FC2ブログ

2019年08月の記事 (1/1)

色んなやり方がある

 30m×30m。約300坪。これが代表が川越で耕している畑の広さだ。これくらいでも空きが生じないように野菜を作り、雑草が繁茂しないように管理するのは難儀で、相当な手間と時間を費やしている。

 250m×250m。18000坪余り。この気の遠くなるような広さの畑を、ほぼ1人で耕し管理している人がいるなんて信じられるだろうか。しかも有機農業+無農薬で。アンビリーバブルな話だが、実際にいるのである。近くの町に。今日はその人の畑を見せてもらい、話を聞かせてもらってきた。

 この方の農法は、種を蒔いたら収穫まで一切手をかけないというのが基本。そのために、それが可能な作物に絞り、雑草が生えない処理、生えても影響が出ない工夫を徹底する。下の写真は畑を透明なビニールで覆って太陽熱を使って土壌消毒しているところ。

  2019083101.jpg

 いやー、代表の畑とはスケールが違う。やるならこれくらいパーペキにやらないと、中途半端じゃだめなんだなという感じ。

 一部の例外(高値で売れるイタリアンハーブとか)を除き、だいたい収穫は1回で終わらせて、それも機械で作業。選別も袋詰めも機械。モロヘイヤなんかもお茶の葉みたいに機械で刈り取り、それで収穫は終わり。後から伸びて来る葉は使わないらしい。支柱が必要な果菜類とか豆の類は栽培しないし、肥料は無料のチップ堆肥に無料の米糠を少し混ぜただけのものという、超合理的超経費節減超メリハリの経営。並みの人ではできない。代表も驚きのパワフル且つフレキシブル思考の稀有な方だった。勉強になった。

 代表が取り組んでいる栄養周期的有機農法も、こういう人たちに「使いたい」と言わせられるような形にならないと世の中に認めてもらえないと思った。絶対にそうするぞと心に誓った。

酒は氷で

 酒はずいぶん飲んだ。もう東京ドームのグランド一杯分くらいは飲んだかもしれない。だからもう飲まなくてもいいんだが、やっぱり偶には飲む。暑くて汗をかいた日なんて冷えたビールをクーっとやりたくなるし、次の日に予定の無い前夜なんかには焼酎とか日本酒とかをチビチビやりたくなる。長い間の習慣で体の方が条件反射で酒を求める。

 ところで、ビールや日本酒を呑む時に「氷を入れて呑むと美味しいらしいよ」と家内が言うので、「薄まっちゃって不味くなっちゃうだろ」と思いながらこの夏にやってみたら、本当に美味しかった。冷たくて気持ち良かった。薄まるのでアルコール分が程々に弱くなるのもいい感じ。

  2019083001.jpg

 氷を大きく作ってコップに入れて酒を注ぐと、パキパキと音を立てて氷が割れる。それもまたいい感じ。ノンアルコールビールでもいける。墓に入るまでにもうグランド一杯分くらい飲むかもしれない。

揺らぐ代表の自信

 昨日は一日中勉強した。去年農大で講義を受けた肥料や土壌のことや栄養周期理論に関する本を読み返した。なんでかというと、雨が降って畑に入れなかったことに加え、今度の土曜日に寄居町のとある大きな有機農場を見学させてもらうことになったから。普通だったらこの超忙しい時期に広い農場を案内してもらえるなんてあり得ない。そうしてもらえることになったのは、その農場で研修中の同級生が、「変わり者がいる」と農場主に話をと通してくれたからだ。恐縮だ。失礼があってはいけない。

 そういうことで、改めて栄養周期理論の資料を読み返すと、代表がやろうとしているようなことはやってはいけないと書いてあった。つまり、指定の肥料以外の肥料を使ってはいけない、と。そういうことをすると肥料を効かせたいときに効かせることができずに狙った効果が得られないばかりか、逆に悪い方向に行ってしまうことがある、と。

 栄養周期は、元々葡萄の大粒品種の巨峰を栽培するための技術として考案された理論で、生育が旺盛な性質のために出る様々なマイナスの部分に対して、独特の剪定や細かい施肥の手法でコントロールしようとした。だから、ほぼ一年中即効性の高い肥料をピンポイントで与え効かせることの繰り返しとなっている。おそらく栄養周期理論の通りに巨峰を栽培管理できている人はいないと思う。それくらい複雑で且つシビアな技術なのである。

 その、巨峰ではなく一般の野菜に応用展開した部分について、たった5、6種類の肥料で、しかも、指定の肥料ではなく有機農業で使える肥料に置き換えようと考えている代表は、変わり者と呼ばれても仕方がない。無謀だ。

 ここまでやってみて、確かに、そういうところが、狙った効果が得られないことがないこともなかった。しかし、美味しい野菜ができていることも事実。明後日は、大きな有機農場の、言わば有機農業の王道で育てられた作物と自分の作物をしっかり見比べて、農場の方や同級生と意見交換をして、自分の手法の可能性を見極めたいと思う。

冗談じゃねーよ

 お盆前に一度きれいに除草した畑Aがもう草ぼうぼうになってしまった。野菜は手入れしてもなかなかできないのに草だけは黙っていても育つ。なんとかならないものか。野菜を育てる研究をするよりも、草が食えるようになる研究をした方がいいんじゃないかと思ったりした。

 冬野菜の種蒔きをするために草をむしって準備をしていると、太陽熱で土壌消毒したところを指さしながら畑仲間が「ここは何?ですか」と声をかけてきた。

  2019082701.jpg

 その目的、やり方などを説明していると、土壌消毒した場所でじゃが芋を作ってみてもらえませんか?ときた。畑仲間のじゃが芋が毎回病気に罹るので、土壌消毒が効くかどうか試して欲しいとのことだった。お断りした。実験のために2ヶ月も準備に費やしたのに冗談じゃない。ここは農業試験場じゃねーよ。いや、農業試験場だが、代表個人の試験場で、畑仲間のじゃねーよ。

 みんな興味があることや疑問に思ったことは自分でやってみればいいのにと思うが、まずもって行動しない。それでいて人がやることには意見したり注文を付けたがる。例えば箱罠を仕掛ける時だってあっちに仕掛けろこっちに置けと煩わしいこと夥しい。そんなに仕掛けたいなら自分で資格を取って自分で調達してやるのがスジってもんだろう。まったく困ったものだ。

 もし土壌消毒した場所でじゃが芋を作ってみたとして、畑仲間に報告したとする。そしたら「へー」で終わりだろう。畑仲間にとって無価値に等しい。疑問に思ったことは自らトライしてみる。自分の手を汚す。その試行錯誤の苦労があって初めて己の経験として身に付けることができる。

世界の情勢はどうなっているのかな?

 野菜が作れる地上の表土の層はたったの18センチメートル。土壌だ肥料だ微生物なんだかんだといっても、その僅かな厚さの中での出来事。そこで全てが決まってしまう話なんである。しかし、そのたった18センチメートルで起きていることが人間にはわからない。あまりにも多様なために完全に把握することが未だにできていない。ほんの一部の定性と定量を利用して水耕栽培などをやって先端技術気どりしている例もあるが、レタスは作れてもホウレン草は作れない。まだそういう段階なんである。

 代表の里芋も土の中がどうなっているかはわからない。普通は地上部と土の中の部分とは相似的な形になっているので、地上部が大きければ根も大きいと考えられるが、マルチで育てた胡瓜などの場合に地上部は立派なのにやたら根が貧弱だったなんて経験もある。新しいやり方が災いして葉っぱばっかりでかくなって芋のところに栄養が回っていないことだって充分あり得る。そう思い始めたら心配になってしまって、見ないではいられなくなった。試し掘りするにはひと月以上も早いが、もったいないが、2株掘ってみた。

 下の写真の右側が従来の手法で育てたもので、左側が新しいやり方のもの。同じ里芋の同じような種芋を植えて、同じ肥料をやってこんなにも違う。

2019082601.jpg

 んー、なんだか従来の手法の方が地上部の大きさに対して芋がたくさん付いているような、新しい手法の方には茎の数と太さの割に芋の数が少ない気がするが...。まあ、結論は収穫まで待つしかないというのが結論。

 小さいけれども試し掘りした里芋も食べられる。

2019082602.jpg


神様お願い

 里芋の畝の間に潜り込み、草取りと土寄せを行い、先日間引いた大豆の株でマルチした後、牡蠣殻石灰を少量全株元にかけておいた。蒸れて暑い中を這いずっての作業のため苦しかったが、166株全てやり終えた。これにて里芋の作業は終わり。あとは神様にお任せして、代表は収穫の時が来るのを待つのみだ。

  2019082501.jpg

 4月18日に種芋を植えてから施肥8回草取り7回灌水3回。ずいぶん手間がかかった。里芋に対して初めて栄養周期理論に添ったやり方を適用してみたわけだが、その効果はというと、控え目に見積もっても従来のものとの差異は明らかで、株の高さが30センチメートルも大きいし茎も太い。出来過ぎなくらいだ。栄養周期理論は草体に対して食べる部分の量をできるだけ多くする手法だから、この分だと芋も相当な大きさになるはずだ。しかも、味が良く保存も効くという。

 嘘か本当かは収穫してみないとわからないが、その前に一回試し掘りをしてみようかと思う。

生まれて初めて

 小豆の花が咲いた。この歳になって初めて見た。

  2019082401.jpg

 実は赤いのに花は淡い黄色。丹波黒豆の花は薄紫だったし、白だったりピンクだったりと、豆類の花は小さくて目立たないが、日本的な色という感じがする。それぞれ美しい。

 来年は、豆の花を一面に咲かせてやりたい。小豆の花を見て決心する代表だった。

冷たい汗

 朝から雨。畑はぬかるんでしまって耕しても意味が無いし、濡れた手で作物に触るのも良くない。気持ちを切り替えて、一日かけてここまでの農作業の内容を整理し振り返って見た。試行錯誤の繰り返しで、新たに学んだことが多く、もしも農産物を生産して出荷するようなことを始めていたら大変な事態になっていたなと思って冷や汗をかいた。早く自分の農法を体系化できるように、もっと緻密に、先を読んで進めないといけない。

 足元で猫が寝そべっていた。

2019082301.jpg

 この猫は一日のほとんどをこの場所でこうして過ごし、一旦横になると物が落ちようが頭の近くを代表の足が過ぎようがピクリともしない。ほとんど仮死状態。代表が冷や汗をかいている間中もずーっとこうしていた。

里芋が頑張っている

 暑くて乾いた天気ばっかり続くと思ったら、また雨ばっかりになって嫌になってしまう。畑の土が乾かなくて冬の作物の種蒔きのための耕耘ができない。

 困った天気だが、里芋にとっては良かった。ちょうどカルシウムをやるタイミングで雨になったので、すんなり溶けて土中に入った。また、今回はミネラル分が多い牡蠣殻石灰にしたから、疲れ気味だった里芋がそれらを吸収して一日前とはまったく違う姿になった。息を吹き返した。

  2019082201.jpg

 こいつらも一生懸命やっているんだなーってのがよくわかった。

 里芋にはここまでに7回肥料をやった。ふつうは元肥と追肥1回の合わせて2回だけで、それも全面全層に肥料を混ぜることが前提になっているから一度に大量の肥料を投入する。代表は元肥をやらない方針で、尚且つ株の根の範囲だけに肥料を置くやり方だからトータルの肥料量は少ない。ふつうのやり方の5分の1くらいで済む。

 7回の内、窒素を与えるためのぼかし肥料や液肥を使ったのは3回、リン肥のみの施肥が1回、カリ肥が2回、そして、今回のカルシウム肥料である。ぼかし肥料や液肥は6月末まで株の大きさに合わせて施して終わりにして、それだけで7月一杯草体をできる限り大きく育て、その後徐々に窒素を切らして行く。代わりに、リンとカリウムで成熟と生殖を促して、最後にカルシウムで養分を蓄えさせる。だから、この7回目で里芋の施肥はすべて完了。あとは11月の収穫を待つだけだ。

 代表のやり方の何が良いのかというと、まず葉に寄って来る害虫が少なくできること。葉に付く害虫の食性というのは、余剰な窒素が葉から滲み出ているのを舐めたくて来て葉を傷付ける。与える窒素が適度であれば滲み出る量も少ないので害虫が集まりにくい。

 もうひとつは、品質の良い作物ができること。大きさ、色、味、どれを取っても配合肥料の元肥と追肥で育てた作物、あるいは有機野菜でも害虫対策で元肥と追肥それぞれ少なくして育てた野菜類と確実に1ランク以上の差がある。手間はかかるが益は大きい。今は代表のホラ話だと思われても仕方がないが、いずれみんなが味わって納得できるようにしたいと思っている。

 代表の手法では栽培が難しい作物もある。窒素分を自らの知恵で調達してしまう賢い豆類と、葉そのものを食用にする葉菜類、この二つだ。

 それを見越して今年栽培してみているんだが、一昨日書いたように、豆類については失敗。来年もう一回勝負することになった。葉物については敢えて難易度が高い白菜を選んでチャレンジする予定。白菜は窒素をたくさん必要とする作物で、少ないと結球しない。いかに窒素を最小限に押さえて害虫を誘わないようにするかがポイントになるんだが、ここまでのデータに基づいて、自分としては非の打ちどころの無い完璧なプログラムを組んだつもり。

 いかんせんお盆から断続的に続く雨。その影響で準備がかなり遅れてしまっている。白菜は種を播く時期が大事なんだが、それを守れない時は大豆と一緒に来年に回すしかない。もう天気の回復を祈るだけだ。

寝る時も機械と一緒

 朝5時45分。畑Bに行くと、機械好きな畑仲間が近付いて来て言った。
「2サイクルエンジンの掃気バルブはよ、やっぱ排気と直線的になってた方が効率いいんだろう!?」
パジャマにサンダル履き。田んぼの見回りに来たみたいだが、考えているのはメカのこと。いつものことだ。

 「バルブはどこにあってもいいと思うよ。どっちみちシリンダーの半周を使って入れるわけだから。」と代表が話している時に、やけにこう...パジャマの背中を見せるように体をねじるので、嫌がおうにもTシャツの文字が目に入った。

  2019082102.jpg

 「あれ!?デイトナのTシャツじゃないの。行ったの?」
バイク乗りがデイトナと言えばデイトナバイクウィークを指すというくらい、フロリダで毎年5月に行われるバイク好きが集まるお祭りがあるのである。
 「おうよ。金髪の裸のねーちゃんを見に10年前にな。」とメカ好きの畑仲間は嬉しそうにデイトナの話に移った。午後から雨の予報だからせっかく早く来たのに、これじゃ仕事が進まないよー(涙)。

大豆はヤクザと同じ?

 畑仲間が言っていた。「大豆はヤクザと同じ。肩が触れ合うように植えちゃいけない。喧嘩する。」と。

 その通りだった。ついこの間まではいい状態だと思っていた代表の大豆だが、このところ虫にやられ放題で収穫できる見込みが無くなった。密植にし過ぎたと思う。

 株間20センチメートルで2条植えにして、しかも一か所に2粒から3粒播いた。芽が出た段階で1本にすれば良かったんだが、ケチな性分が災いしてそれをやらなかった。そのため過密状態になり、日当たりも風通しも悪くなって、イチモンジカメムシとホソヘリカメムシらを大量に呼び込み匿うことになった。害虫の姿に気が付いた時にすぐに対処すればまだ救われたと思うが、木酢液の効果確認などをやって遊んでいたからもう完全に手遅れ。アウトだ。

 とりあえず一番過密な印旛青は一畝置きに撤去し、その他の大豆、小豆は切って間引いて一本立にしてみたが...

  2019082001.jpg

 密植は反省点だが、それにしても生育が良すぎる感じがする。同時に植えても場所が違うと大きさに差があったり、後から植えたのが先に植えたのよりもでかくなったりということも起きている。おそらく土中に残っていた肥料の多可によってそのようなことになってしまっているんだと思う。大豆を作るなら肥料が抜けた広い畑じゃないと難しいね。今年はそういうことを学んだ。

 今回撤去した大豆の株の山。

2019082002.jpg

 残念ではあるが、この残骸も失敗経験と一緒に肥しにする。毎回その繰り返しだ。

茄子のはなス(話)

 長茄子(左)千両茄子(右)ともに順調に育って、長茄子の方にはもう花が咲いた。

  2019081901.jpg

 茄子の花は栄養状態によって雌しべの長さが変化する。栄養が充分だと雄しべより雌しべが長くなり(長花柱花という)、栄養不足の場合には雄しべと雌しべの長さが同じくらいになる(短花柱花という)。雄しべと雌しべの位置関係を見れば栄養状態がわかるわけだ。代表の茄子の花は長花柱花。今のところ肥料は充分なようだ。

 また茄子は、食べるところでの分類で果菜類と呼ばれ、高温多湿地帯で産まれた多年生の作物なので、条件が揃えば何年でも育つ。トマトなんかも同じ果菜類で、ハウスの中で管理すると、4階建ての建物くらいまで伸びる。それを収穫が終わった下の方からとぐろを巻かせて、3~4メートルの高さに抑えながら収穫し続ける人もいる。茄子の枝は硬いのでとぐろを巻かせることはできないが、露地でも上手に管理すれば10月くらいまで収穫できる。寒くなると実が硬くなって食べ難くなるので10月頭くらいが限界かな。

 果菜類は延々伸びる性質があるため、放っておくと枝が暴走してジャングルのようになる。その結果、日当たりの悪いところが病気になって枯れてしまう。仮に病気にならず枯れなかったとしても実の付け過ぎから果実の育ちが悪くなる。長く多く収穫することはできなくなる。従って、適正な剪定と整枝が必要になる。

 まず、一番花が咲いたらすぐ下2つのわき芽を残してそれから下の他のわき芽は摘み取っておかないといけない。これをやらないとどうなるかというと、根に近いわき芽がどんどん大きくなって養分を横取りして、良い実を付けさせたい中央部まで届かない。これ基本。

 それから、一枝あたりの茄子の実を2個までにする。これも放っておくと枝がいくらでも伸びて際限なく実を付けるために疲弊してしまう。一枝の花の二つ目の先の葉っぱ1枚を残し、その先は切り落とす。

 こうして行くとバランス良く枝葉が整えられて収穫し続けることができるんだが、ある程度経つと、今度は枝が古くなって元気が無くなり実の付きが悪くなってくる。その時は、茄子の場合、古い枝をバッサリ切り落として新しい枝を出させるということをする。

 代表の畑でうまく行くかどうかわからないが、その辺りのところも成長と合わせて紹介していけたらなーと思っています。

代表の研究拠点

 今の代表の研究棟。前に畑を使っていた人が作った物置で、大きさは一坪程。形がいびつだが、カメラの広角のせいではなく、実際に歪んでいる。雨風はしのげる。

  2019081802.jpg

 ここにはたくさんの物が入っていて、様々な実験をやっている。

 右にあるオレンジの箕 (み)の中に見えるのは釘だが、それは市役所の近くの銭湯で貰った灰の中に入っていたものだ。銭湯で出る灰が使えないかどうか、分析と実験を重ねていて、肥料袋一袋からこれだけの釘が出て来た。基本的に建築廃材を燃やしたものは有機農業で使うことは禁止だから使えない。それはわかっているが、代表も必死。カリウム単肥を何とかしないと代表の有機農法が成り立たない。

 小屋に立て掛けてある支柱にぶら下がっているのはカラスの風船。鍬を買いに本庄の金物店に行った時に3羽700円で売っていたもの。実は家庭菜園を始めた頃にこういうフィギュアの類は全部試して効果が無いことはわかっていたんだが、安さに釣られて買ってしまった。改めて試したところ、雀や燕が平気でこの風船をかすめて飛び回り、逆にカラスが寄って来て作物を突いたりした。相当精密な造りでないと鳥の目を騙すことはできない。

 小屋の中にある脚立は川内村から運んだもので、畑Bの東と西にある木を切るために準備した。研究棟の中は農具や資材や実験道具で満杯だ。

 世界一美味しい野菜作りを目指しているにしてはあまりにも研究施設がみすぼらしい。早く立派な研究室が、せめてビニールハウスくらいのが欲しい。頑張る。

戻りました

 まだ代表の頭は痺れている。

 お盆で川内村に帰った間、自分の農法の体系化の基礎の部分を固める作業に取り組んだ。具体的に言うと、栄養周期理論の実践で使われた肥料を有機JASで認められた肥料に置き換えた場合の肥料成分を比較し、次に、各作物毎に施肥時期と肥料の種類と成分量の差とを表にして、成り立つかどうかを確認した。成り立たない場合、肥料の足す引くで成り立つのか、細かく検討した。

 例えば、栄養周期理論では窒素肥料は硫安(硫酸アンモニウム)を使う前提だが、有機JAS規格では使用禁止になっているために使えない。代わりの有機JAS規格で認められた肥料(代表のぼかし肥料など)を捜して、その肥料の窒素分を算出比較。その時、他の成分が入っていれば抜いたり中和したり、あるいは無視できるか、他の成分のところにまとめられるか等を調べる。これを、各肥料要素微量要素全てについてやって、ここまでに作った作物とこれから栽培予定の作物について検証した。

 あんまり詳しく書くとknow-howが漏れるのでこれくらいにしておくが、結果は満足できるものだった。計算上は成り立つ。そして、上手く適った作物は圧倒的に味良く仕上がった。いくつかの懸案はあるが。

 だが、代表の構想を理解してくれる人はひとりもいない。農業のことしか興味が無いから、みんなの話題にも混ざれなかった。お盆で親戚が集まって賑やかな中で、代表は孤独を感じていた。

 そんな、台風の雨もようやく過ぎようとしていた時、義弟夫婦が恒例のバーベキューパーティーを催してくれた。今年はバーベキューグリルが新しくなっていた。ナント!ステンレス製!贅沢な。

  2019081801.jpg

 ステンレスのドラム缶を半分に切ったのに補強をしてスタンドをくっつけてある。義弟の職場の人が趣味で作ったものらしいが、細部に至るまで非常に凝った造りにっている。素晴らしい完成度。バーベキュー好きなアメリカ人なら$2,000でも買うだろう。

 だが、代表は栄養周期理論の事しか頭になかった。アームで肉を口に運び顎を上下に動かしながら、このバーベキューグリルで灰が大量に作れるんじゃないか!?と、ぼーっと眺めていた。栄養周期理論を有機肥料で展開した時、最大の懸案がカリウム単肥の調達性。灰が足りない。灰を下さい。もう完全にトサカがおかしかった。自分が灰人になりそうだった。

ブログ休みます

 墓参りのため、3、4日ブログを休みます。

 畑Aの西瓜と地這い胡瓜の収穫が終わったので、昨日片付けをした。西瓜も胡瓜もたいへん良く出来て、夏の味を充分に楽しませてもらった。

  2019081401.jpg

 すると、弦と雑草の中からひょっこり茄子の苗が出てきた。去年植えた千両茄子の種がこぼれたもののようだ。
[ 続きを読む » ]

アグリカルト

  今朝、畑Bに行くと木酢液の臭いが漂っていたが、予想通りカメムシは全然減っていなかった。やっぱり木酢液は効果が無かった。水虫に効くというコメントをもらったが、家の中であんな臭いものに手足を浸けていたら家族が居なくなってしまう。虫除けにはならないが人除けに使える?いらないよ。

 農業にはこういった類の話が多いよねー。あると信じる人には効果があるが、信じない人には全くご利益が無いというような、怪しい物とか技術の類。よくよく考えてみれば、代表が嵌っている栄養周期理論もそのひとつなのかも知れない。ボヤっとした概念はあるんだが、これだ!という確かな技法というものは無い。うまく行った時には立派な作物ができるが、外れることもある。農業は英語でアグリカルチャーだが、以降代表は自分の農業形態をアグリカルト(「怪しい農業」の意。代表の造語)と呼ぼうと思う。

 君たち、もっと仕事してカメムシを食ってくんないかな。

2019081301.jpg


使えないヤツ

 代表が農業を始めたのは2016年1月のことだった。団地の仲間に誘われ300坪の畑を3人で分けたのが最初。畑とはいっても田んぼだった所を造成して土を盛っただけでまだ一度も耕されていなかったから、草で覆われて土はカチカチのボコボコで、中古の耕運機を買って耕耘したり石を取ったりで最初は大変だった。それが畑A。今は信じられないくらい良い土になっている。

 あの頃は農業について知識も経験も無かったから、見ること聞くこと様々な情報に興味を持って片っ端から試した。そのひとつに木酢液があった。木酢液というのは、炭を焼く時に副産物としてできる褐色の液体で、酢酸などが含まれることや木を燻す時の臭いが残っていることから、害虫除けに効果があると言われていた。代表もすぐ飛びついて色々使ってみたんだが、全くの期待外れだった。

 まず、虫除けとしての効果はゼロ。薄めて作物に噴霧しても害虫は平気で食害する。原液で噴霧したら死ぬ場合もあったが、作物も酸でやられてしまった。もぐらの忌避剤になるというのでもぐらの穴に注入してみたりもしたけどダメ。これは役に立たないと判断して仕舞い込んだまま木酢液のことは忘れ去っていた。

 ところで、このところ実を付け出した大豆にカメムシが集まって来て困っていたところ、カメムシは木酢液の臭いが嫌いらしいという情報を耳にした。穴を開けたペットボトルに木酢液を入れて吊るして置くと、カメムシが寄って来ないらしい。早速大豆の中に吊るしてみた。

  2019081201.jpg

 明日行けば結果がわかるが、たぶんダメだろうね(笑)。

失敗も成果の内

 トウモロコシは甘くて栄養があるから様々な虫の餌食になる。特に、アワノメイガという小さな蛾の幼虫は、必ずトウモロコシに付いて、花とといわず茎といわず実といわずあらゆるところに食い入ってボロボロにする憎っくき天敵だ。アワノメイガの被害を防ぐには見つけ次第手で取るしかないが、その勢いは捕殺が追い付かないくらい凄まじい。完全に防ぎたかったら農薬を使うしかないだろう。

 代表の育て方だとどうなのか?種を播種するときに窒素分をやらずに、定植後も少な目の状態で育てるというやり方で実験してみた。結果は、効果があった。ゼロではなかったが、アワノメイガの食害がほとんど無かった。しかし、窒素分が少な過ぎて、途中で肥料切れし、充分な大きさにまで育たなかった。失敗した。

2019081102.jpg

 更に、もうひとつの実験が余計に肥料切れを加速させたと思う。その実験というのは、普通一本の株に一つないし二つの実を遺して大きく育てるが、代表は実っただけ全部育てた。しかも、たくさんの数の実が出るように肥料を偏らせてみたのだった。そっちの実感はうまく行って、次々に実を付けてどんどん増える気配を示したが、いかんせん施肥量がその勢いに追い付かず、貧弱な株に実沢山の可哀そうな姿になってしまった。

 更に更に、後からできた実は、受粉しようにもその時には既に雄花が無くなっていたたため実にならなかった。このように花粉を待っている状態のまま老いた。

2019081101.jpg

 可哀想なことをした。

 だが、収穫できた何本かのトウモロコシは美味しかった。驚くほど糖度が高く、その甘さには雑味が無く、山深い谷川の清水のようにどこまでも澄んでいた。

 結局、色んなことを一遍に試したために失敗するべくして失敗したダメな実験の見本のような結果になってしまったが、転んでもただでは起きないぞという話で、肥料のコントロールでアワノメイガの被害を少なくできそうなこと、同じく沢山の実を付けさせることが可能なこと、そして、代表の肥料で育てたトウモロコシは旨いことのデータは取れた。

 次は、窒素分を草体内に増やさないで且つ切らさない施肥の方法と、実が増えても花粉が供給し続けられるような手法を考えて実験してみたい。来年の話だけどね。

長茄子の育て方

  先日川内村へ行った時に、代表が畑Aで作った胡瓜を数本持って行って、ご飯の度に一本ずつ味噌を付けて食べたが、瑞々しくて美味しいと思った。胡瓜だけではない。自分が作った野菜は美味しい。昨日から畑Bのオクラが収穫できるようになったが、これもがっちりした力強い草体に育ち、実は色といい軟らかさといい味といい市販のものとは明らかに違う上等な出来だった。これなら売れる、と思った。

 美味しい野菜作りのポイントは4つに尽きると思う。ひとつは強い体質の苗にすること。次が元肥をやらないこと。みっつ目が有機肥料を使うことで、最後に肥料と水を適切に管理すること。しかし、これができるようになるには相応の知識と数年の経験が要る。簡単なことではないと思う。

 7月27日に定植した長茄子が完全に根付いた。8月3日の長茄子はまだこれくらいだったから、ずいぶん育った。代表が作った肥料は良く効くなー。

2019081001.jpg

 栄養周期理論では花が咲く頃から徐々に窒素分が減るように肥料をやるのだが、トマトや茄子のように次々に花が咲いて実になってと、収穫期間が長く続く果菜と呼ばれる作物の場合は、ちょっとやり方を変えないと、ある程度の窒素分を与え続けないと草体が衰えてしまう。与え過ぎると今度は若返りを起こしてしまって収穫が少なくなる。その加減が難しい。これに対する厳密なマニュアルは無く、ガイドライン的なものはあるが、化成肥料ベースのために代表の農法には使えない。代表にとって茄子は初物なので、とりあえず勘で行って当たりを付けてみることにしたい。

拝啓、鶴田松盛様 2019夏

 拝啓、鶴田松盛様

 ご無沙汰しております。今年は広野あたりも暑いだろうと察しますが、お変わりなくお過ごしのことと思います。

 コメントをありがとうございました。里芋は私が最も力を入れている作物で一番得意にしている作物です。品種は土垂(「どだれ」または「どたれ」)です。里芋で様々な農法を試して参りましたが、今まで失敗という失敗は無く、毎年たくさんの収穫がありました。私が作る里芋を楽しみにされておられる方も多く、その為に失敗できない、いつも緊張感を持って挑んでいる作物でもあります。

 今年は13株×12畝+αで約160株を植えました。その内の10畝は更に新しい農法を試みて、その内の5畝については今後の方向性を探る目的で液肥のみで育てるトライをしました。

 その結果、新しい農法が非常にうまく行き、従来のやり方と格段の成長の違いを見せました。液肥については、良く効くものの里芋を育て切るには肥効の切れが早過ぎると判断し、途中からぼかし肥料に切り替えました。そうやって計画通り、7月一杯かけて充分に大きく育てました。先日その写真をブログで紹介しました。

 ところで、里芋作りで大事なポイントは、梅雨明けの乾期にいかに水を与えるか、です。里芋は水を欲しがる作物です。この時期、丁度芋ができる時に水を与えられるかどうかが出来不出来に大きく関わってきます。毎年私は水場で10リットルのバケツに水を満たして、畑まで100往復もして潅水して来ました。畑の作業の中ではこれが最高に厳しい重労働です。今年は里芋を植えた場所を畑Aから畑Bに変えたため、水場との距離が長くなって、運ぶのが一層大変になりました。そのときの励みは鶴田さんが喜んでくれる顔だけです。誇張でも冗談でもなく、鶴田さんの丸い大きな顔が64の私に力を与えてくれています。

 しかしながら、今回はこの大事な時期に川内村に帰る用事があって3日ほど離れ水がやれなかったために、失敗してしまいました。水が足りなくて、御覧のように縮れさせてしまいました。

  2019080901.jpg

 無念です。
今日は「申し訳なかった」と里芋に詫びながら水を1トン運びました。もう疲労で小便がまっ黄っ黄です。

 この水不足が収穫にどう影響するかわかりません。もうダメかも知れないし、もしかすると良い方向に向かうかも知れません。里芋が水を求めて根を延ばし養分が沢山吸えるようになることも考えられるし、この過酷なストレスが里芋を新たな領域に導く可能性もあります。それはわかりませんが、湿気の多い東南アジアの密林を離れて今日本各地で繁茂している状況を鑑みれば、この芋は底知れぬ力を秘有していると考えて間違いないでしょう。硬い芋になるかえぐい芋になるか収穫してみないとわかりませんが、それはそれで味わいの内になるかと思います。

 長くなってしまいました。今から不作の時の言い訳を並べてしまった感じで恐縮ですが、飽くまでも私が目指しているのは世界一美味しい里芋です。口に入れた時にトロっと溶けて、口中全体に旨味が広がった後、焼酎でサーッと喉元に流れて行くという、そういう里芋です。作り方のイメージはできていて、自信もあります。今年は失敗かも知れないですが、何年かかっても必ず完成させますので、それまでお待ちください。

 明日もまた暑い日なりそうですが、どうぞお元気で。私は頑張ってまた里芋に水と汗を運びます。

 それではまた。
                                                                敬具
 

ブログ休みます

 川内村へ行くため3、4日ブログを休みます。

                         代表

今日の長茄子

 作物は窒素が効いていると縦方向に伸びる。ヒョロヒョロと上に上に伸びて行く。でも、そういう伸ばし方では収穫は少ない。横に広げてやらないといけない。横に広げるためにはどうしたらいいのか?根を横に広げさせるようにしたらいい。地面の上の形と根の形は一緒なのだ。それじゃ、根を横に広げさせるようにするにはどうしたらいいか?窒素を与え過ぎず根の先に先にと適量ずつ施して行けばいい。水のやり方も同じ。

 窒素が多いと水もたくさん欲しがるようになる。配合肥料と水をたくさんやって草体を大きくしている人が多いが、それは野菜を贅沢軟弱にしているだけ。肥料のムダづかいだ。

 本日の長茄子。葉が横方向に展開してきた。根が横に向かい出した証拠だ。

  2019080301.jpg

本日の長茄子

 畑Bに行くと、草刈りをしていた、田畑で農業に関する話をしたことがない畑仲間がすぐに代表を見つけて近づいて来て言った。

  2019080201.jpg

 「フォアサイクルでツーサイクルに勝つには回転数を2倍にすりゃええのか?」この人は機械のことしか頭に無いのか(笑)。

 摩擦は速度の2乗に比例するから回転数が2倍になっただけじゃそのロス分がカバーできない。だからそう単純ではないんだね。もっと回転数を上げるか、それに代わる技術を投入しないといけない。それから、回転数が上がると慣性モーメントも大きくなるので、回転部分を動かすときに余計に力が必要になるし、回転を上げたり下げたりする時の反トルクの影響も小さくはない。難しいんだよ。

 「なるほどなー。NRがフォアサイクルでWGPにチャレンジしたってのは、とてつもないチャレンジだったんだなー。」
無謀とも言える今ならあり得ない気狂い沙汰の挑戦だった。ああいうチャレンジは今後無いと思う。
「ところで、おれNRの楕円ピストンいっこ持ってんだけどよ」って。ええー!?何言い出すの。そんな危ないブツ持ってるなんて、あんた一体何者なんだよ。

 「あとよ、いすずのトラックのエンジンが壊れちゃって、他のエンジンを載せ替えようとしたんだけど、上下のフレームを繋いでいるメンバーが邪魔で乗っからないんだ。切っちゃっちゃマズいか?」そりゃマズいでしょ。
天気もオーバーヒートだが、もっと熱いのはこの人の頭の中だ。

 今日の長茄子は、
[ 続きを読む » ]

代表の8月の予定

 川越も毎日暑い。日中の作業は体力の消耗が激しく連続2時間が限度。汗をびっしょりかいて、水をがっぱがっぱ飲んで、よくもこんなことを続けて体が平気なもんだなと自分でも驚くが、歳だから自重しないといけない。

 本日の長茄子の姿。

2019080101.jpg

 2日に一度液肥を10分の1に薄めて1リットル与えている。
長茄子の気持ちを代弁すると「まあまあ元気」だそうです。

 代表の8月の予定です。 8月からはもう冬作~来年の春作物の準備が始まります。代表の栄養周期理論もいよいよ第2段階、葉物根菜へ展開開始します。
[ 続きを読む » ]