FC2ブログ

茄子のはなス(話)

 長茄子(左)千両茄子(右)ともに順調に育って、長茄子の方にはもう花が咲いた。

  2019081901.jpg

 茄子の花は栄養状態によって雌しべの長さが変化する。栄養が充分だと雄しべより雌しべが長くなり(長花柱花という)、栄養不足の場合には雄しべと雌しべの長さが同じくらいになる(短花柱花という)。雄しべと雌しべの位置関係を見れば栄養状態がわかるわけだ。代表の茄子の花は長花柱花。今のところ肥料は充分なようだ。

 また茄子は、食べるところでの分類で果菜類と呼ばれ、高温多湿地帯で産まれた多年生の作物なので、条件が揃えば何年でも育つ。トマトなんかも同じ果菜類で、ハウスの中で管理すると、4階建ての建物くらいまで伸びる。それを収穫が終わった下の方からとぐろを巻かせて、3~4メートルの高さに抑えながら収穫し続ける人もいる。茄子の枝は硬いのでとぐろを巻かせることはできないが、露地でも上手に管理すれば10月くらいまで収穫できる。寒くなると実が硬くなって食べ難くなるので10月頭くらいが限界かな。

 果菜類は延々伸びる性質があるため、放っておくと枝が暴走してジャングルのようになる。その結果、日当たりの悪いところが病気になって枯れてしまう。仮に病気にならず枯れなかったとしても実の付け過ぎから果実の育ちが悪くなる。長く多く収穫することはできなくなる。従って、適正な剪定と整枝が必要になる。

 まず、一番花が咲いたらすぐ下2つのわき芽を残してそれから下の他のわき芽は摘み取っておかないといけない。これをやらないとどうなるかというと、根に近いわき芽がどんどん大きくなって養分を横取りして、良い実を付けさせたい中央部まで届かない。これ基本。

 それから、一枝あたりの茄子の実を2個までにする。これも放っておくと枝がいくらでも伸びて際限なく実を付けるために疲弊してしまう。一枝の花の二つ目の先の葉っぱ1枚を残し、その先は切り落とす。

 こうして行くとバランス良く枝葉が整えられて収穫し続けることができるんだが、ある程度経つと、今度は枝が古くなって元気が無くなり実の付きが悪くなってくる。その時は、茄子の場合、古い枝をバッサリ切り落として新しい枝を出させるということをする。

 代表の畑でうまく行くかどうかわからないが、その辺りのところも成長と合わせて紹介していけたらなーと思っています。

代表の研究拠点

 今の代表の研究棟。前に畑を使っていた人が作った物置で、大きさは一坪程。形がいびつだが、カメラの広角のせいではなく、実際に歪んでいる。雨風はしのげる。

  2019081802.jpg

 ここにはたくさんの物が入っていて、様々な実験をやっている。

 右にあるオレンジの箕 (み)の中に見えるのは釘だが、それは市役所の近くの銭湯で貰った灰の中に入っていたものだ。銭湯で出る灰が使えないかどうか、分析と実験を重ねていて、肥料袋一袋からこれだけの釘が出て来た。基本的に建築廃材を燃やしたものは有機農業で使うことは禁止だから使えない。それはわかっているが、代表も必死。カリウム単肥を何とかしないと代表の有機農法が成り立たない。

 小屋に立て掛けてある支柱にぶら下がっているのはカラスの風船。鍬を買いに本庄の金物店に行った時に3羽700円で売っていたもの。実は家庭菜園を始めた頃にこういうフィギュアの類は全部試して効果が無いことはわかっていたんだが、安さに釣られて買ってしまった。改めて試したところ、雀や燕が平気でこの風船をかすめて飛び回り、逆にカラスが寄って来て作物を突いたりした。相当精密な造りでないと鳥の目を騙すことはできない。

 小屋の中にある脚立は川内村から運んだもので、畑Bの東と西にある木を切るために準備した。研究棟の中は農具や資材や実験道具で満杯だ。

 世界一美味しい野菜作りを目指しているにしてはあまりにも研究施設がみすぼらしい。早く立派な研究室が、せめてビニールハウスくらいのが欲しい。頑張る。

戻りました

 まだ代表の頭は痺れている。

 お盆で川内村に帰った間、自分の農法の体系化の基礎の部分を固める作業に取り組んだ。具体的に言うと、栄養周期理論の実践で使われた肥料を有機JASで認められた肥料に置き換えた場合の肥料成分を比較し、次に、各作物毎に施肥時期と肥料の種類と成分量の差とを表にして、成り立つかどうかを確認した。成り立たない場合、肥料の足す引くで成り立つのか、細かく検討した。

 例えば、栄養周期理論では窒素肥料は硫安(硫酸アンモニウム)を使う前提だが、有機JAS規格では使用禁止になっているために使えない。代わりの有機JAS規格で認められた肥料(代表のぼかし肥料など)を捜して、その肥料の窒素分を算出比較。その時、他の成分が入っていれば抜いたり中和したり、あるいは無視できるか、他の成分のところにまとめられるか等を調べる。これを、各肥料要素微量要素全てについてやって、ここまでに作った作物とこれから栽培予定の作物について検証した。

 あんまり詳しく書くとknow-howが漏れるのでこれくらいにしておくが、結果は満足できるものだった。計算上は成り立つ。そして、上手く適った作物は圧倒的に味良く仕上がった。いくつかの懸案はあるが。

 だが、代表の構想を理解してくれる人はひとりもいない。農業のことしか興味が無いから、みんなの話題にも混ざれなかった。お盆で親戚が集まって賑やかな中で、代表は孤独を感じていた。

 そんな、台風の雨もようやく過ぎようとしていた時、義弟夫婦が恒例のバーベキューパーティーを催してくれた。今年はバーベキューグリルが新しくなっていた。ナント!ステンレス製!贅沢な。

  2019081801.jpg

 ステンレスのドラム缶を半分に切ったのに補強をしてスタンドをくっつけてある。義弟の職場の人が趣味で作ったものらしいが、細部に至るまで非常に凝った造りにっている。素晴らしい完成度。バーベキュー好きなアメリカ人なら$2,000でも買うだろう。

 だが、代表は栄養周期理論の事しか頭になかった。アームで肉を口に運び顎を上下に動かしながら、このバーベキューグリルで灰が大量に作れるんじゃないか!?と、ぼーっと眺めていた。栄養周期理論を有機肥料で展開した時、最大の懸案がカリウム単肥の調達性。灰が足りない。灰を下さい。もう完全にトサカがおかしかった。自分が灰人になりそうだった。

ブログ休みます

 墓参りのため、3、4日ブログを休みます。

 畑Aの西瓜と地這い胡瓜の収穫が終わったので、昨日片付けをした。西瓜も胡瓜もたいへん良く出来て、夏の味を充分に楽しませてもらった。

  2019081401.jpg

 すると、弦と雑草の中からひょっこり茄子の苗が出てきた。去年植えた千両茄子の種がこぼれたもののようだ。
[ 続きを読む » ]

アグリカルト

  今朝、畑Bに行くと木酢液の臭いが漂っていたが、予想通りカメムシは全然減っていなかった。やっぱり木酢液は効果が無かった。水虫に効くというコメントをもらったが、家の中であんな臭いものに手足を浸けていたら家族が居なくなってしまう。虫除けにはならないが人除けに使える?いらないよ。

 農業にはこういった類の話が多いよねー。あると信じる人には効果があるが、信じない人には全くご利益が無いというような、怪しい物とか技術の類。よくよく考えてみれば、代表が嵌っている栄養周期理論もそのひとつなのかも知れない。ボヤっとした概念はあるんだが、これだ!という確かな技法というものは無い。うまく行った時には立派な作物ができるが、外れることもある。農業は英語でアグリカルチャーだが、以降代表は自分の農業形態をアグリカルト(「怪しい農業」の意。代表の造語)と呼ぼうと思う。

 君たち、もっと仕事してカメムシを食ってくんないかな。

2019081301.jpg


使えないヤツ

 代表が農業を始めたのは2016年1月のことだった。団地の仲間に誘われ300坪の畑を3人で分けたのが最初。畑とはいっても田んぼだった所を造成して土を盛っただけでまだ一度も耕されていなかったから、草で覆われて土はカチカチのボコボコで、中古の耕運機を買って耕耘したり石を取ったりで最初は大変だった。それが畑A。今は信じられないくらい良い土になっている。

 あの頃は農業について知識も経験も無かったから、見ること聞くこと様々な情報に興味を持って片っ端から試した。そのひとつに木酢液があった。木酢液というのは、炭を焼く時に副産物としてできる褐色の液体で、酢酸などが含まれることや木を燻す時の臭いが残っていることから、害虫除けに効果があると言われていた。代表もすぐ飛びついて色々使ってみたんだが、全くの期待外れだった。

 まず、虫除けとしての効果はゼロ。薄めて作物に噴霧しても害虫は平気で食害する。原液で噴霧したら死ぬ場合もあったが、作物も酸でやられてしまった。もぐらの忌避剤になるというのでもぐらの穴に注入してみたりもしたけどダメ。これは役に立たないと判断して仕舞い込んだまま木酢液のことは忘れ去っていた。

 ところで、このところ実を付け出した大豆にカメムシが集まって来て困っていたところ、カメムシは木酢液の臭いが嫌いらしいという情報を耳にした。穴を開けたペットボトルに木酢液を入れて吊るして置くと、カメムシが寄って来ないらしい。早速大豆の中に吊るしてみた。

  2019081201.jpg

 明日行けば結果がわかるが、たぶんダメだろうね(笑)。

失敗も成果の内

 トウモロコシは甘くて栄養があるから様々な虫の餌食になる。特に、アワノメイガという小さな蛾の幼虫は、必ずトウモロコシに付いて、花とといわず茎といわず実といわずあらゆるところに食い入ってボロボロにする憎っくき天敵だ。アワノメイガの被害を防ぐには見つけ次第手で取るしかないが、その勢いは捕殺が追い付かないくらい凄まじい。完全に防ぎたかったら農薬を使うしかないだろう。

 代表の育て方だとどうなのか?種を播種するときに窒素分をやらずに、定植後も少な目の状態で育てるというやり方で実験してみた。結果は、効果があった。ゼロではなかったが、アワノメイガの食害がほとんど無かった。しかし、窒素分が少な過ぎて、途中で肥料切れし、充分な大きさにまで育たなかった。失敗した。

2019081102.jpg

 更に、もうひとつの実験が余計に肥料切れを加速させたと思う。その実験というのは、普通一本の株に一つないし二つの実を遺して大きく育てるが、代表は実っただけ全部育てた。しかも、たくさんの数の実が出るように肥料を偏らせてみたのだった。そっちの実感はうまく行って、次々に実を付けてどんどん増える気配を示したが、いかんせん施肥量がその勢いに追い付かず、貧弱な株に実沢山の可哀そうな姿になってしまった。

 更に更に、後からできた実は、受粉しようにもその時には既に雄花が無くなっていたたため実にならなかった。このように花粉を待っている状態のまま老いた。

2019081101.jpg

 可哀想なことをした。

 だが、収穫できた何本かのトウモロコシは美味しかった。驚くほど糖度が高く、その甘さには雑味が無く、山深い谷川の清水のようにどこまでも澄んでいた。

 結局、色んなことを一遍に試したために失敗するべくして失敗したダメな実験の見本のような結果になってしまったが、転んでもただでは起きないぞという話で、肥料のコントロールでアワノメイガの被害を少なくできそうなこと、同じく沢山の実を付けさせることが可能なこと、そして、代表の肥料で育てたトウモロコシは旨いことのデータは取れた。

 次は、窒素分を草体内に増やさないで且つ切らさない施肥の方法と、実が増えても花粉が供給し続けられるような手法を考えて実験してみたい。来年の話だけどね。

長茄子の育て方

  先日川内村へ行った時に、代表が畑Aで作った胡瓜を数本持って行って、ご飯の度に一本ずつ味噌を付けて食べたが、瑞々しくて美味しいと思った。胡瓜だけではない。自分が作った野菜は美味しい。昨日から畑Bのオクラが収穫できるようになったが、これもがっちりした力強い草体に育ち、実は色といい軟らかさといい味といい市販のものとは明らかに違う上等な出来だった。これなら売れる、と思った。

 美味しい野菜作りのポイントは4つに尽きると思う。ひとつは強い体質の苗にすること。次が元肥をやらないこと。みっつ目が有機肥料を使うことで、最後に肥料と水を適切に管理すること。しかし、これができるようになるには相応の知識と数年の経験が要る。簡単なことではないと思う。

 7月27日に定植した長茄子が完全に根付いた。8月3日の長茄子はまだこれくらいだったから、ずいぶん育った。代表が作った肥料は良く効くなー。

2019081001.jpg

 栄養周期理論では花が咲く頃から徐々に窒素分が減るように肥料をやるのだが、トマトや茄子のように次々に花が咲いて実になってと、収穫期間が長く続く果菜と呼ばれる作物の場合は、ちょっとやり方を変えないと、ある程度の窒素分を与え続けないと草体が衰えてしまう。与え過ぎると今度は若返りを起こしてしまって収穫が少なくなる。その加減が難しい。これに対する厳密なマニュアルは無く、ガイドライン的なものはあるが、化成肥料ベースのために代表の農法には使えない。代表にとって茄子は初物なので、とりあえず勘で行って当たりを付けてみることにしたい。

拝啓、鶴田松盛様 2019夏

 拝啓、鶴田松盛様

 ご無沙汰しております。今年は広野あたりも暑いだろうと察しますが、お変わりなくお過ごしのことと思います。

 コメントをありがとうございました。里芋は私が最も力を入れている作物で一番得意にしている作物です。品種は土垂(「どだれ」または「どたれ」)です。里芋で様々な農法を試して参りましたが、今まで失敗という失敗は無く、毎年たくさんの収穫がありました。私が作る里芋を楽しみにされておられる方も多く、その為に失敗できない、いつも緊張感を持って挑んでいる作物でもあります。

 今年は13株×12畝+αで約160株を植えました。その内の10畝は更に新しい農法を試みて、その内の5畝については今後の方向性を探る目的で液肥のみで育てるトライをしました。

 その結果、新しい農法が非常にうまく行き、従来のやり方と格段の成長の違いを見せました。液肥については、良く効くものの里芋を育て切るには肥効の切れが早過ぎると判断し、途中からぼかし肥料に切り替えました。そうやって計画通り、7月一杯かけて充分に大きく育てました。先日その写真をブログで紹介しました。

 ところで、里芋作りで大事なポイントは、梅雨明けの乾期にいかに水を与えるか、です。里芋は水を欲しがる作物です。この時期、丁度芋ができる時に水を与えられるかどうかが出来不出来に大きく関わってきます。毎年私は水場で10リットルのバケツに水を満たして、畑まで100往復もして潅水して来ました。畑の作業の中ではこれが最高に厳しい重労働です。今年は里芋を植えた場所を畑Aから畑Bに変えたため、水場との距離が長くなって、運ぶのが一層大変になりました。そのときの励みは鶴田さんが喜んでくれる顔だけです。誇張でも冗談でもなく、鶴田さんの丸い大きな顔が64の私に力を与えてくれています。

 しかしながら、今回はこの大事な時期に川内村に帰る用事があって3日ほど離れ水がやれなかったために、失敗してしまいました。水が足りなくて、御覧のように縮れさせてしまいました。

  2019080901.jpg

 無念です。
今日は「申し訳なかった」と里芋に詫びながら水を1トン運びました。もう疲労で小便がまっ黄っ黄です。

 この水不足が収穫にどう影響するかわかりません。もうダメかも知れないし、もしかすると良い方向に向かうかも知れません。里芋が水を求めて根を延ばし養分が沢山吸えるようになることも考えられるし、この過酷なストレスが里芋を新たな領域に導く可能性もあります。それはわかりませんが、湿気の多い東南アジアの密林を離れて今日本各地で繁茂している状況を鑑みれば、この芋は底知れぬ力を秘有していると考えて間違いないでしょう。硬い芋になるかえぐい芋になるか収穫してみないとわかりませんが、それはそれで味わいの内になるかと思います。

 長くなってしまいました。今から不作の時の言い訳を並べてしまった感じで恐縮ですが、飽くまでも私が目指しているのは世界一美味しい里芋です。口に入れた時にトロっと溶けて、口中全体に旨味が広がった後、焼酎でサーッと喉元に流れて行くという、そういう里芋です。作り方のイメージはできていて、自信もあります。今年は失敗かも知れないですが、何年かかっても必ず完成させますので、それまでお待ちください。

 明日もまた暑い日なりそうですが、どうぞお元気で。私は頑張ってまた里芋に水と汗を運びます。

 それではまた。
                                                                敬具
 

ブログ休みます

 川内村へ行くため3、4日ブログを休みます。

                         代表