずだったんだが、同級生から「紅はるかの」が実は「ほっこり芋」の苗だったと連絡が入った。もういいよと言ったんだが、申し訳ないのでなんとしても「紅はるかの」苗を届けるから植えてもらいたいというので、またわざわざ花園までもらいに行って、急遽新しく畝を作って植えた。それが畝7だった。

 だから3畝と4畝の最初のところを掘ってみた時に種類が違ったのは、カインズホームの苗のせいではなくて、「ほっこり芋」を補植したからだった。ようやく思い出した。

 だがしかし、畑は一面弦まみれだし溶けた苗もあるし既に掘ってしまったのもあるしで、全然訳が分からなくなってしまった。

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 一株一株見て分けるしかない。記録にも手間がかかる。これは面倒なことになった。教訓としては、一本の畝で似たような芋を混ぜて植えては駄目ということだね。

 上の写真は「シルクスイート」。丸いからわかりやすい。

1,2,3...沢山沢山

 さつま芋掘りを開始したんだが、株の数が合わない。

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 代表の記録だと6畝になっていたが、7畝あった。1畝から4畝まで紅あずまを植えたはずなのに、1畝2畝に対して3畝と4畝の種類が違う。苗を購入したカインズホームのミスか?また、1畝から4畝の中で枯れた株があったり苗が足りなくて空いた場所にほっこり芋の苗を植えたんだが、どこなのかが定かでなくなった。

 仕方がないので片っ端から1,2,3...と虱潰しにチェックしてみたが、あまりにも沢山(150株以上)あるし、溶けてしまった苗もあったりしてまた数が合わない。代表はこういうことがきちんとしていないと気が済まないタイプ。それに、データがいい加減になってしまって使えなくなるのが悔しい。

 どうするか?もう一日這いずり回って考えよう。

ゲゲゲの代表

 畑Bに墓を作った。

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 おそらくこのまま行くと、代表は畑で倒れることになるだろう。良く晴れた五月のある日、雲雀の声に包まれながら代表の意識は遠のく。代表は用意したこの墓に自ら歩み寄って、重ねてあった柴木やゴミの上に静かに横たわり、そのまま息絶える。

 2、3日川越の自宅にも川内村にもいないとなれば、いい加減代表の家族も気付いてここに来るだろう。そして、薫風で程良く乾いた代表の躯を発見する。あとは火を着けるだけ。代表の体は灰になって風に飛ばされ畑に返され、カリウムとカルシウムがじゃが芋の炭酸同化を促し豊作をもたらす。理想的だ。

 これを墓と呼ぶかゴミ焼き場と呼ぶか、はたまたカリウム生産工場と呼ぶか、結局のところ生体ないし死体を燃やして灰にする施設なのでどう呼んだってかまわない。代表としては、ここで燃やされる全ての生き物に敬意と弔意を表して" 墓"と呼びたい。

 何度か書いたように、代表の農法ではカリウム単肥が絶対的に足りなくなる。確かに、有機農業でも使える硫酸カリとか塩化カリとかの肥料がある。が、それらを使った場合、カリウム分が作物に吸収された後に硫酸が残り塩が残る。そのために次の作物を作るときにそれらを中和する必要が出てくる。したがって、また石灰だとか色んなものを畑に入れることになるわけだが、代表は余分な物は極力入れたくないし無駄なことはやりたくない。カリウム単肥としての製品があるといいんだが、今の世の中に存在しない。だから、代表の使い方に即したものは代表を燃やした灰か草木灰しかないのである。

 この草木灰を手に入れるために代表はあらゆる努力をした。木炭を製造販売しているところなら灰が大量に出るだろうと思ってあたったんだが、技術改良が進んで出る灰が少なかったり、生産現場からの輸送費の問題があったりして駄目だった。薪を燃料としている銭湯なら...と、近辺の銭湯を片っ端から訪ねた。灰は大量にあったものの、家屋の解体で出る廃材や輸送で使うパレット等も燃やしていたため、残念だが有機農業では使うことができなかった。国内外の肥料メーカーにも問い合わせたが、東南アジアのヤシの木林を燃やせばできる程度のレベルであった。本気で火葬場まで行こうと考えた末に、火葬場的な施設を自分で作るしかないという結論に至った。そのプロトがこの墓だ。

 早速、あずきや落花生の残渣、周りの林の木の枝などを燃やしてみよう。
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田んぼA

 米を主食とする日本人として、また、農業に携わる者として、ついでに、エンジニアとしての興味から、一度は稲作を経験してみたいという気持ちが強い。農大で学ぶ以前は全くそういう考えは無かったんだが、勉強するうちに、食に関しても技術に関しても、そして文化という面においても、日本の核になってきたのは稲作だとわかり、本質に迫るにはやってみる以外に道はないと思い、だんだんそういう気持ちになっていった。

 卒業してすぐにチャレンジするつもりでいたが、新しく借りることになった畑Bへの道や橋の整備に手間取って、それを終えた時には田植えの準備をするには遅過ぎる時期になってしまっていた。借りようとしていた田んぼもかなり荒れた状態だったため、今年は諦めざるを得なかった。無理して始めたとても失敗していたと思う。ものには流れ、時期というものがある。逆らって進めてもうまく運ばないことが多い。

 来年、代表が米作りに挑む予定の田んぼAの候補地はここ。畑Bから車で6,7分の場所だ。

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 大きさは2反あり、耕運機と手作業でやるにはちと厳しいが、頑張ってできない広さでもないと思う。あとは代表の決断次第。

 畑作において代表は革新的な手法を創出し、課題もたくさん見つけた。農具に関しては、日々新しいアイディアが湧いて溢れ返っている。ここにもたくさんの可能性が埋もれている予感がして、それらを根こそぎ掘り出したいという欲求が代表を包み、押さえがたい。今代表の頭はグツグツ沸騰し、モウモウと湯気を立て、耳から蒸気が吹き出している。

2倍2倍

 落花生の試し掘りをしてみた。右がナカテユタカという普通の落花生で、左がオオマサリという品種。ナカテユタカは昔からある馴染の落花生で、オオマサリの方は10年くらい前に品種改良で産まれた大粒の落花生。大きさも甘味もナカテユタカの2倍。

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 それぞれに対して、空の莢を少なくして実を充実させる方向で肥料をやって来たんだが、思ったほどうまく作用しなかった。普通の出来。豆類は根粒菌が介在して自ら肥料分を調達するので難しい。来年もう一回やり直しだ。

ひらひらボロボロもそもそバラバラメリメリばんばん

 畑Aのプルーンの花が今頃になって咲いた。狂い咲きというやつか。

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 今年は150程の花が咲き「豊作か?」と期待したんだが、天気のせいか肥料のせいか、はたまた虫のせいか、原因がはっきりしないが、一度は実を付けたもののほとんど落下してしまって、収穫間近まで育ったのは20くらいしかなかった。それさえもあらかたドウガネブイブイに食われてしまった。ひとつだけでも代表に食わせてやりたかったというプルーンの想いがこの一輪になったのかもしれない。
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真似

 寒いと感じる日もあるようになってきた。寒さで生育が鈍る作物と勢いを増す作物がある。じゃが芋は前者で、寒さ対策の為ビニールトンネルをかけて保温しているが、収穫まで育て切れないかもしれない。ネギは後者で、ようやく元気を出して青々してきた。白菜や小松菜、ほうれん草もこれからだし、ニンニクやラッキョウ、玉葱も寒さの中でも伸びるので、まだまだ畑は緑色だ。

 虫も少なくなってきた。甲殻類が姿を消しつつある。しかし、モンシロチョウがまだヒラヒラしているし、コオロギやバッタの勢いは衰えを見せない。ヨトウムシや毛虫の類も相変わらず食害してくれる。野菜がある所には必ず虫が食いに来る。

 そんな中、代表の考案したコオロギコイコイ完成型が効果を発揮している。土の下から穴を掘って防虫ネットの中に侵入するコオロギ、その他の虫を確実に捕獲することができている。

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 素晴らしい装置だ。これを置いておくのと無いのとでは作物の出来に雲泥の差がある。まだ改良の余地があり、新たなアイディアも次々に浮かんでくるが、代表の農法に欠かせない重要なアイテムのひとつになっている。いずれこれらを体系化商品化して大儲けだ。がはは...。

 ところで、最近、代表の畑仲間の中に代表のやり方を真似る者が出てきた。
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畑でオセロゲーム

 畑Bの南側はI氏が稲作をしている田んぼで、その向こう側がN氏の畑。その先は堤防、さらにその先は川だ。

 I氏から稲藁をひと山もらったので、お返しに籾殻燻炭を焼いて田んぼに入れてあげる話になった。

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 ところで、この辺りの農地は、1反前後の大きさでオセロの盤目のように持ち主が違い、入り組んでいて代表もよく把握できていない。とっても複雑なんだが、I氏はこの田んぼをN氏から借りており、N氏はまた自分が耕している畑は他の地主から借りている。

 代表がI氏の了解をもらって田んぼで燻炭を焼いていると、地主のN氏が現れて「ここは来年じゃが芋植えるからよ」と言った。前日I氏と話をしたときにはそんなことは話題にならなかったので、今朝までの間にそういうことになったんだろうと独り合点した。

 「そうなんですか、ここじゃ水浸しになっちゃうから、じゃが芋は難しいんじゃないですか?」なんて話ながら、少し先の畑で家庭菜園を楽しんでいた老夫婦が、同じように急に地主から畑を返せと言われて困惑していたことを思い出していた。そういうことをやられては可哀想だ、とN氏も同情していたのだが...。

 そこへI氏が現れた。N氏は、I氏にも「ここは来年じゃが芋植えるからよ」と言った。I氏は「えっ!?」と驚いた顔になり、そのあと不快な顔になった。I氏もその時に初めて聞かされたらしい。老夫婦に同情し、地主の横暴を非難していたN氏が、目の前でその地主とまったく同じことをやっている。農地ってこうやって切割り切ってり替えていかないといつまでも引きずってしまって駄目なんだろうなと、代表は気まずい二人の間に立ちながら理解した。

 この連鎖でまたどこかの白い駒が黒になったり黒い駒が白くなったりするんだろう。そういう時期でもあるんだろうね。どうか代表の畑には影響が出ませんように。燻炭を片付けながら代表は祈った。

期待外れ

 カエルは一日に20匹のカメ虫を食ってくれると聞いていたが、嘘だろう。代表が観察した限り、カエルたちは捕食行動をとることはなく常時寝ていた。トヨタのシエンタのような顔して。

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 カエルの他にもヘビ、トカゲ、カマキリ、蜘蛛、てんとう虫など、害虫を食ってくれるはずの生物が無数にいたが、害虫を捕らえた場面には出くわさなかった。減った感じもしない。害虫の数の方が圧倒的に多かった。

 結局、気まぐれな生き物に害虫駆除をお願いしたり期待したりするやり方では作物の食害は防げないという考えに至った。

やっぱり弦呆けだった?

 さつま芋の試し掘りのドキドキも収まったところで、もう一株掘ってみることにした。残りの株が弦呆けでないことを確認しておきたかったからだ。結論から言うと、やっぱり弦呆けだった。

 だが、いわゆる弦だけ繁って細く小さい貧弱な芋がぶら下がった弦呆けではなかった。言うなれば新しい弦呆け、代表が初めて目にする弦呆けの形態だった。

  おかしいなーと思った。二株目を掘るのに昨日の弦の残りを引っこ抜いたら芋が付いて来た。何事か?と手当たり次第にスコップを入れると、中くらいのさつま芋が新たに6個出てきた。試し掘り1回目の株は30個近い芋数になり、重量が8キロに及んだということだ。穫れ過ぎだ。生り方もおかしい。

 そこで代表は、もしかして弦呆けした芋が育ったんじゃないか?という仮設を立て、化石を掘るように、弦をたどりながら掘り進めてみたらその通りだった。
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さつま芋掘りはいつもドキドキ

 アッピア街道から代表の畑Bに入ると、左手にさつま芋の畝が見える。一面葉っぱで埋め尽くされた状態だ。

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 葉っぱを食用とする作物なら豊作と言えるが、さつま芋の場合はこういう状態をツルボケ(弦呆け)と言って、不作の典型的な姿とされる。

 つまり、本来食用とする芋の部分に養分が蓄積されず、葉っぱばっかり育つのでこうなってしまうからである。葉っぱの威勢が良いので喜び勇んで茎を引っ張ると、あれあれ、細い10センチメートルほどのすじ状のさつま芋がポツンポツンと1、2本抜けてきてがっかりさせられるのが通常だ。

 それを防ぐ技術手法が弦返しというもので、弦が勢いを増して、その節々からの根が地面に入って行く時を見計らって剥ぎ取り勢いを弱めてしまう。そうすることで、炭酸同化して作った炭水化物を葉っぱの増産に使わせないで根に貯めさせようとするわけなのである。

 が、代表はそれもやらなかった。ということは、不作が決定したも同然。掘るだけ無駄のさつま芋。眺めるたびに虚無感に包まれてしまう、さつま芋が元気なのに代表の方は元気が無くなる、そういう場所になってしまっていた。

 唯一の希望は、代表の考えた農法に従って肥料をやって来たこと。最後のカルシウムを与える時には足を踏み入れることさえできなくて葉っぱの上から花咲かじいさんが灰を投げるみたいにして撒くしかやりようが無かったが、それでもやり切ったという感はある。それに、弦と葉っぱは良く出来たから弦と葉っぱは飽きるほど食えた。旨かった。

 そうは言ってもいつまでもこの状態のまま眺めているわけにもいかない。弦と葉っぱは穫れたし、来年大豆を播くための肥料抜きだったと思えば空しさも半分にできる。一番の収穫は、さつま芋における代表の理論がどうなのか?がはっきりすること。失敗もまた成果。それに尽きる。と、自分を納得させながら一株だけ試し掘りしてみた。

 一株の弦だけでネコ車3杯分もある。こりゃ完全に駄目だわ(笑)。失敗失敗。こりゃ失礼しました。

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 と思いきや...、
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ザ・ピーナッツを守れ

 畑Bの落花生の周りに張ったネットが台風19号の風で倒れてしまった。

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 落花生を狙っているのはカラス、狸、ネズミ、アライグマなどで、カラスとネズミは被害が少ないし、防御しようとすると費用がかかるのでコスト対効果の面で効率が悪いから外して、やられると被害が大きい狸とアライグマ対策に絞った。最終的には電気柵で防御する考えでいたが、それではただ落花生に近づけさせないというだけで、狸とアライグマの数は減らないので根本的な対策にならない。

 そこで、ネットを張って様子を見ながら箱罠で捕獲する作戦にしたんだが、その辺のあり物やカインズの安物を支柱にしたものだから簡単に折れてしまった。やっぱりやることは徹底してやらないと駄目だというのが今回学んだ教訓。中途半端は結局手間も費用も増える。

 しかし、あと半月足らずで収穫なので、その間に台風が来る確立は低いと予想して、また中途半端に修理して周りには箱罠を仕掛けておいた。

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 狸かアライグマかわからないが、アッピア街道にひってあった糞を見ると柿の種が見えた。

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 こいつらは収穫物の一番美味しい時を知っていて狙うから、今は食べごろの柿をたらふく食って、次は落花生をアタックに来るだろう。すでにネットの周りには狸とアライグマの足跡が付いている。大事に育てて来た落花生、一粒でも食べたら絶対に許さない。

代表の頭がおかしい!?

 最初に家内が代表の頭がおかしいと言った。そんなことは無いだろうと思っていたが、次に娘(長女)が「お父さんの頭、変だよ」と言い出した。さすがに心配になって、写真を撮ってくれと頼んだら、面倒くさそうにソファーに座ったまま写したのがこの写真。

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 「死んでんじゃん!」。代表の頭に天使の輪ができていた。

 「そこじゃなくて、日焼けの跡!」と家内と娘が言った。確かに、キャップのラインで頭部がバッチリ二分割され、上部にはキャップの窓の形の焼跡ができていた。「おかしい?」と聞き直すと、「おかしい!」と声を揃えて言う。耳の上辺りで色が違っていることは気づいていたが、まさかこんな頭でこんなTシャツ着て世間を闊歩しちゃってたとは...。迂闊だった。

 どうすりゃいいんだよ。畑仕事を止めるわけにはいかない。髪を伸ばすにも限界があるし、ていうか不可能だし、いつもキャップ被ってるわけにもいかないしなー。そうだ。ほんとに頭がおかしくなればいいんじゃん。別に今に始まったことでもなし。というわけで、頭がおかしい代表よろぴく。

 

コオロギコイコイ完成

 今日は朝から雨だったので、日がな一日家の中でコオロギコイコイの改良に取り組んだ。そして、ついに完成。これがコオロギコイコイ完成型だ。

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 プロトタイプと大きく違うのは色。コオロギホイホイ及びホホイノホイまではペットボトルを利用していたため透明だったが、コオロギコイコイから段ボール紙を使うことになって光を透さなくなった。それがどう影響するか確認したわけではないが、虫の気持ちになって考えると、やっぱり暗い所は怖いだろうと思った。実際、黒色は虫を誘引し難く、橙や黄色や緑色は虫を惹きつける。そこで、光を透しつつ尚且つ虫にとって馴染の緑色の素材のプラスチックダンボールに着目した。いい感じ。さながら木漏れ日の中に居るかのような雰囲気を醸し出している。若干四角形が傾いてしまっているのは、右側と左側で曲げの数が違うからだと思われるが、微調整すれば直せるだろう。

 展開するとこうなる。
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ぱっつんぱっつん

 今年の主役ではないけど、脇役のホープ的なポジションとして落花生を育てている。もちろん栄養周期理論的な手法を試しながら。 

 全部で100粒以上播種したが、芽が出なかったり虫に食われたり枯れたりして残ったのは60株余りになってしまった。したたかな強さがある反面デリケートなところも持ち合わせた作物だった。来年は本格的にトライする予定だが、生存率100パーセントを目指してプログラムを見直さないといけない。

 収穫をいつ頃にしたらいいか判断するために一株試し掘りしてみた。殻に豆が収まらないくらいに大きく育っている粒もあった。ぱっつんぱっつん。 コルセットを着せた渡辺直美みたいだ。

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 そのまま口に入れてみると、渡辺直美と違ってアクも油っ気もない、甘くもなく、これといって自己主張のない普通の味だった。食べ物もお金も住む所の心配もなく、穏やかに育った、品行方正成績優秀スポーツ万能、おまけにスマートな美男美女のような味わい。ナチュラルでいい感じだと代表は思う。方向性としては間違っていない。

 収穫は10月末頃に決め。

予定変更の変更

 明日何が起こるかわからない。少し頑張ればできることは今日やってしまおう。というわけで、アライグマには申し訳ないが、また気が変わって予定を変更して、朝方早く起きて畑の作業を片付けて、結局今日、国際次世代農業EXPOへ行ってきた。いやー、幕張メッセは遠いよ。家を出てから展示場に足を踏み入れるまで2時間半もかかった。電車は満員だし、疲れた。

 この展示会では現在の農業に関するほとんどの商品と情報を見たり聞いたりすることができる。もっと早く、農大に入る前に来たかったんだが機会を逸した。しかし、勉強して初めて理解できるようになったことが多く、その時に来ていてもほとんどわからなかったと思う。ただ、今となっては今度は分かり過ぎて、代表にとって新しいこととか夢を感じるようなものは無く寂しかった。どの業界にも言えることだが、業界内の狭い世界だけで思考して煮詰まってしまっている。発展性が無い。硬直している。まあ、それがわかったのも収穫の内で、早く代表のアイディアを商品化して刺激しないとダメだと感じた。

 唯一面白いと思ったのはDAYTONAの耕運機。

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 えー、なんでDAYTONAのブースがこんなとこにあんの?と、一瞬モーターショーに来たかのような錯覚に陥ったが、紛れもない、バイクファンにはお馴染み、あのオートバイのカスタムメーカーのDAYTONAが、社長の趣味の家庭菜園に合わせた耕運機を開発商品化していたのだった。みんな知ってた?

 さすがDAYTONAだ。他のメーカーの耕運機とは一味も二味も違った。なんとサスペンションが付いている!この機構により軽い力で深く安定した耕耘が可能になるらしい。バネレートやプリロードもアジャストできるらしく、ハンドルにはブレースまでが付いている。まるでバイクじゃん(笑)。

 いやいや笑い事ではない。耕運機を使ったことがある人ならわかると思うが、代表の耕運機だって操縦安定性が悪く、ローリングしながら右側にズサってしまって扱いにくくて困っているんだよ。それを力尽くで押さえながら運転し続けないといけないのでとっても重労働なんだが、これらの組み合わせだったらそういうことにならないで済むと思う。第一楽しそうだし。今後、DAYTONAの形が耕運機のスタンダードになって行くんじゃないだろうか。

 農業に興味を持ち始めた他業種こそが新しい視点、アイディアでパラダイムシフトを可能にする好例だね。ついでに捕捉しておくと、エンジンはホンダの50ccで、価格が12万円らしい(安い!)。

 ほとんど栄養分の無い水分が99パーセントを占めるただの葉っぱを作るための何億円もの生産設備だとか、わざわざ病気になるような環境で育てさせておいて元気になる薬物を売るとか、壊れやすい農具を安く売るとか、代表からすると疑問のコンセプトが多く見られた展示会だったが、そういう情報に流されずにしっかり現実を見て、自分の頭でとことん考えることが大事だと思った。

予定変更します

 明日(10日)と明後日の予定を入れ替え、国際次世代農業EXPO行きを11日(金)にします。また、12日以降の予定を大幅に変更します。まだはっきり決めてないけど。

 当たらない天気予報だが、金曜からの雨天は避けられそうになさそうだ。そうすると、雨が降る前にやっておかないといけないことがたくさんあるので、明日中にやることにした。代表が予定を変えたって影響があるのはもうすぐ収穫の落花生を狙っているアライグマぐらいのものだろうけどね。

 里芋の収穫まではあとひと月余りになったが、葉っぱばっかりでかくなって芋が出来ていないんじゃないかと心配になって試し掘りしてみた。右側が慣行農法の株で左が代表の農法の株。差は歴然。断然代表のやり方の方が芋が多い。

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 うまく行きそうだから言うわけじゃないけど、やっぱり作物が喜ぶやり方を追求しないとダメだと思う。今売られている野菜のほとんどは喜んでいない。ように代表には見える。

コオロギコイコイ試作

 本日の川越は昼前まで小雨が降った。珍しくこの時期らしい涼しさだったが、まだ温い。代表が子どもの頃はプロ野球日本シリーズと言えばすでに紅葉の時期で寒かった。あらかた葉を落とした柿の木に赤く熟れた実がぶら下がっていた記憶がある。日本も変わった。まだTシャツ一枚で過ごせる。10月一杯はTシャツで大丈夫だと思う。

 今日は畑仕事を休みにして、一日部屋に籠って、頭の中でボヤーっと描いていたアイディアを形にしてみた。コオロギホホイノホイの改良版、名付けて『コオロギコイコイ』だ。因みに、右手奥に見えるのは、以前娘(長女)が段ボールを切り取って作った猿、じゃなくて代表の顔。家族は「似てる」って言うけど、自分は似ていないと思う。

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 コオロギコイコイの本体は一枚のシートでできていて、広げるとこうなる。
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コオロギホホイノホイの次

 元肥を使わない方法は、発芽期幼苗期において害虫に強いことがわかってきた。虫に食われにくい。虫を呼び寄せないのだろうと考えられる。理由は、虫が求める窒素を体から出していないからだ。代表が元肥を使わない一番の目的がここにある。

 しかしながら、食害がゼロになるわけではなく、そのままでは根部葉部共に被害を受ける。根部は地中のワーム類によって、葉はコオロギやバッタや甲殻類の昆虫によって。また、肥料をやり出すと、肥料の臭いや葉から滲み出る窒素の臭いに反応して害虫が集まり出すので、どっちにしてもそのままで無傷の作物を育てることは不可能だ。

 地中のワーム類に対しては、太陽熱による土壌消毒が効果が大きいことがわかった。コオロギやバッタや甲殻類の昆虫に対しては、防虫ネットで覆うことでかなり抑制できることがわかってきた。防虫ネットで覆って、その裾に土を被せたままにしておけば、コオロギなど穴を掘って侵入するものを除いて、入ることができない。

 それなら半分くらいは助かって美しい野菜ができるだろう。だが、ここで栄養周期理論の弱点が顔を出す。頻繁に肥料をやらないといけないため、防虫ネットをしょっちゅう開け閉めしなければならず、裾に土を被せたままにしておけないのである。また、代表が目指すのはあくまでも100パーセントの生存率。全ての野菜を無傷で育て上げたい。

 そこで考案したのが殺虫剤を利用したコオロギホイホイだった。ただ、それだと虫が殺虫剤を持ち出して畑を汚染するため、粘着マットと組み合わせて害虫を捕獲できるようにしたコオロギホホイノホイに改良した。効果は抜群で、作物の生存率は大幅にアップした。下の写真は小松菜だが、この時点で食害による葉の穴開きは一ヶ所も無し。

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 そして、捕った虫虫虫。

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 素晴らしい性能だ。

 だが、コオロギホホイノホイにもふたつの問題が浮上した。ひとつは、ネズミとり用の粘着マットを切り取る時にカッターや手がべたべたになってしまうこと。もうひとつは、扱っているうちに転がって殺虫剤をこぼしてしまうこと。この二点を解決しないと規模拡大に追従できない。

 手がべたべたにならず殺虫剤をこぼさないためにはどうしたらいいのか?パーフェクトなゴキブリホホイノホイを考えないといけない。

稲藁

 農業の話はしない隣の田んぼの人から稲藁をもらった。約1反分。それを畑Bの倉庫の脇と、この畑Aの作業場に半分ずつ分けて重ねて仕舞った。来春使うために。

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 畑では藁をマルチ(土俵を覆うこと)に使う。例えば西瓜を植えた時などに、雨滴で跳ねた土で弦が汚れないように西瓜畑全面に藁を敷く。トマトや茄子の株の周りにも敷く。そうすると、泥がかからないことと土が乾きにくいために果菜が病気になりにくい。収穫が終わったら燃やしたりそのまま畑に漉き込んで肥料にしたり、堆肥に混ぜて充分腐らせてから使う。

 代表が子どもの頃まではどの農家でも藁を利用していた。親戚に泊まりに行くと、綿の代わりに藁を入れた藁布団に寝かされたことを思い出す。納屋一杯に藁を保管して置き、家畜小屋の敷き藁にして糞と絡めたあと山積みにして堆肥にもした。そして、藁が積んである場所は子どもたちの隠れ家であり遊び場であった。藁の臭いを嗅ぐと皆貧しかったが逞しく暮らしていたその頃の記憶が蘇る。昔は良かった。

 ところで、昔の藁束は投げて遊べたが、今のはできない。何故かというと束がユルユルで投げたりしたらバラバラになってしまうからだ。何故ユルユルなのかというと、バインダーという機械で刈って束ねるからだ。昔みたいに手で刈って藁で結わくのではなく、細い麻紐で自動で丸める。だから緩い。緩いとこうやって積んでも崩れてしまうので、代表は一束一束藁を補充して硬くして積んだ。大変だった。

 こういうところも改良したいところなんだが、今やコンバインという機械が主流になって、藁なんて千切って田んぼに散らしてしまうので束ねることさえしない。だから稲藁も希少になって、ホームセンターで一束100円前後で売られるようになった。野菜を作るより稲藁売った方が儲かるというおかしな時代になった。今日の締めとしては、何が正しく何が間違っているか、自分の頭でしっかり考えないと。裸の王様になって踊らされていないか?という話だね。

代表の10月の予定

 栄養周期理論の代表アレンジ版で白菜を作るったらどうなるのか?できるのか?できないのか?できた場合はどれくらいのレベルになるのか?今年後半の重要なテーマなんだが、種を植えてから1ヶ月余りの状態としては非常に良好である。

 これから結球の段階に入るんだが、肥料が足りなかったりすると結球しないこともある。また、虫に食われてボロボロになる可能性もある。そうしたら失敗だ。結果が出るのは11月中旬。その時はもう木枯らしが吹き始める。

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 代表の10月の予定です。
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三十日大根卒業

 この間の三十日大根と一体何が違うのか。違いが伝わらないかも知れないが、形、大きさ、味共に良く仕上がった。自分としては及第点をあげたい。三十日大根は卒業だ。

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 改めて思ったのは「土」「肥料」「タイミング」の大切さ。特に肥料については、草体に合わせて適量ずつ与えるのがいい。手間はかかるが、毎日一本一本健康状態を観察しながらご飯をあげる。人間と同じだ。勉強になった。ありがとう、三十日大根。

畑D

 現在代表は3か所の畑を耕していて、便宜上それぞれ畑A、畑B、畑Cと呼んでいる。

 Aは代表が農業を始めるきっかけになった川越の80坪余りの畑で、3年かけて土作りをしたおかげで、ほぼ思い通りに作物が育つようになった。畑Bは今年新たに研究用に借りた1反なんだが、土作りが思ったように進まず、従って研究も若干滞り気味になっている。畑Cは親父が野菜作りのために山だったのを開墾した150坪程の川内村の家の所。

 代表は、だいたい3年くらいで川越から川内村へ農業の基盤を移そうと考えていて、畑A,Bで農大のやり方を再現しつつ新しい農法の研究をして、更にそれらを川内村で展開するための確認用として畑Cを使う予定だった。しかし、畑Cの土が悪い上に狭いという問題があり、将来のことを考えてもっと広い畑DやEを確保する必要があった。なかなか思い通りにいかない。

 「使っていいよ」という話がいくつかあった中で、当面、親戚の農地の内の2反弱を借りることになった。ここいらが川内村の新しい畑、Dだ。

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 山間の5町歩程のタラの木畑の一角で、土はひじょうにいい。但し、猪が多いから電気柵は要る。まあ、今の浜通りで猪が出ない場所は皆無なので、ここら辺で農業をやる以上はそうする以外に選択肢は無いけども。川越だってアライグマや狸の対策は必要なんだし、日本中どこでも似たようなもんだ。割り切ってやるしかない。この秋から、親戚の作物の肥料設計などを手伝いながら研究を続けることになる。

 だが、まだ足りない。川越に実践に向けた畑Eと田んぼAが、川内村にも畑Fと田んぼBが必要ないんだが、あんまり急に増やしてもなーとは思う。

Kトラのあおりを製作

 Kトラのアオリをかさ上げするパネルを作った。

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 畑や田んぼをやっていると、たまに堆肥や籾殻などを運ぶ必要が出てくる。そのままの荷台では積める量が少ない。それでこうやってベニヤ板を立ててたくさん積めるようにする。

 ところが、ベニヤ板にも色々種類があって、薄いとフニャフニャと曲がってしまって使い難いし、厚いと重くて扱い難い。1センチメートル位が丁度バランスが良い。確かどこかに2,3枚あったはずだと思ったら、親父が畑への通路に敷いてしまっていた。泥だらけだったが、かろうじて腐っていなかったから、積むのは堆肥とかだからどうせ汚れるので、泥を洗い落として加工した。

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 これで荷台からアオリの高さが60センチメートルになった。ベースの約2倍強。ただベニヤ板を立てるというだけでは脳が無いので、パネルが倒れないようにストッパーを、更に持ちやすいように取っ手を付けたのがミソ。実は代表、長年キーボードを叩く仕事を続けたせいで前腕が腱鞘炎気味になってしまっていてコーヒーカップを摘まんで持ち上げるような動作が一番苦手なのだ。痛くて辛い。こんなチンケな突起だが10倍楽に扱える。

 最初はアコーディオンカーテンみたいに折り畳み式にしたらもっと楽に扱えるだろうと思ったんだが、構造がややこしく時間切れで断念。それは次回のお楽しみとしてアイディアを温めておくことにした。